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EVキーマンに聞く/日本EVクラブ代表 舘内端 ③「もうすぐF1はフォーミュラーEに取って代わられるでしょう」

2018年12月20日更新

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EVレース参戦が世界の潮流

― モータースポーツのことについておうかがいします。舘内さんは24年前に「将来的にエンジン車によるレースはできなくなるかも知れない」と危惧されたとのことですが、現時点では、モータースポーツについてどのようにとらえていらっしゃいますか?

舘内 まだ、エンジンを搭載したマシンによるレースはいろいろと残っています。ですが、どれも開催する意義がかなり薄まってきていると僕は見ています。
実際、EV化が進んでいるヨーロッパでは一般からの反発が相当に大きなものになっており、どのレースも開催しにくい状況が生まれています。「大音響を響かせて、CO₂を含む排ガスを大量に放出するレースは無用だろう」といったような声が方々からあがっていると聞きます。
そのため、たとえばF1界では、しばらく前からヨーロッパの観客数は減り続けていて、スポンサーも獲得しずらくなってきています。それにともなってヨーロッパ各国の国名を冠したGPが少なくなってきています。主催者側は、その対策として開催地をアジアや中東などに移しているわけですけど・・・どうなんでしょう?・・・いずれEV化の波がそういった地域にも広がり、人々の価値観が変わっていけば、ヨーロッパと同様にじり貧になっていくのは避けられないしょうね。

― その衰退傾向にあるF1には、現在、日本のメーカーであるホンダが参戦しています。

舘内 そう、しかも今年の夏、日本GPのタイトルスポンサーとして鈴鹿サーキットでの開催契約を3年延長したという。いったい、このEV化時代にホンダはなにを考えているのかと思いますが、ホンダもスズカもF1に愛着があるのでしょうね。
だって、今後、もしホンダエンジンを積んだマシンがかつてのように常勝するようになったとしたら、昔とは違って逆にイメージダウンに繋がる可能性もないわけではない。エンジン車とEVの間で舵取りが難しくなるでしょうね。
現在、F1にはメルセデスやフェラーリ、ルノーといった名門がまだ参戦していますが、レースに参戦し、勝ったところで以前ほどのメリットがないということもわかってきているようです。ホンダも・・・、そういうことを真剣に考える時期かもしれません。

― F1以外のレースでの日本のメーカーの活躍といえば、ことしトヨタがル・マンで優勝を果たしたことがあげられます。あれについてはどう思われますか?

舘内 「おめでとうございます」といいたいところだけど、トヨタの優勝は、強いアウディがル・マンから一昨年に撤退し、昨年は実力があるポルシェが辞めちゃって、敵なし状態になったからできたわけで、それほど価値がある勝利とは思えない。もう1~2年前に勝ってほしかった。
それにマシン自体もハイブリッド車で、エンジン車よりイメージは悪くはないにしても、やや中途半端な感じがします。
それに、トヨタはラリーのWRCに力を入れている。そのWRCも遅かれ早かれEVになる。そろそろEVスポーツ化にシフトすべきでしょう。

― もし、そうした世界最高峰のレースからホンダとトヨタが撤退したとしたら、日本のモータースポーツファンをガッカリさせてしまいませんか?

舘内 だからホンダもトヨタも、エンジンを載せたマシンのレースではなくて、ピュアEVの最高峰レースであるフォーミュラーEなどへの本格参戦に舵を切ればいいんですよ。あそこには現在、アウディ、BMW、メルセデス、ジャガー、ポルシェなど錚々たるメーカーが参戦しています。しかも、2018-2019シーズンからは日産がでるようになる。トヨタとホンダのかつてのライバル・メーカーが、みな参戦するわけです。

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フォーミュラーEは世界の主要メーカーが揃って実力を競う場となります。F1やル・マンを凌駕して、世界中から注目されるレースになるでしょう。日本のレースファンも盛りあがらないわけにはいかないでしょう。
参戦するメーカー側のメリットが大きいこともいわずもがな。参戦すればエコなメーカーとして認められ、イメージアップにつながります。勝てるようになれば技術力の高さが認められ、これから発売するEVの販売に好影響をもたらします。
もう、とにかくいいことずくめ。そうしたことをしっかり踏まえ、ホンダもトヨタもぜひ前向きに参戦を検討してもらいたいですね。

EVで優雅に走るラリー

― ところで、日本EVクラブは、フォーミュラーEなどとは違った側面から、EVの可能性を広げるイベントやレースを実施しているとうかがっていますが、それについてご紹介いただけますか。

舘内 毎年、日本EVクラブはさまざまなイベント・催しや、小さいながらも意義あるEVレースを実施しています。どれも「EVならでは」の特長を活かしており、楽しい内容となっています。
たとえば毎年9月のはじめに開催している長野県白馬での『JAPAN EV RALLY』では、全国のEV、PHEVなどに乗っている人たちに参加してもらって、簡単なラリーを行っています。

白馬1web

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ラリーといっても、オフロードをがんがん走るスタイルのものではありません。どちらかというと公道を優雅かつ知的に走るというスタイル。今年はアベレージラリーといって、指定された速度で計時区間を回り、規定時間内にゴールすることを目指すラリーにしました。
参加者からは「環境によくて静かなEVで、白馬周辺のゆたかな自然の中を、ゲーム感覚で走行するのがとても楽しく気持ちよかった」「EVで優雅に走るというのは、新しい時代のラリーの一つの形のような気がする」といった声が聞かれ、たいへん好評でした。

― そのラリーに参加できるのは、EVもしくはPHEVのオーナーで、日本EVクラブの会員だけですか?

舘内 いえ、レンタカーやディーラー試乗車のEVもしくはPHEVでも参加ができます。それから、非会員でも参加OK。非会員の参加費は会員よりもちょっとだけ高くなりますけどね。

興奮必至の電気カートレース

― そのほかにはどんなレースを?

舘内 毎年11月の初めに行っているイベント、『Japan EV Festival』では複数のレースを行っています。これはクラブ設立時から実施しているもので、今年で24回目を数え、日本EVクラブの代表的なイベントとなっています。
具体的にどんなレースをしているかというと、筑波サーキット・コース1000を舞台に、コンバートEVによるディスタンスチャレンジ、電気カート(ERK)によるディスタンスチャレンジ、市販EVによるタイムアタックなど、制限時間内の距離とスピードを競うレースを行っています。
EVは加速性能がバツグンで、走りがとてもスムースじゃないですか。公道でもそれは十分に体感できるんですけど、サーキットで思いっきり走ればそのすごさがもっとわかり、心底感動できるんですよ。しかも静かかつクリーンな状態で……。
今年のキャッチフレーズは「CO₂削減&アクセル全開!」でしたが、もう、そのまんまの世界が体現されています。

第24回日本EVフェスティバル ‐ コンバートEV1時間ディスタンスチャレンジのスタートシーン

第24回日本EVフェスティバル ‐ コンバートEV1時間ディスタンスチャレンジのスタートシーン



― ちなみに、「電気カートのレース」と聞くと、一般の方には遊園地などにあるカートがイメージされてしまうように思いますが…かなり違いますね。

舘内 別モノです。電気カートは最高時速は180キロ近くでますから、かなり高レベルなレースが繰り広げられます。
かつて、元F1ドライバーの片山右京さんに筑波サーキットのコース2000を、僕が設計したスペシャルなカートでデモランしてもらったときは、一周1分4秒という驚異的なタイムがでました。これはスカイラインGTRやランエボでもなかなか出せないタイムです。
乗って走ればもちろんのこと、観戦しているだけでもその速さ、すごさに魅せられること請け合い…本当におもしろいですよ。

第24回日本EVフェスティバル ‐ 電気カートの走行シーン

第24回日本EVフェスティバル ‐ 電気カートの走行シーン



― これらレースへの参加資格はどうなっているのですか?

舘内 レースによって参加資格が異なっています。もし、どれかのレースに参加したいと希望される方は、日本EVクラブのホームページをご覧ください。
ちなみに、レースに参加しなくても、会場に来て、観るだけで十分に楽しめますし、最新のEV、PHEVにサーキットで試乗できます。どうぞ、ご家族・ご友人もお誘いあわせの上、ご来場ください。来年は記念すべき25回です。かなり期待できますよ!

①「大好きなレースをつづけるために日本EVクラブをつくりました」

②「中国から軽タイプのEVが入ってくる可能性はありますね」

③「もうすぐF1はフォーミュラーEに取って代わられるでしょう」

④「街の整備工場はEVサービスの発信基地になるべきです」

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