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クルマのトラブル「もしも」マニュアル
2024年4月25日更新
【今回のやっちゃったストーリー】
前回のストーリーで、自賠責保険に未加入のまま電動キックボードで人身事故を起こし、散々な目にあったHくん(20歳・大学生)。
あれから3か月が経ち、もろもろの問題が解決したので、封印していた電動キックボードライフを再開することにした。
今度はしっかり自賠責保険に加入。着用が努力義務となっているヘルメットも購入した。もちろん電動キックボードの交通ルールはしっかり頭に叩き込んだ。
「これでもう大丈夫!」
再開初日、Hくんは電動キックボードでアルバイト先のカフェへと向かった。
走ったのは車道。右隣をクルマがビュンビュン走っていたが、自転車レーン(自転車専用通行帯)の走行だったので特に危険は感じなかった。それよりも、車道で出せる20㎞/hの速度はなかなか速くて快適で、「買ってよかった」との思いがわきあがった。
しかし、カフェまであと1㎞のあたりで事態は暗転する。
Hくんが行く自転車レーンの先に、チカチカとハザードランプを点滅させ、クルマが停車していた。
「邪魔だな。そんなところにクルマを停めないでよ」
Hくんは、仕方なく右側に膨らみ、そのクルマを追い越しはじめた。そのとき、後ろから大きなトラックが追い越し車線を走って来て、クラクションを鳴らしながらHくんの横を通り抜けていった。Hくんはびっくりしてよろめき、停車していたクルマに体ごと寄りかかる形で接触。電動キックボードのハンドルで、停車していたクルマの右ミラーを折ってしまった。あらららら。
クルマから出てきた女性ドライバーはHくんを鬼の形相でにらみ、言葉にならない怒声をまくしたてた。そして、スマホを取り出し110番。「キックボードの男が後ろからぶつかってきてクルマを壊した。すぐに来て!」と通報した。
数分後、パトカーが到着。一通りの検分の後、警官はHくんの過失が大きい物損事故との認識を示した。
それを聞いたHくんは激しく抗弁した。「あのクルマが駐車違反していたから起きた事故。なのに、僕の過失が大きいのはおかしいでしょ」
だが、警官は首を横に振りながらこう言った。
「事故は事故だからね。それに、自転車専用通行帯での停車はよいこととはいえないけれど、ここは駐停車禁止ではないから、停車していけないというわけではない」
結局、Hくんは相手のミラーの修理代を弁償しなければならなくなった。電動キックボードの使用を再開する直前に、対物補償がある任意保険への加入も考えたが、保険料がそこそこするし、低速の電動キックボードでそこまでの破壊的な事故は起こらないだろうと判断し、取りやめていた。大きな間違いだった。世の中、本当に何が起こるかわからない……。
前回同様、Hくんは実家の父親に電話してお金を無心した。
父親の第一声は、またしても「この大馬鹿者めが!」だった。
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