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2022年10月12日更新
つるつる滑る氷の上で電気カートによるレースを楽しもう――。
日本EVクラブが毎年実施している「SDGs ERK on ICE~氷上電気カート競技会」。その第3回目が、9月23日、新横浜スケートセンターで開催された。
氷の上でレースをするというユニークなイベントなのだが、名称からわかるように、開催当初からSDGs(Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)への取り組みを標榜している。
ERK (Electric Racing Kart=電気カート)は、CO2をはじめとする排気ガスがまったく出ない。それが、SDGsの達成目標の「7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに」「13 気候変動に具体的な対策を」につながるとしているのである。
今でこそ、数多くの団体・企業がSDGsへの取り組みを表明するようになっている。日本のモータースポーツ界でも、その動きは見える。だが、この「SDGs ERK on ICE」よりも早く具体的に動き出したものはそう多くないだろう。
主催の日本EVクラブは、1994年からいち早く地球温暖化防止のためのEV普及活動を続けてきた。SDGsへの取り組みにも、そうした先見性が強く感じられる。
「SDGs ERK on ICE」は、環境への配慮だけでなく、安全への配慮も怠りない。
レース中はマーシャル(係員)たちによる安全管理と指導が徹底されている。また、スケートリンクで周回レースを行うため、コースアウトしてもクッション性がある壁とエアクッションがドライバーと観客をしっかり守ってくれるようになっている。
日本EVクラブ代表の舘内端氏は、開会式における挨拶で安全性の確保に触れ、次のように語っている。
「プロのモータースポーツ界では、長きにわたり速さ楽しさを追求する一方で、安全性もしっかりと追求してきた。エンジニアとしてF1も経験した私としては、このイベントもそうした姿勢に基づいて開催していこうと思っている。参加者のみなさんは、安心して氷の上でのレースを思い切り楽しんでいただきたい」
女性そして10代も多数参加
コロナ禍が一段落したことに加え、環境と安全に裏打ちされた楽しいイベントであることが広まったのも影響したのだろう。今年の「SDGs ERK on ICE」の参加者希望者は例年以上に多かった。レース運営の関係上、参加者を絞らざるを得ず、全員が参加することはできないが、定員を超える応募があったという。
参加者の多様性も目を引いた。今回は女性と10代の若者の参加が増えていた。ビギナークラス、エキスパートクラス、マスタークラスに分けてレースが行われるのだが、特に初心者対象のビギナークラスにおいてその傾向は顕著で、参加選手24名(当日棄権者を含む)中5名が女性で、年齢も10代から70代までの広がりがあった。
以下は、ビギナークラスのレースの1シーンである。老若男女が、くるくるとスピンしたりコースアウトしたりして、みんな楽しそう。1年に1回、この日、ここでしか体験することのできない新しいモータースポーツに、心の底から興じていた。
なお、ビギナークラスは4名による周回レースが6戦行われ、各レース1位の選手が優勝者として表彰されていた。そこには女性の姿もしっかりあった。
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