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2020全日本EVグランプリシリーズ第7戦 レポート② – レーサー劇場。TAKAさん選手がサーキットの中心でEVレース愛を叫んだ!

2020年12月10日更新



決勝が始まる前のピットで、予選2位の八代公博選手、予選1位の地頭所光選手、予選3位のTAKAさん選手に少し時間をもらい、レースへの意気込みや戦略、その他もろもろについて聞いてみた。

〈八代公博選手〉
初のEVレースの目標は
楽しくバトルすること

まずは八代選手へのミニインタビューから。



——今回、この全日本EVグランプリシリーズの最終戦にスポット参戦されたきっかけというか、理由を教えてください。

八代:実は、TAKAさんが配信しているテスラ車に関するBlogとかYouTubeでこのレースの存在を知り、ちょっと面白そうだなって思ったんですよ。で、ちょうど会社で毎日使っているクルマがテスラモデル3だったので、じゃあ1回出場してみようかってことになった。けっこう軽いノリ。今日も、出場車を自宅から普通に運転してここまでやってきました(笑)。

——軽いノリの割に予選のタイムがすごかった。やはり走ってみるとレース魂にポッと火が付いたということなのでしょうか?

八代:いやいや、EVで富士スピードウェイを走るのは初めてなので、すごくセーフティな走りを心がけてました。ぜんぜんプッシュしていないです。本気のレースモードで走ればもう少しいいタイムが出せたと思いますよ。

——あぁ、そうだったんですか……。では、この後の決勝をどう走るかについてお聞かせください。もちろん優勝を狙われていると思いますが、どんな意気込みと戦略で闘おうと考えていますか?

八代:うーん、とくに優勝とかは狙っていません。実は僕のマシンは足まわりを少しいじっているけど、それ以外はすべてノーマル。ほかの選手のマシンのようにバッテリーを冷やす後付けの冷却装置などはまったく載せていないんですよ。これだと、全開のプッシュを続けると誰よりも速くバッテリーが高温になってスピードダウンすることになるらしいので、そうカンタンには勝てないような感じがある。なので、決勝では最初のうちはEVレース経験が豊富なトップ集団に付いていって、その中でときどき彼らと楽しいバトルができればいいのかな、ぐらいに考えています。

——なるほど。参考までに、レースのプロとしての視点で富士スピードウェイをどう攻略すれば勝つ確率が高まるかを教えてください。

八代:僕が好きな攻め方は100Rを速く走ることなんですが、一般的なことをいえば、小さなコーナーがいくつもある第3セクターをいかにきれいにまとめて走るかが重要なことになってくると思います。これはたぶんエンジン車でもEVでも同じなんじゃないかな。

気負いがないのは、余裕綽々の証か。やはり決勝でも相当に怖い存在になりそうな八代選手なのであった。

〈地頭所光選手〉
最終レースで優勝して
年間チャンピオンになりたい

続いて地頭所選手へのミニインタビュー。



——われわれは当初、今日のレースは年間チャンピオンをかけて闘う地頭所選手とTAKAさん選手の一騎打ちを想定していました。でも、いきなり八代選手という強敵が出現してきて、ちょっと違う展開になりそうな感じになってきています。

地頭所:そう、TAKAさんはもちろん八代さんもかなりの強敵です。三つ巴の接戦になるかも知れません。でも、僕としてはこの最終レースに優勝して完全なカタチで年間チャンピオンと3連覇を決めたいと思っていて、そのための準備はしっかりとしてきている。二人に負けるつもりは微塵もありません。

——どんな準備をしてきたのでしょうか?

地頭所:これまで富士スピードウェイは年に1回ぐらいしか走ってこなかったので、ちょっと苦手なところがあったんですけど、今回はコースのシミュレーターを10回ぐらい走り込んでライン取りとかの攻め方をすべて頭と体に叩き込んだ。おかげで、富士スピードウェイは得意コースの一つになっています。

——シミュレーターでコースの攻め方を習熟!? 将棋もAIで戦い方を研究するらしいですが、レースもそういう時代なんですね……。そのほかに、勝つための方策として考えていることは?

地頭所:とにかく頑張って走ることに尽きるんですが、あとはチームメイトの千葉栄二さん(ゼッケン0番/Team TAISAN/テスラモデル3で予選4位)がレースをかきまわし、僕に有利な状況をつくってくれることでしょうか(笑)。単独で参戦しているTAKAさんや八代さんと違い、僕らチームは2台で参戦しているので、そういった面でのアドバンテージは多少はあるかな、と。

「レースに負けて年間チャンピオンと3連覇を決めてもちっとも嬉しくない。絶対に優勝するんだ!」……いつものようにクールで穏やかな話しぶりながら、言外にそんな熱い意思をビンビンと感じさせてくれた地頭所選手なのであった。

〈TAKAさん選手〉
奇跡の逆転を目指して
高校球児の気持ちで頑張る

最後はTAKAさん選手へのミニインタビュー。



——地頭所選手との8ポイント差をひっくり返せば逆転の年間チャンピオンです。どんな意気込みや戦略で闘いますか?

TAKAさん:奇跡を目指して高校球児のようなひたむきな気持ちで頑張る。もう、それだけですね(笑)。

——今回は八代選手という新たな強敵も出現しています。

TAKAさん:そう、奇跡のチャンピオンを狙う僕としては困った事態なんですけど、もう胸を借りるつもりで闘うしかない。実際、あの方の走りを見ていると、すごく勉強になるんですよね。

——先ほど八代選手にインタビューしたのですが、このレースにスポット参戦したのはTAKAさん選手のBlogやYouTubeに影響されたからだという話でした。

TAKAさん:そういうの、なんか嬉しいですよね。今後、僕のBlogやYouTubeじゃなくてもいいんですけど、このEVグランプリシリーズの情報に接して刺激を受けて、もっとたくさんのいろんな人たちが興味をもって参戦してくれるようになったらいいなって思います。

——テスラ好きのTAKAさん選手としては、やはりテスラ車の参戦が増えてほしいとかあるんでしょうか?

TAKAさん:まあ、それはそれであるけれど、例えば「すごい性能」と噂されているポルシェのタイカンの参戦だっていいんです。とにかく多くの人たちが、EVって環境にやさしいだけじゃなくて、実はものすごく速くて相当に楽しくレースができるクルマでもあるということに気付き、参加してくれるようになれば、レースはもっと面白くなり盛り上がっていくはず。僕はそうなることを強く願っているんです。

以前取材したときは、「僕はEVレースが好きというよりは、速いテスラ車をサーキットでブイブイ走らせるのが好きなだけ」と語っていたTAKAさん選手だが、この1年の参戦を通してEVレースへの愛情をさらに大きく育ませた模様。決勝に向けて、その瞳はこの日の大気のように純に澄んでいたのであった。

なお、以下はTAKAさんのBlogとYouTubeのURL。興味のある方はぜひアクセスを!
「TAKAさんBlog」https://takasan.online
「TAKAさん/テスラCh」https://www.youtube.com/channel/UCtFYaWCeLzdrZbYROHdUZ1w

2020全日本EVグランプリシリーズ第7戦レポート

①晴天の霹靂。初参戦の八代選手が予選でいきなり2位に躍り出た!

②レーサー劇場。TAKAさん選手がサーキットの中心でEVレース愛を叫んだ!

③有終の美。地頭所選手が鬼の走りで前人未踏の3連覇を達成した!

④EVルネッサンス。JEVRAが最高1,680万円の“賞金レース”開催に動き出した!

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