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クルマのトラブル「もしも」マニュアル
2022年12月8日更新
前編のストーリー中でふれているように、地震・噴火・津波による車両の損傷は、自動車保険(車両保険)の補償の対象になりません。ただし、「被災時にクルマを盗難された」というのは別の話で、被害者の過失や落ち度がなくまさしく盗難であると認められれば、契約してる自動車保険の車両保険で補償されます。
ここからは、愛車が盗難された場合に行うべき手続きや手順を述べていきます。災害時の盗難と平時の盗難で、プロセス上の差異はほとんどないので、とくに災害時の盗難に限定せずに、基本的なプロセスを簡潔に記して行きます。
警察に通報して
盗難届を提出
愛車が盗難されたことに気付いたら、まずは警察に通報します。そして、盗難届を出します。
盗難届には、自動車登録番号(ナンバープレートの番号)や車検証に記載されている車体番号、車種や色・特徴などクルマに関する情報、さらに盗まれた場所・時間などを記載します。また、盗難届にはクルマの中にあった貴重品も記載することを忘れないでください。
盗難届が受理されると、受理番号(受付番号)が交付されます。この番号は保険の手続きにも必要なので忘れずに控えておきましょう。
契約している
損害保険会社に連絡
(自動車保険契約で車両保険に加入していることが前提となりますが)次に、契約先の損害保険会社(実質的には契約を扱っている保険代理店)に連絡しましょう。
その後、損害保険会社の担当部門による、盗難状況の調査が行われます(期間は1~2ヵ月程度といわれていますが、事案ごとにまちまちです)。
ちなみに、クルマの盗難に対応するのは車両保険なので、車両保険に加入していない場合は、愛車の盗難の補償に自動車保険を利用することはできません。
普通自動車ならば
都道府県税事務所に申し立て
盗難された愛車が普通自動車ならば、都道府県税事務所に自動車盗難の申し立てを行ってください。
自動車税の減額やすでに支払った税金の還付が受けられる場合があります。この手続きをしないでいるとクルマが盗難されてしまっているのに自動車税が課税され続ける事態になってしまいます。
軽自動車の場合は、自動車盗難の対応について管轄の市区町村に問い合わせてください。ただし、軽自動車税は減額や還付はありません。
保険金の受け取り
損害保険会社による盗難状況の調査が終わると、契約にもとづき保険金を受け取ることができます。ただし、保険金の金額は、盗難にあった時点でのそのクルマの時価額(そのときのクルマの価値)ということになります。
保険金を受け取った後は、盗難されたクルマの所有権は損害保険会社に移ることになります。
保険金を受け取った後60日以内(※保険会社によって異なる場合があります)に盗難されたクルマが見つかった場合は、①保険金を受け取る、②保険金を返金したうえで見つかったクルマを修理する……のいずれかを選ぶことができます。
翌年度は1等級ダウン
盗難されたクルマの補償に車両保険を使うと、基本的に翌年度の等級は1等級ダウンします。
また、「事故あり」として「無事故」よりも保険料が高くなる「事故ありの割引・割増率」が適用されます。盗難されたクルマの補償に車両保険を使った場合の、事故あり係数適用期間は翌年度の契約からで、1年加算されます(期間の上限は6年)。
カーライフでも
防災準備を万全に
話を「災害時の避難行動」に戻しましょう。切迫した事態においては「人命最優先」で行動すべきですが、ほんの少しでも余裕があれば車検証などの貴重品を持ち出して避難しましょう。
車検証などの貴重品を持ち出す余裕があったのに、うっかりそれを忘れてしまい、なおかつ運悪く愛車を盗難されてしまったら、アンラッキーはそこで終わりません。
さまざまな手続きを行い、保険金を受け取れるとしても愛車は戻ってきません(戻ってきたときには、修理費等がかかる可能性もあります)。
ある程度の期間乗っていた愛車であれば、時価額として算出される保険金は愛車の新車購入時の代金よりはだいぶ少ない金額になるはずです。代わりに新車を購入するとしたら、新たな出費を覚悟する必要があります。
そして、自動車保険の等級はダウンし、「事故あり」適用となります。
このアンラッキーの連鎖は、避難するときに車検証を持ち出すことによって、かなりの確率で防ぐことができると考えられます。もしものときにあわてないために、クルマを運転中に災害に遭ったときの行動を日頃から確認し、持ち出し品をまとめておくようにしましょう。
いつくるかわからない自然災害の被害を最小限にとどめるには、日頃からの防災準備を万全にしておくことが肝心。それは、カーライフにおいても同じなのです。
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運転中に大地震に遭ったら、車検証を持って避難しよう!(後編)
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