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クルマのトラブル「もしも」マニュアル

Vol.2 大きな野生動物を轢いちゃった。 ひえー、どうすればいいの?

2016年3月18日更新

もしも_イラスト_3

【今回のやっちゃったストーリー】

免許取り立てB子さん。はじめての遠出の目的地は春の息吹が感じられる山奥の温泉地。冬の疲れと日ごろの疲れを一気に癒やすためのベストのドライブとなるはずだった。しかし、山を一つ越えての下り坂で悲劇は起こった。フッと黒い塊が前を横切った瞬間、ドーンと激しい衝撃に襲われたのだ。エアバッグのお陰で無傷だったものの、B子さんはハンドルを握ったまま茫然自失。

ふと前方に目をやると、10メートルほど先に黒い塊がピクピクと痙攣しているのが見えた。クマだった。B子さんは冬眠から目覚めた野生のクマを轢いてしまったのだった。「ひえぇぇぇ」。叫びにならない叫びを上げて、B子さんはのけぞった。取り急ぎ外に出て、クマの容態とクルマの損傷具体をたしかめようかと思ったが、ほかのクマがいたら怖いのでやめた。だれかに助けを求めたかったが、山奥なので人もクルマもやってこず断念。

B子さんはクルマの中でしばし、いまの事故の回想&反省モードに突入し、クマへの憐憫や自分の罪深さも含め、あれやこれやと考えを巡らせた。が、だからといってどうにもならず、B子さん、覚悟を決めて携帯電話を手に取った。
「はい、110番。どうされました?」
「あの、すみません。わたし、クマを轢き殺しちゃったみたいなんです」

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野生動物を轢いた事故は物損事故

あちゃー、B子さん、災難でした。せっかくの保養が台なしですね。でも、揺らぐ心をグッと押さえ、とりあえず警察に一報を入れたのは正解でした。

駆けつけた警官は、この類の事故を、単にモノとぶつかった事故、すなわち物損事故と見なします。だから、 生物の命を奪った罪には問われないし、免許証の減点や反則金などが発生する罰則も課せられません。また、 路上のクマの死体については、その後の通行の邪魔とならないよう、警官がすぐに関係各所に連絡を入れ、テ キパキと処理の手配をしてくれるはずです。クルマの損傷は気になるものの、とくに憂いなく事は済むでしょ う。

まあ、動物愛護の観点からすると、クマを死なせた自分を責めるというのは誠に崇高な精神行為といえます。 ですが、事故直後においては、路上での自分の安全およびスムースな通行のことを考えて、あれこれ悩まず、 警察に一報を入れて迅速な処理を優先させることのほうが重要なのです。クマを悼み、反省するのはそのあと のことにしましょう。そしてそのときには、今後は動物が飛びだしそうな道での運転は慎重に行うべしとの誓 いを立てるのもいいでしょう。そうすればクマだって無駄死にしなかったことになるのですから。

とにかく、野生動物を轢いたときには、まず警察に連絡する。しこうして悼み、反省し、運転態度を改める。 これが鉄則なのです。

標識_動物

事故証明なくして保険金の支払いなし

ところで、ネット上の噂によると、シカやイノシシ、クマなどの大型野生動物が出没する地域では、轢いた動 物をどこにも通報せずにだまってもち帰り、食べてしまう人もいるようです(いわゆるジビエというやつですね)。なるほど、そういう逞しい手もあったかという感じなのですが、うーん、ほんとうにそれでいいのでし ょうか? だって、もしクルマのどこかが壊れていたとしたら、加入している任意保険はおりず、自費での修 理が必要となってしまいます。美味しい思いをする一方で、大きな痛みをともなう可能性は高いのです。

そう、もうわかりきったことですが、事故を起こした際には必ず警察に事故証明をだしてもらうべきなのです 。その上で、修理にどれくらいかかるかを見て、保険を使うかどうかを決めるようにしましょう。たぶん、大 型の野生動物とぶつかった場合はクルマの損傷が激しいことが予想され、保険を使ったほうが得策となること が多いように思われるのですが……。

なお、今回のB子さんのような物損事故において損傷したクルマの修理に対しては、任意保険の車両保険で支
払いが行われます。ただ、Vol.1の後編でも紹介したとおり、車両保険には①オールリスクタイプ(一般条件 )と、②エコノミータイプの二種類があって、①のみ支払いがされ、②は補償対象外ということで支払いはさ れません。みなさんの任意保険はどっちですか? 自然がいっぱいの場所へでかけるときは、野生動物との事 故があることも考えて、そこらへんをぜひ確認しておいてください。

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参考文献
※参考文献:東京海上日動火災保険HP/日本損害保険協会HP/自動車保険の教科書HP 他

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