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みらいのくるまの「ただいまのところ」情報
2024年2月8日更新
「君たちはどう進むか」
帯に書かれたコピーにクスッとする。
明らかに宮崎駿の映画『君たちはどう生きるか』(吉野源三郎原作)のタイトルのパロディだ。
この遊び心あふれる表現は、本書の内容を端的に示している。
ナビがあっても
進路に迷う!?
著者はマニアといっていいほどの道路標識ファン。日本全国の一風変わった矢印標識(=指定方向外進行禁止の標識)を写真に撮りためている(ホームページ『道路標識めぐりの旅』で写真を公開)。
本書は、その膨大なコレクションの一部を集めてつくった写真集。表紙の写真からもわかるように、どれも「なんじゃこりゃ~!?」「クセつよ!」標識のオンパレードとなっている。
クルマやバイクでそこそこのスピードで走っている途中にこれらを目にしたら、ナビを付けていても、「え、どう進めばいいの?」と迷うこと必至である。
極めて真面目な人であれば、わかりづらい標識を設置している都道府県公安委員会を糾弾したくなるところだが、さて、どうだろう。たぶん、ほとんどの人は独特の標識群に妙味を感じ、ほっこりとした気分になるに違いない。標識の写真に添えられた軽妙なキャプションが、そうした気分に拍車を掛ける。
例えば、以下の二つの矢印標識の写真のキャプションはそれぞれこんな具合だ。
〈矢印が生えすぎてもはや大木のように成長してしまった矢印です。一つの交差点で6方向もの分岐がある圧巻の構造ですが、立体交差のランプがある影響でここまで複雑になってしまったようです〉
〈直進! 直進! 直進! たまに左折。何か大きな失敗をしてしまったときや、落ち込んでつらいとき、この矢印を見れば不思議と元気づけられる、そんな力を秘めた芸術といっても過言ではない標識です〉
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