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『ブリヂストンイノベーションギャラリー』見学記 – ②大人だけでなく小中学生も楽しくタイヤのことが学べる展示の数々!

2021年4月13日更新



先に紹介した〈エントランスホール〉に続いて、『ブリヂストンイノベーションギャラリー』残り4つの常設展示エリアについて紹介していこう。

〈WHO WE ARE 挑戦の歩み〉
「最高の品質で社会に貢献」の歴史

ブリヂストンは、故・石橋正二郎が、1931年に福岡県久留米で創業した会社だ。

もともとの家業は地下足袋づくりだったが、東京でクルマが走っているところを見た正二郎が「モータリゼーションは必ず進展する」と確信したことからタイヤ事業を行うブリヂストンタイヤ(当時の社名)がスタートしたのだという。

〈WHO WE ARE 挑戦の歩み〉は、その創業から現在に至る、同社の90年の歴史がわかるフロアだ。創業者が唱えた「最高の品質で社会に貢献」という社是を拠り所として進められてきた製品づくりや企業活動の数々がボードで示されている。

例えば、現在ブリヂストンは世界的なテーマとなっている持続可能な社会の実現に貢献すべく「Our Way to Serve(人々がより快適に移動し、生活し、働き、そして楽しむ事に貢献)」という同社のCSRの考え方と、「Solutions for your journey」というブランドメッセージを発し、それにともなった活動を展開しているわけだが、ボードの内容を読み解くと、それもやはり社是から一貫して続く思想であり姿勢であることがよくわかる。

さすがは世界に冠たるタイヤメーカーというべきか。ブリヂストンは一度決めた目標に向かってブレずに走り続けている企業なのである。





もちろん展示は、こういった謹厳な社史然としたものばかりではない。

第1号タイヤのレプリカをはじめとするエポックメーキングなタイヤや、かつて話題となった広告、ブリヂストンのタイヤを履いて優勝を果たしたF1マシン(展示されているのは開発用マシン)などの展示物があり、エンターテインメント性にも十分配慮されている。クルマの世界に少しでも興味をもつ人なら、きっと相当に楽しめることだろう。



〈WHAT WE OFFER モビリティ社会を支える〉
タイヤに関する楽しい学びの場

TIRE PARK(冒頭の写真)から始まる〈WHAT WE OFFER モビリティ社会を支える〉は、ブリヂストンの主力商品であるタイヤのあれこれがわかるフロアだ。

ここを観覧すれば、原材料である天然ゴムや合成ゴムに関する基礎知識やタイヤの製造方法、構造などがひととおり知れ、イノベーションによって生まれてきた現行商品のすごい性能が触りながら把握でき、将来、どう理想的に進化していくのかがほんのり見えてくる……。

まさにタイヤ博物館といった趣き。大人だけでなく、小中学生でもタイヤのことが楽しく学べる場となっている。











なお、われわれはこのフロアで、現在ブリヂストンが開発・販売している、持続可能な社会の実現に相応しいタイヤの数々に注目した。なかでも、EVの航続距離伸長に寄与し、CO₂削減と資源生産性向上に貢献する「電動化時代に適したタイヤ」にはことさら興味をそそられた。

これがどんなタイヤかについては、後章で改めて紹介することにする。

〈HOW WE CREATE 創造と共創〉
〈WHERE WE GO 新たなチャプターへ〉
イノベーションの予兆を感じる

〈HOW WE CREATE 創造と共創〉はブリヂストンが様々な業界と共に行う取り組みを紹介するフロア、そして〈WHERE WE GO 新たなチャプターへ〉はブリヂストンの未来に向けた革新的なイノベーションをデジタルとリアルの両面で紹介するフロアとなっている。





どちらも一般来館者が見学できるフロアだが、聞けば、他企業のビジネスパーソンや開発者に向けての発信も担っているという。

どういうことか?

現在、ブリヂストンは東京都小平市の旧東京工場を再構築して、イノベーションを通じて新たな価値を創造する『Bridgestone innovation Park(ブリヂストンイノベーションパーク)』をつくっている。その先駆けとして一足先に一般公開されたのが『ブリヂストンイノベーションギャラリー』であり、2022年以降には隣接する敷地に、社内外の交流を促進し、共感~共創を通じてオープンイノベーションを推進する場である『B-Innovation(ビーイノベーション)』と、テストコースである『B-Mobility(ビーモビリティ)』が完成することになっている。

『ブリヂストンイノベーションパーク』が完成して機能し始めたとき、『ブリヂストンイノベーションギャラリー』はブリヂストンの未来を創造するイノベーション拠点へのゲートウェイ的な役割を担うことになる。その中でも〈HOW WE CREATE 創造と共創〉と〈WHERE WE GO 新たなチャプターへ〉のフロアは、他企業のビジネスパーソンや開発者にアピールする場といえる。現在、『B-Innovation』と『B-Mobility』の姿はないが、既存の技術センターへの往来は盛んで、すでに共感~共創の動きはあるという。

※『Bridgestone innovation Park 完成予想図』、ブリヂストン提供



既にそれぞれのフロアで展示されているものの一例としては、〈HOW WE CREATE 創造と共創〉にはタイヤ・防振ゴム・シートパッドなどの組み合わせによってクルマの音と振動を制御する「NVHソリューション」を体感できるシミュレーターがあり、〈WHERE WE GO 新たなチャプターへ〉には2029年に月面探索車両に装着する金属でできたタイヤがある。これらは、一般来館者の興味を喚起すると同時に、他企業の人たちにブリヂストンの技術などをプレゼンテーションする展示の代表例である。





理想のモータリゼーションは
来館者たちがつくっていく!?

館内をひととおり見学し終えたあと、森英信館長に一般来館者に向けてのメッセージをもらった。



「このギャラリーはブリヂストンという企業のことを知ってもらい、モータリゼーションにおけるタイヤの重要性に気付き、共感していただくための博物館。できるだけたくさんの方に来館いただき、タイヤへの理解と関心を深めていただければと思っています。そして、そこから『一人ひとりのタイヤのベストチョイス』や『定期的なタイヤのケア』といった行動が定着していき、より安全で快適なカーライフが広がっていくことを期待しています」

「さらに、私たちは多くの子どもたちがここを訪れて、『ゴムっておもしろい』『タイヤってすごい』と感じ、学びや体験を記憶に残してくれることを願っています。そういう子どもたちは、きっと環境や安全に役立つタイヤについて、理解を深めてくれるでしょう。私たちは、子どもたちの記憶に残る学びや体験こそ、理想のモータリゼーションへ向けてのイノベーションのきっかけだと思っています。もし、その中からブリヂストンに入社して、ゴムやタイヤの仕事をしてくれる子がでてきたら、もう最高だと思います(笑)」

『ブリヂストンイノベーションギャラリー』では、子どもたちを対象にしたワークショップなども企画していくという。読者の皆さんの中に小中学生の子どもをもつ方がいたら、ぜひ一緒に訪館することをオススメしたい!(文:みらいのくるま取材班)



ブリヂストンイノベーションギャラリー
●開館時間:月曜日~土曜日の午前10時から午後4時(入館は午後3時30分まで) ※変更になる場合も有
●休館日:日曜日・祝日・年末年始 ※変更になる場合も有
●入館料:無料
●住所:〒187-8531 東京都小平市小川東町3丁目1-1
●電話: 042-342-6363
●設備・サービス:車椅子:2台用意/補助犬:一緒に入館可能/多目的トイレ:1階にオストメイト対応トイレ ※コインロッカーは無し
●電車でのアクセス:西武国分寺線小川駅東口より徒歩5分
●クルマでのアクセス:青梅街道(5号線)→小川交差点より府中街道(16号線)を東村山・所沢方面へ
●駐車場:48台(乗用車42台、バス2台、障がい者用4台)

『ブリヂストンイノベーションギャラリー』見学記

①モータリゼーションを足もとから支えるタイヤのすごさがわかる博物館!

②大人だけでなく小中学生も楽しくタイヤのことが学べる展示の数々!

③電動化時代にはENLITEN技術でつくられた究極のエコタイヤが主流となる!?

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