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ALL JAPAN EV-GP SERIES 2023 第6戦レポート(3)―時代の進化とともに魅力を増すEVレース。来季は第1戦から目が離せない!

2023年11月8日更新

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余郷選手へのペナルティが報告された後、ALL JAPAN EV-GP SERIES 2023の最後の表彰式が晴れやかに実施された。

このときには雨も上がっていた。

地頭所光選手
「レースを盛り上げる新たな準備をしたい」

最初に行われたのは第6戦レースのEV-1クラス(モーター出力251kW以上)および総合の表彰。1位の地頭所光選手、2位の密山祥吾選手、3位のアニー@ニキ選手にそれぞれの色のメダルが授与された。

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左から2位密山祥吾選手、1位地頭所光選手、3位アニー@ニキ選手



金メダルをかけた地頭所選手は、自身久々の優勝、余郷選手の初の年間総合チャンピオン、チーム6連覇という三つの勝利を得たことについての喜びを語った。そして、今戦のように多数の車両のエントリーによるEV-GPの盛り上がりが継続することに期待を寄せ、チームも自身もそれに寄与すべく、来季に向けて新たな準備に取りかかる意志を明らかにした。

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余郷敦選手
「人生は常に勉強。さらなる進化を目指す」

次に年間の総合チャンピオンならびに各クラスのチャンピオンへの表彰が行われ、まずEV-1クラスと年間総合を制した余郷敦選手に記念の盾が手渡された。

コメントを求められた余郷選手は、今シリーズ前半で苦戦しつつも後半に盛り返してチャンピオンを獲得できたことと、Team TAISANの6連覇の一員になれたことについての喜びと感謝を述べた。また、レースでペナルティを受けた件にも言及。優勝を逃したのは自分の未熟さ故とし、今後も謙虚に勉強を続け、さらなる進化を目指すと誓っていた。

 

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EV-1クラスおよび総合で年間チャンピオンとなった余郷敦選手



レーサー鹿島選手
「EVの劇的な進化はレース場からはじまる」

余郷選手の表彰に続き、EV-2クラス(モーター出力151kW以上251kW未満)のレーサー鹿島選手(#88/リーフe+で参戦)、EV-3クラス(モーター出力151kW未満)の本間康文選手(#77/リーフで参戦)、EV-Rクラス(レンジエクステンダー)の廣瀬多喜雄選手(#555/ノートオーラで参戦)への年間チャンピオン表彰が行われた。

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EV-2クラスで年間チャンピオンとなったレーサー鹿島選手



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EV-3クラスで年間チャンピオンとなった本間康文選手



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EV-Rクラスで年間チャンピオンとなった廣瀬多喜雄選手



3人ともそれぞれ滋味深い受賞の喜びを語ったが、特に印象的だったのはレーサー鹿島選手のコメントだった。以下はその要約である。

「私のリーフe+はもうやることがないくらい改良している。そのお陰で今シーズンの前半はいい感じで同じポテンシャルのライバル車たちと戦えた。でも、後半は結構苦しんだ。どうしてかというと、ライバル車が劇的に進化していたから」

「AKIRA RACINGのMIRAIはカーボンのボンネットに穴を空けてエアが抜けるようにし、より速く走るようになっていた。武蔵精密工業のシビックは、自社のキャパシタの導入によってバッテリーの温度上昇を防ぎ、より戦闘力を高めていた」

「昔のエンジン車レースでは、サーキットの中でいろんな新しい技術が開発されてレベルの高い競争が行われていた。そして、その技術はいずれ市販車やカスタムカーに反映されるなどした。そんな面白くもエキサイティングな現象が今、EVレース界でも起きはじめている」

「来季、私もライバルたちに負けず、かつリーフ最速の称号を守るために、さらにいいカスタムをして頑張りたい」

● ● ●


今季最後の表彰式は、JEVRAの関谷正徳理事長の挨拶で締めくくられた。

関谷理事長は、近年の急速なEV普及に伴うEVレース隆盛への喜びと感謝を述べた。その中で、来季のALL JAPAN EV-GP SERIESをさらに盛り上げていきたいとの思いを語った。

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JEVRA 関谷正徳理事長



今戦、テスラ モデルSプラッド、Honda e、個人オーナー所有のテスラ モデル3の初参戦という注目のエピソードがあった。もしかすると来季は、これを越える驚きの展開を目にすることになりそうだ。

期待大である。

まだJEVRAのEVレースを観戦したことのないクルマ好き、レース好きの方々、電動化時代ならではのスペシャルな感動を得るべく、来季こそはサーキットに足を運ばれたい!

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ALL JAPAN EV-GP SERIES 2023 第6戦レポート

(1)初の年間総合チャンピオンへ。「雨の余郷」が本領発揮のポールポジション!

(2)ペナルティを受けるも余郷選手が初の王座を獲得。TAISANは6連覇を達成!

(3)時代の進化とともに魅力を増すEVレース。来季は第1戦から目が離せない!

(4)「とりあえずノーマルで走った」テスラ モデルSプラッドとHonda e。来季の劇的進化に期待!

(5)個人参戦でも戦える!2人のモデル3オーナーが入賞圏内でフィニッシュ!

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