ロータスクラブが運営するクルマとあなたを繋ぐ街「ロータスタウン」

みらいのくるまの「ただいまのところ」情報

JAPAN MOBILITY SHOW 2023 レポート(4)配送業の「カーボンニュートラル」を応援。発売間近のオーソドックスな軽バンEVたち!

2023年12月2日更新

JMS 2023-4_1

今、物流・運送業界は「カーボンニュートラル」と「2024年問題」という課題に直面している。

今回のJAPAN MOBILITY SHOWでは、その解決に役立つべく開発された商用の軽バンEVの姿がかなり多く見られた。

主要メーカーでは、スズキとホンダが発売間近のほぼ製品化している軽バンEVをそれぞれ展示していた。

どれも実用本位のオーソドックスなつくり。コンセプトカーのような華やかさはほとんどなかった。

だが、時代のニーズに即すという意味で、非常に大きなインパクトを感じさせる1台となっていた。

〈スズキ〉
三方よしの
はたらく軽バンEV

スズキのブースの片隅に展示してあったのは「e EVERY CONCEPT」。

ダイハツとトヨタと共同開発したバッテリーEVシステムを搭載した商用の軽バンEVで、2023年度中に販売予定だという。

JMS 2023-4_2

詳しい性能・スペックは公表されていなかったが、航続距離は200㎞と明らかにされていた。街中の配送用と考えれば十二分な数値といえる。

JMS 2023-4_3

この「e EVERY CONCEPT」の特長をブースの説明員に聞いた。以下はそれを基にまとめたレジュメである。

◎商品コンセプトは「環境に、地域に、あなたに優しい、“はたらく”商用軽バンのEV』

◎環境に優しい:走行中のCO2排出がない。カーボンニュートラルを目指す企業にとっては嬉しい1台となる

◎地域に優しい:EVなので早朝や夜遅くでも街中を静かに走行できる。また、災害などの非常時には外部への給電もできる。地域の方々に迷惑をかけず、かつ役立つ1台となる

◎あなたに優しい:床下にバッテリーを搭載するが、広々とした荷室を確保した。しかも、重たい荷物を搭載してもEVらしくきびきび走る。ドライバーにとっては仕事がしやすく負担が少ない1台となる

価格は今のところ未定とのこと。優しい価格の1台になることをぜひとも期待したい。

〈ホンダ〉
話題のN-VAN e:に加え
交換バッテリー式の1台も

ホンダのブース内には「N-VAN e:」と「MEV-VAN Concept」の2台の軽バンEVが展示されていた。

N-VAN e:は、すでに発表され話題になっていた1台。2024年の春に発売が予定されている。

航続距離210㎞以上(目標値)、大容量の荷室空間、6.0kW出力の普通充電に対応、外部給電が可能などなど、かなり使い勝手のいいEVとなる模様。しかも、価格は100万円台での設定を目指しているという。

優れた性能、抑えられた価格。国の補助金制度等の助けがあれば、カーボンニュートラルに取り組む配送業などの企業がEV導入に踏み切る、有力な候補になりそうだ。

JMS 2023-4_4

もうひとつのMEV-VAN Conceptは、配送業のヤマト運輸とともに行う実証実験用として開発された1台だった。

見た目はN-VAN e:と同じだが、中身がまったく違う。

N-VAN e:が固定式バッテリーのところ、これは電動二輪用に開発された交換式のポータブルバッテリーを8個積んでいる。

JMS 2023-4_5

JMS 2023-4_6

この交換式バッテリーの軽バンEVは、どんなところがいいのか?

ブースにいた説明員は、以下のようなメリットを想定していると答えていた。

◎バッテリーの総容量がわずか10.8KW。航続距離は50㎞と短い。しかし、配送途中に電欠しそうになったら、事業所に戻って充電済みのバッテリーに交換すれば、すぐにまた50㎞を走り出すことができる。時間をかけて充電する必要がまったくない

◎交換式バッテリーは太陽光の電気を使う充電ボックスで充電するため、CO2削減効果がより大きい。すなわちカーボンニュートラルを目指す企業にとっては、EVを導入する意義がより大きいものとなる

◎将来的に製品化された場合、車両に固定式のバッテリーが搭載されないため、車両本体価格がその分安くなる。交換用バッテリーと充電ボックスはサブスクでの提供となる

◎固定式バッテリーのEVはバッテリーの劣化を気にしなければならないが、交換式バッテリーのEVにはその心配がない。交換用のバッテリーは、サブスク契約の中で常にリニューアルされる

JMS 2023-4_7

実はホンダは、このMEV-VAN Conceptを昨年3月のスマートグリッドEXPOで参考展示している。その際、問い合わせが殺到するなど大きな反響があった。なかには「今、会社に何台もあるエンジンで動く軽バンを、すべてこの交換式バッテリーのEVにコンバートできないか?」という、想像を超える相談まであった。

ヤマト運輸との実証実験の実施と今回のJAPAN MOBILITY SHOWでの展示は、この反響を受けてのこと。ホンダは結構真剣にMEV-VAN Conceptの開発に取り組んでいるのである。

潜在的ニーズがかなり感じられる交換式バッテリーの軽バンEV。製品化は、そう遠い日のことではないかもしれない。

JAPAN MOBILITY SHOW 2023 レポート

(1)CASE時代を先駆けるホンダとBYD。リアルな電動車を多数展示し来場者を魅了!

(2)三菱自動車とスズキは自社の個性を前面に出した電動コンセプトカーを披露!

(3)ブリヂストン、横浜ゴム、パナソニックはEV対応の自社製品を展示!

(4)配送業の「カーボンニュートラル」を応援。発売間近のオーソドックスな軽バンEVたち!

(5)「まさにユニーク!」。ベンチャー企業の軽バンEVにはプラスαの魅力がいっぱい!

  • ロータスカードWeb入会
  • ロータスカードWeb入会
  • 店舗検索
  • 店舗検索
  • 楽ノリレンタカー
  • 楽ノリレンタカー

あわせて読みたい

  • Book Review① みらいをクールに予測する『モビリティー革命2030』(後編)

    みらいのくるまの「ただいまのところ」情報

    Book Review① みらいをクール…

    デロイトトーマツコンサルティングの複数コンサルタントが著した、『モビリティー革命2030~自動車産業の破壊と創造~』についてさらに読み進もう。3.3%の…

    2017.01.16更新

  • 2017年の注目ニュース② 自動運転の最高位が「レベル5」になるらしい。

    みらいのくるまの「ただいまのところ」情報

    2017年の注目ニュース② 自動運転の最…

    このコーナーで昨年(2016年)の6月、「自動運転車は技術の度合いに応じて区分がレベル1からレベル4まである」と書いた。ところが、その半年後となる12月、その区…

    2017.03.13更新

  • 『ブリヂストンイノベーションギャラリー』見学記 – ①モータリゼーションを足もとから支えるタイヤのすごさがわかる博物館!

    みらいのくるまの「ただいまのところ」情報

    『ブリヂストンイノベーションギャラリー』…

    この先、クルマがどんなに進化しても、丸いタイヤはずっと必要不可欠な存在であり続ける。クルマが地面に接して走る機械である以上、これは動かしがたい真実だ。だが、…

    2021.04.13更新

  • 軽EV『FOMM ONE』の可能性(第13回オートモーティブワールドより)- ③インホイールモーターや交換式バッテリ  ーなどを搭載!

    みらいのくるまの「ただいまのところ」情報

    軽EV『FOMM ONE』の可能性(第1…

    実質航続距離を伸ばすインホイールモーターオートモーティブワールド会場での、FOMM社の広報担当者・佐藤俊氏へのインタビューはさらに続く。後半では、FOMM…

    2021.02.12更新

  • ALL JAPAN EV-GP SERIES 2023 第1戦 レポート(1)―TAKAさん選手、久々ながらも貫禄のポールポジション!

    みらいのくるまの「ただいまのところ」情報

    ALL JAPAN EV-GP SERI…

    今年で14シーズン目となるALLJAPANEV-GPSERIES2023(全日本電気自動車グランプリシリーズ2023)の第1戦「全日本筑波EV55㎞レ…

    2023.05.11更新

  • 『第25回日本EVフェスティバル』ルポ② 青年はEVマシンを駆るプロレーサーの夢を見る!

    みらいのくるまの「ただいまのところ」情報

    『第25回日本EVフェスティバル』ルポ②…

    電気カート(ERK)やコンバートEVでレースに挑む人たちの中には、エンジンが載ったマシンでもレースに参戦しているという人もいる。彼らの胸中には、「EVは好きだけ…

    2019.12.05更新

< 前のページへ戻る