ロータスクラブが運営するクルマとあなたを繋ぐ街「ロータスタウン」
みらいのくるまの「ただいまのところ」情報
2021年4月13日更新
見学記の締めとして、『ブリヂストンイノベーションギャラリー』に展示されている、極めてイノベイティブなタイヤについて取り上げておきたい。やがてEVが交通社会の主役になる日、このタイヤもその足もとを支えているに違いない。
軽量化と運動性能の両立を実現したタイヤ
われわれは、『ブリヂストンイノベーションギャラリー』の〈WHAT WE OFFER モビリティ社会を支える〉のフロアで、「クルマの電動化時代に適したタイヤ」に出会った。
そのサイドウォールには、ヨーロッパをはじめとする海外におけるブリヂストンのタイヤの商品ブランド名であるTURANZA(トランザ)という単語が大書され、向かって右側にENLITEN(エンライトン)なる銘が小さく刻まれていた。
ENLITENとはブリヂストン独自の軽量化技術の名称である。ブリヂストンの造語だが、「~を照らす、(思想などを)啓発する」という意味の「Enlighten」に由来して「光を当てて道を開く」という意味を表し、同時に「en」は、タイヤ、サークル、サーキュラーを連想させる日本語の「円」に通じ、無駄のない究極のバランスのとれたフォームをも表現している。この技術によってつくられたタイヤは従来のエコタイヤを大きく上回るエコ効果をもたらすとのことだった。
どれくらいエコ効果があるのか、展示の説明をもとに、以下にその要点を紹介する。
◎タイヤ1本あたりの生産に必要な原材料を約2㎏削減し、従来品と較べて約20%の軽量化を実現(タイヤサイズ225/40R18でENLITEN搭載タイヤと非搭載タイヤの比較)
◎運動性能や摩耗性能を維持しながら転がり抵抗を約30%低減(同上)
◎結果、環境負荷低減はもちろん、ガソリン車のCO₂排出低減と電気自動車の航続距離の伸長に貢献
たしかに驚くべきエコ効果だ。現在、このENLITEN技術でつくられた画期的なタイヤは、既にヨーロッパのメーカーのEVをはじめとした新車用のタイヤとして採用され始めているという。
エコピアからENLITENへ
われわれは、ギャラリーの別室でブリヂストンの本社で広報を担当している宮下和久氏にリモート形式でENLITENに関する話を聞いた。
——ENLITEN技術でつくられたタイヤは、最近ヨーロッパのメーカーが製造するEVなどの新車タイヤとして採用され始めているとのことですが、例えば、どのメーカーのどの車種に採用されているのでしょうか?
宮下 既に数々あるのですが、わかりやすいところでいえば、フォルクスワーゲン(VW)のEVであるID.3にENLITEN技術でつくられたTURANZA ECOが採用されていることが挙げられます。
——なるほど。今後、クルマの電動化時代を迎えるにあたって、ブリヂストンが販売するタイヤはENLITEN技術でつくられたタイヤが主流となっていきそうな予感がします。
宮下 ENLITENは、新しいモビリティのニーズ応え、革新的な軽量化と運動性能を両立したタイヤなので、国内・海外メーカーへの新車装着採用をさらに強化し、拡大させていきたいと考えています。
——ENLITEN技術について、かなり自信を持っているということですね。
宮下 はい。乗用車用タイヤについては、2010年からエコピアブランドを本格展開してきました。この10年の歴史の中で、当社の乗用車用タイヤ全商品の内、約8割が環境対応商品となりました。さらに次世代の環境対応商品として、革新的な断トツ商品ENLITENを強化します。ユーザーの皆さまには、今後のタイヤの進化に期待していただければ幸いに思います。
関連キーワード
みらいのくるまの「ただいまのところ」情報
他の地域の販売店が驚くようなi-MiEVの販売実績を達成した新城さん。けれども、この10年の国内マーケットで、i-MiEVは「ヒット」と呼べる勢いを見せること…
2019.12.05更新
みらいのくるまの「ただいまのところ」情報
東京ビッグサイトで2019年1月16日から18日に開催された『第11回オートモーティブワールド』。この会場で、次世代自動車の分野で躍進が著しいといわれる中国の現…
2019.02.12更新
みらいのくるまの「ただいまのところ」情報
諸星陽一氏によると、アメリカではEDRから読み出したデータの解析レポートが裁判の証拠として普通に使われていて、その一連の作業はビジネスとして成り立っているという…
2021.03.11更新
みらいのくるまの「ただいまのところ」情報
インタビューの終盤において、酒井さんは電力とEVの関係だけでなく、それとつながって人の暮らしや経済活動が大きく変わっていくというイメージを披露してくれた。さら…
2024.02.22更新
みらいのくるまの「ただいまのところ」情報
シンポジウムの後半には、田尻貴裕氏(東京都政策企画局戦略事業担当部長)がモデレーターとなり、前半に登壇したゲスト講演者4名に、2016年リオデジャネイロパラリン…
2019.03.01更新
みらいのくるまの「ただいまのところ」情報
2021全日本EVグランプリシリーズ(ALLJAPANEV-GPSERIES)の最終戦(第7戦)。決勝は午後1時30分にはじまった。雨が激しくなり、コン…
2021.11.16更新