ロータスクラブが運営するクルマとあなたを繋ぐ街「ロータスタウン」

みらいのくるまの「ただいまのところ」情報

JAPAN MOBILITY SHOW 2023 レポート(5)「まさにユニーク!」。ベンチャー企業の軽バンEVにはプラスαの魅力がいっぱい!

2023年12月2日更新

JMS 2023-5_1

レポートの最後は、独自のEVを開発・販売しているベンチャー企業のFOMMとHW ELECTROの展示の紹介。

今回のJAPAN MOBILITY SHOWで、彼らは主要メーカーとはひと味違う斬新な軽バンEVを発表していた。

配送に限らず幅広い用途で使えそうな、魅力的なスタイリング&機能に注目されたい!

〈FOMM〉
四輪の独立稼働で
カニ走りも可能に

2013年創業のFOMMのブースには「FOMM TWO コンセプト」という軽バン風のEVが展示されていた。

2026年にタイで量産をはじめる予定。今のところ200万円以下と150万円以下の2タイプの発売を目指しているという。

JMS 2023-5_2

JMS 2023-5_3

この1台、1kWhあたり走行距離が10㎞=電費3.1円/㎞、交換式バッテリー採用、水害時に水に浮く仕様などさまざまな特長があるのだが、最大の注目ポイントとしては、インホイールモーターを採用していることから、四輪それぞれが独立して動くようになっていることが挙げられる。

なんと車両がその場で360度回転したり、真横へのカニ走りもできるようになっているのだ。

「例えば配送業のドライバーが宅配のために狭い路地に入り込んだとしても、その場で旋回して向きが変えられる。また、前後の隙間がわずかしかない場での縦列駐車もカニ走りで難なくこなせる。しかも、これらは搭載予定のレベル4の自動運転機能によってオートで行える」(FOMM説明員)

 

JMS 2023-5_4

プラスαの先進機能で、大手メーカーのオーソドックスな軽バンEVとの違いを際立たせているFOMM TWO コンセプト。これが市場に投入されて普及すれば、配送業の景色は大きく変わるはずだ。

〈HW ELECTRO〉
可愛くて使いやすい
「機能美の1台」

2019年創業のHW ELECTROは、新開発した軽バンEVのコンセプトカーを発表した。

名は「PUZZLE(パズル)」。2024年度中に200万円以内の価格で販売する予定だという。

JMS 2023-5_5

JMS 2023-5_6

このPUZZLE、後続距離200㎞、外部給電機能、コネクテッド機能、太陽光発電など、なかなか充実した性能を誇るのだが、何より目を引くのはそのユニークなスタイリングだ。

90°と45°の角度が基調のボディに何枚もの平面パネルを貼り付けたシンプルかつチャーミングな外観。普通の配送業はもちろん、出張美容室や出張カフェなどの業態でも使えそうな感じになっている。

しかも、この独自のスタイリングは価格面と機能面のメリットも生んでいる。

貼り付けられる平面パネルは前後左右で共通化しており、それによるコスト削減効果で車両販売価格を抑えることが可能となった。

また、荷室の入口がほぼ90°角になることから、例えば四角い段ボール箱を従来の軽バンよりも数多く積むことが可能となった。

そう、いうなればPUZZLEは「機能美の1台」となっているのである。

JMS 2023-5_7

HW ELECTROの蕭偉城(ショウ・ウェイチェン)社長は、PUZZLEの開発と発売に込めた思いをこう語っている。

「PUZZLEが、幅広い業態の企業のカーボンニュートラルへの取り組みを助ける1台になればと考える。また、現在、日本は物流の2024年問題に直面しており、その中で軽貨物の分野を担う軽バンの役割が大きくなることが予想されるわけだが、PUZZLEはそうしたニーズにもしっかり応えられるEVであると思う」

チャーミングなPUZZLEは、健全な社会に不可欠な1ピースとなることを目指しているのである。

JAPAN MOBILITY SHOW 2023 レポート

(1)CASE時代を先駆けるホンダとBYD。リアルな電動車を多数展示し来場者を魅了!

(2)三菱自動車とスズキは自社の個性を前面に出した電動コンセプトカーを披露!

(3)ブリヂストン、横浜ゴム、パナソニックはEV対応の自社製品を展示!

(4)配送業の「カーボンニュートラル」を応援。発売間近のオーソドックスな軽バンEVたち!

(5)「まさにユニーク!」。ベンチャー企業の軽バンEVにはプラスαの魅力がいっぱい!

  • ロータスカードWeb入会
  • ロータスカードWeb入会
  • 店舗検索
  • 店舗検索
  • 楽ノリレンタカー
  • 楽ノリレンタカー

あわせて読みたい

  • BookReview(44)『トヨタのEV戦争』―マルチパスウェイが先か、魅力的なEVづくりが先か、それが問題だ!

    みらいのくるまの「ただいまのところ」情報

    BookReview(44)『トヨタのE…

    世界のEV市場は急速に拡大している。本書によれば、2022年のEV販売は758万台で、新車需要全体の10%に及んだ。この中で目立つのは米国テスラと中国BYD…

    2023.08.31更新

  • EVキーマンに聞く/EVレース王者 地頭所光選手 ③「“カートからレーサー”は無理と感じ、東大受験に専念」

    みらいのくるまの「ただいまのところ」情報

    EVキーマンに聞く/EVレース王者 地頭…

    高校生になってカートを手に入れた。週末はレースとバイトに明け暮れた。だが、高校2年の秋、そんな生活も終わりを告げることに。夢と現実の狭間で悩んだ末の決断。…

    2022.03.24更新

  • 「東京モーターショー2019」レポート(5) タイヤもCASE時代にふさわしい革新的な進化を遂げてゆく!

    みらいのくるまの「ただいまのところ」情報

    「東京モーターショー2019」レポート(…

    東京モーターショーでは、自動車メーカーだけでなく部品メーカーも展示を行っているが、今回は、やはり電動車をはじめとする次世代車を意識して開発した製品の展示が多かっ…

    2019.11.07更新

  • 次世代エコカー勉強会〈5時限目〉水ーっと走るよ、燃料電池自動車【前編】

    みらいのくるまの「ただいまのところ」情報

    次世代エコカー勉強会〈5時限目〉水ーっと…

    燃料電池自動車(FCV)は遠い未来のクルマだとばかり思っていたら、トヨタとホンダが発売に踏みきった。本格的な普及はまだまだだろうけれど、これは見過ごせない状況。…

    2016.04.08更新

  • 日本EVクラブ主催『第24回 日本EVフェスティバル』ルポ② 小っちゃくて静かなのに迫力満点のレース!

    みらいのくるまの「ただいまのところ」情報

    日本EVクラブ主催『第24回 日本EVフ…

    ここからは、フェスティバルで行われた各レースの模様をルポする。午前中に実施された電気カート(ElectricRacingKart=ERK)のレースや市販E…

    2018.11.22更新

  • 「自動運転サービスの実証実験」ルポ(後編)自動運転バスは地方の高齢者の夢の乗り物!

    みらいのくるまの「ただいまのところ」情報

    「自動運転サービスの実証実験」ルポ(後編…

    自動運転サービスの社会実装をめざし、国土交通省が栃木県栃木市にある道の駅「にしかた」で行った最初の実証実験。実際に、モニターとして乗車した方々の声も聞いてみた。…

    2017.10.10更新

< 前のページへ戻る