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みらいのくるまの「ただいまのところ」情報
2022年5月11日更新
高校生になってカートを手に入れた。
週末はレースとバイトに明け暮れた。
だが、高校2年の秋、そんな生活も終わりを告げることに。
夢と現実の狭間で悩んだ末の決断。
彼は東大一直線の道を選ぶことにした。
レースざんまいの週末
——高校時代についてお聞きします。志望していた、東大合格者を輩出する中高一貫校の高校には合格したんですよね?
地頭所 合格しました。中学受験時のリベンジを果たしたわけです。
——それは何よりです。しかし、そこからは東大を目指して勉強することになるから、中学のときと同じくカートレースの参戦はたまにしかできなかったんじゃないですか?
地頭所 平日は学校と塾の勉強でそれなりに忙しかったです。でも、高1のときは土曜と日曜はすべてのエネルギーをカートレースに全振りしましたね。レース参戦はもちろん、その資金を稼ぐために引っ越しのバイトやサーキットでの旗振りのバイトなどもやっていました。
——進学校の生徒のイメージじゃないですね。
地頭所 当時、マイ・カートを手に入れたばかりだったので、かなり熱が入ってたんですよ。
——自分用のカートを手に入れたんですね。
地頭所 ええ。志望校に合格したら、お祝いにカートを買ってもらうという約束を親としていたので……。といっても、8年落ちの中古のカートだったんですけどね。
レースの結果は散々だったけれど
——マイ・カートで、どんなレースに出てたんですか?
地頭所 当時、新東京サーキットで、ビギナーを対象とする「チャレンジカップ」というカートレースが週末に開催されていました。それに高校1年の8月から、毎回出場していたんです。
——8年落ちのマシンでも十分に戦えましたか?
地頭所 いや、厳しかったです。カートって、フレームがしなってサスペンションの役割をするんですが、僕のカートはフレームがへたっていて柔らかかったから、後輪が浮き上がってコントロールしにくく、スピードも出にくかった。しかも、シャフトが細くてブレーキコントロールもシビア。あのアイルトン・セナも最初はそんなカートに乗っていたらしいんですが、「よくこんなカートで速く走れたな」って思いながら走ってました。だから、レースの前半は頑張って走っても、後半はどんどん置いていかれるというパターンで……。もう、出るレース、出るレース、そんな展開ばっかりでしたね。
——でも、週末はカートに乗るのが楽しくて、レーサーになる夢も膨らんでいたから、そのカートで我慢しながら参戦し続けていたわけですよね。
地頭所 そうです。レースの結果は散々だったけど、喜びと希望に満ちあふれていました。ただ、走るたびにあちこちが壊れて車体が溶接の嵐みたいになったので、さすがにレースではもう戦えないと判断し、高校2年のときに、そのカートを売ったお金とバイトで貯めたお金で新しいカートを買いました。やっぱりレースに出るからには勝ちたかったんですよね。
高2の秋の転向
——新しいカートは、速かったですか?
地頭所 新しいといっても5年落ちの中古だったんですが、フレームもブレーキもめちゃくちゃいい状態で、すごく速かったです。おかげでレースでは結構いい結果が出て、チャレンジカップでも優勝しました。
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