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みらいのくるまの「ただいまのところ」情報
2022年11月10日更新
モデル3同士の“凡戦”
全日本EVグランプリシリーズの第7戦(最終戦)には3台のテスラ・モデル3が参戦していたが、ここでもやはり白熱のトップ争いは見られなかった。
約1年ぶりに参戦したKIMI選手(Gulf Racing)が駆るゼッケン8のモデル3は、予選でポールポジションを獲得するも、決勝では使い込んでへたったバッテリーが持たずに、ずるずると3位に沈んだ。
予選3位だった余郷敦選手はひとつ順位を上げるも、2週間前の第6戦からの原因不明の不調が続いていて、思ったようにスピードを上げられず、トップの座を一度も獲得できないまま2位に終わった。
優勝したのは予選2位からスタートした松波太郎選手。ドライビングもマシンも快調そのもの。トップに立ってからは肉薄するマシンもなく、前戦同様、楽々と1位でチェッカーフラッグを受けていた。そこには、前戦でシリーズチャンピオンを獲得した余裕のようなものすら感じられた。
言い方は悪いが、前戦同様の“凡戦”。なぜこうなったのか。
エンジン車レースでは、マシンに不調があった場合はメカニックがその原因を突き止め、すぐに直す。しかし、市販のEVによるレースでは、バッテリーやモーター、そしてプログラムといった主要部品は、触ることができないブラックボックス状態なため、すぐに不調の原因を解明できないし、直すこともできない。トップを争うと期待されていた余郷選手のモデル3の伸び悩みは、この問題が如実に表れた結果といえた。
これはEV全般に起こり得る話ではあるが、立て続けにモデル3ばかりに不調が起こるとなると、どうしてもその強さの絶対性に疑念を抱かざるを得なくなる。マシンのポテンシャルは最高だとしても、それを支える何かが足りていない。だとしたら、王座の揺らぎは必然のこととなる……。心配だ。
絶好調の国産電動車
最終戦のレース展開で見所をつくっていたのは、国産の電動車たちであった。
神八一也選手(株式会社マツダE&T)のMX-30、レーサー鹿島選手(東洋電算株式会社)のリーフe+、飯田章選手(アキラレーシング)のMIRAI、山下将史選手(D-REV@武蔵精密工業)のシビックというクラスの異なる4台の電動車同士が、熾烈な4位争いを延々と繰り広げてくれた。
いずれのマシンもモーター出力とバッテリー容量はさほど大きくなく、モデル3よりはずっと遅い。だが、どれも絶好調なのだろう、全車が持てる力を存分に発揮していて、それによる近接バトルが非常な興奮をもたらしてくれた。
「もしかすると、これは壊れにくい国産車同士だからこそ実現できることなのか」と、かつて言われていた日米のクルマの品質の差を連想したほどだ。
このバトルを制したのは飯田章選手が駆るMIRAI。前戦に続き、あの重い燃料電池車で他の国産EVに競り勝った。素晴らしい。
新時代のレースの面白さ
決勝後の表彰式では、今レースの優勝者の表彰のほか、今季のレースの80%以上に参戦した上で最高ポイントを獲得した各クラス選手へのシリーズチャンピオン表彰も行われた。
以下に掲載するのは、シリーズチャンピオンの面々。総合部門で初のシリーズチャンピオンに輝いた松波選手は、今戦においてTEAM TAISANの通算111勝も達成しており、それを祝うチーム代表の千葉泰常氏とともに表彰台に登った。
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