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『CEATEC JAPAN 2018』ルポ(前編)‐スマホ化したクルマはとても楽しいのである。

2018年11月14日更新

CEATECJAPANルポ_1_トップweb

『CEATEC JAPAN 2018』が2018年10月16日~19日、千葉県にある幕張メッセで開催された。会場には「インターネットにつながるクルマ」が多数展示され、いわゆるコネクテッドカーの魅力の一端が明かにされていた。そのいくつかの展示の模様を、前後編にわたって紹介していきたい。

IoTのテーマのもと
クルマ関連の展示が増えた

世の中には『CEATEC JAPAN』のことを、家電見本市だと思い込んでいる人がけっこういる。

それもそのはず。
『CEATEC JAPAN』は、もともと1962年に『日本電子工業展』としてスタートし、1964年から1999年までは『エレクトロニクスショー』の名称で開催され、長きにわたってテレビ、ラジオ、電子機器などの展示を主としてきた。その頃を知る年齢の人にとっては、家電見本市的な印象はなかなか拭えないだろう。

だが、そうした認識はいまや時代錯誤といっても過言ではない。

実は、2000年に『CEATEC JAPAN』と名称を新たにしたころから変化がはじまっているのだが、とくに「IoT(Internet of Things=あらゆるモノがインターネットにつながること)」をテーマの一つに掲げはじめた2016年以降は、家電に留まらないさまざまなネットにつながるモノの総合展示会の色合いが濃くなっている。その中には、当然、「クルマに関する展示も大いにアリ」ということになるのである。

だから、『CEATEC JAPAN』イコール家電見本市という認識は、早急に改める必要があるということだ。

実際、今回の『CEATEC JAPAN 2018』も、クルマ色はかなり濃かった。「つながる社会、共創する未来」というキャッチコピーのもと、「コネクテッド(インターネットにつながる)」を重要なキーワードの一つとしている次世代自動車に関する展示がずらりとあった。

極端な例になるが、あのテスラなどは、ショールームさながらになんの技術解説もないまま2台の新車をドーンと置いていたほどだ。

CEATECJAPANルポ_テスラweb

以下に順次紹介していくのは、その数ある展示の中のごく一部なのだが、どれも「クルマがインターネットにつながることで得られるメリット」をリアリティをもって感じさせてくれる充実の内容となっていた。

スマホで楽しめることが
ドライブ中でも楽しめる

トヨタのブースにはクルマが2台展示されていた。

しかし、ブースの主役はそのクルマたちではなかった。車載ディスプレイとスマートアプリを連携させるという「SDL(Smart Device Link)」と、LINEが開発中であるという「Clova(Clova Auto)」のアピールの場となっていた。

トヨタブースweb

「SDL」と「Clova(Clova Auto)」とは具体的にどんなものなのか、現場にいたLINEの担当者にわかりやすく解説してもらった。

「SDLとは、いわばクルマとスマホをつなぐためのプラットフォームのことです。このSDLに対応した車載ディスプレイがあれば、音声の指令だけで普段のスマホ操作のようなことが可能となります」

「そしてClovaとは、そのSDL上で動くアプリケーションのことです。これを使うことで、LINEのメッセージのやりとりはもちろん、音楽が聴けたり、ニュースや天気とかの検索ができるようになります」

トヨタクローバweb

要は、クルマがスマホ化するということだ。
クルマを運転中でも手を使わずに音声だけでスマホのさまざまな機能が活用できるようになるため、運転中の楽しみがグッと増えることになる。しかも、運転中に手でスマホを操作するという違反行為や、それによる事故をなくすことにもなるため、安全安心効果まで付いてくる……。

クルマのコネクテッドというと、なにやら壮大な技術革新を思い浮かべがちだが、案外、こうした手軽かつ気軽なイノベーションがリアルなのかもしれない。

コネクテッドで生まれる
新しい車内サービス

車載音響機器やカーナビなどの製品で知られるクラリオンのブースでも、クルマとスマホを連携させたサービスに関する展示を行っていた。

クラリオンブースweb

それは、いったいどんな展示だったのか?

実は2015年から、石川県加賀市の片山津温泉地域ではエリア限定で利用できる『温モビ(ヌクモビ)』という超小型EVレンタカーが走っているのだが、現在、クラリオンは地元の温泉観光協会と協働しながら、それを利用する観光客向けの「カーナビゲーションとクラウド技術を活用したドライブプラン提案サービス」の実証実験を行っているのだという。
展示されていたのは、その実証中のサービスに関するものだった。

クラリオン温モビweb

クラリオンの担当者にそのサービスの概要を説明してもらった。

「ざっくりいうと、地元の観光協会の方々がつくったルート情報などを、クラリオンのクラウドを通して、温モビを利用する観光客の方に提供するというサービスです。外国人観光客が増えているということもあって、日本語のみならず英語、中国語、韓国語にも対応しています」

「使い方はカンタンです。まず、観光客の方に事前にスマホのチャットコミュニケーションができるLINE botで、自分の宿泊日数や嗜好などの条件を入力してもらいます。すると、それがクラウドにアップされ、温モビに乗車したときに、ナビで改めて目的地を設定しなくても、クラウド上の情報を元にオススメの観光地や、そこへのルート案内などが自動で提供されるようになるんです」

クラリオンLINEweb

これまで、温泉などを利用する観光客への案内はすべてヒト対ヒトの会話で対応してきたわけだが、多人数かつ多国籍かつ多様な要望に応えるとなると、人手や語学や時間の面での問題が生じ、適切な案内ができないこともあった。
しかし、こうしたスマホとクルマを連携させたクラウドサービスが実現すれば、人的&時間的な課題を解消しつつ、利用者一人ひとりにしっかり満足してもらえる案内ができるようになるというわけである。

クルマのコネクテッドは、これまでにない新たなサービスを生みだすといわれている。このクラリオンの試みも、その一つということができそうだ。

『CEATEC JAPAN 2018』ルポ(前編)‐スマホ化したクルマはとても楽しいのである。
『CEATEC JAPAN 2018』ルポ(後編)‐V2Xするクルマはかなり安全なのである。

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