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クルマのトラブル「もしも」マニュアル
2019年3月26日更新
盗難車両が発見されても
廃車同然の可能性が大
「盗難車が発見される確率は1~2割程度らしい」と中編で書きました。そう、かなり希有とはいえ、ときどき盗難車両が見つかることがあるのです。
ただ、発見される車両はキズだらけであることがほとんどだといいます。必要な部品が取りだされていて廃車同然になっているものもかなり多いようです。
たとえば、2015年時点でもっとも盗難が多い車種は国内外で人気が高いトヨタのプリウスなのですが、これはハイブリッド車の高額な部品を闇で転売することを目的に盗む輩がたくさんいる結果らしいのです。
ちなみに、ハイエース、ランドクルーザーも盗まれやすいクルマとして知られていますが、この二車種は頑丈で壊れにくいクルマとして世界的に人気があるので、分解して海外に送られ、現地で再び組み直して売られることが多いとのことです。
発見車両が少しの修理で直る場合
あなたなら、どうする?
それで、もし盗難車が発見されたときにどう対処すべきかという話になるのですが……。
発見された愛車が廃車同然=修理不能の状態であれば、答えはひとつです。
中編で紹介したとおり、車両保険にオプションで車両新価保険特約(通称:新価特約)をつけていた人は、まるまる新車価格分の補償を受けたほうがいいに決まっています。それ以外の選択はあり得ないでしょう。
車両保険には入っているものの車両新価保険特約をつけていない人でも同様です。盗まれた時点でのクルマの市場価格分しか補償がでないにしても、車両保険で全損扱いの補償を受けたほうがおトクということになります。
問題は、万が一発見された愛車が少しの修理で済む状態だったとするとどうするかです。
新価特約をつけている人もそうでない人も、車両保険から盗まれたクルマのその時点での市場価格分の補償しかされません。同じクルマを新車で購入しようとすると補償金に加えて自己資金の捻出が必要になってきます。そうであるならば、発見された愛車を車両保険ないしは自己資金で修理して乗りつづけるほうが断然おトクだったりします。損得勘定だけを考えると後者を選ぶべきとなるでしょう。
ただ、これに関しては、どちらがオススメかまでは、はっきりとはいいきれません。なかには「一度盗まれたクルマに再び乗るのは気分が悪い」とあえて損なほうを選ぶ人もいるからです。そう、盗難という被害は心理面にも多大な影響を及ぼすもの。どうすべきかは、こもごもを考え合わせた個々人の総合的判断で選ぶしかないのです。
ということで、あなたなら、どうしますか?
そんなこと想像もしたくもないでしょうけど、盗難防止策を考える際などに、ちょっとだけでも考えておいてください。ある程度態度を決めておけば、万が一のときでも煩悩が長引きませんから。
なお、盗難後に車両保険適用の申請をし、補償金を受け取った段階では、そのクルマの所有権は保険会社に移っています。もし、クルマが発見され、その返却を望むとしたら、受け取った補償金すべてを保険会社に返してからとなります。
また、保険会社からクルマの返却を受けられる期限は保険金を受け取った翌日から起算して60日以内と決められています。それを超えると、クルマがどんな状態であれ、取り戻すことはできなくなります。
とにかく、盗られてしまったら、保険で補償されるにしても、なにかと面倒がいっぱいです。
まずは盗られないようにすることがなによりも大事。日ごろから盗難防止策をしっかりと施しておくよう努めましょう。
愛車が盗まれた。保険でなんとかなる?〈前編〉
愛車が盗まれた。保険でなんとかなる?〈中編〉
愛車が盗まれた。保険でなんとかなる?〈後編〉
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