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クルマのトラブル「もしも」マニュアル
2019年3月26日更新
車両保険に入っていれば
盗難の被害は補償される
クルマが盗難されたとき、当たり前ですが、多くの人は大いに焦ります。
そして、その焦りのなかのひとつに、「あれっ、盗難されたら、自動車保険で補償されるんだっけ?」というものがあります。
それに対する答は以下です。
「あなたがちゃんと車両保険に入っていれば大丈夫。補償されます」
そう、盗難されたクルマは全損として扱われ、その分の補償はしっかりとでます。これは一般型の車両保険だけではなく、契約料が安いエコノミー型であっても同じです。盗難されたときのことを考えると、この車両保険は非常に頼りになる存在となっているのです。
ただし新車価格は補償されない
ただ、この車両保険の補償について、留意しておかなければならないこともあります。
それは、新車時の価格の全額補償は、まずないということです。
なぜか?
クルマは乗りはじめた時点から価値が下がりだすからです。そして、年月を経れば経るほどその下落が進むからです。
だから、たとえばLさんのように「1年前に買った新車で300万円したんだけどなあ……」と嘆いたところで、300万円まるまるがでることはないのです。補償される額はそのときの市場価格に留まり、もし、同じクルマを新車で買おうとするなら、ある程度は自腹を切る必要がでてくるのです。残念ながら……。
あと、忘れてはいけないのが保険の等級への影響。車両保険を使うことで、等級は1等級下がり、翌年から3年間にわたって保険料がアップしてしまいます。残念ながら……。
新価特約をつければ
全額補償の望みもある
「新車時の価格が全額補償されず、保険の等級も下がるなんて……。補償はでるのはたしかにありがたいけど、やっぱり盗られ損だよなあ」
そういう声、多いみたいです。とくに新車を買って1~2年しか経っていない人は、かなり損した気分になるようです。わかります。同情しきりです。
でも、そんな人に、ひとつだけ保険の補償面での朗報があります。
いま、車両保険にオプションでつけるものとして、車両新価保険特約(通称:新価特約)という商品がでています。
これは、新たに購入したクルマが事故で修理ができない状態になったり、修理費が車両保険金額以上となった場合などに初度登録(車検証に記載された初年度の登録)から3年間までであれば新車価格分がまるまる補償されるという特約です。じつは盗難されて発見されない場合は適用されないのですが、もし発見されて同じように修理不能の状態などになっているとわかれば、ちゃんと適用されることになっています。
盗難車が発見される確率は巷間1~2割程度といわれているので、正直、焼け石に水となる可能性は否定できません。ですが、この特約の料金はそんなに高くはないので、盗難の際の一縷の望みとして契約しておくのは悪くないと思います。それに、そもそも盗難よりも事故に遭う確率が高いので、幅広く新車の被害をカバーするという意味では入っておいて損はないでしょう。
新車を買う方、買ったばかりの方、ぜひこの車両新価保険特約の契約を検討してみてください。
ということで、つづく後編では、盗難されたクルマがもしも発見されたときに、どのように対処すべきか、保険のことを絡めつつご紹介します。
愛車が盗まれた。保険でなんとかなる?〈前編〉
愛車が盗まれた。保険でなんとかなる?〈中編〉
愛車が盗まれた。保険でなんとかなる?〈後編〉
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