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電気自動車はエコなうえに、走りもすごい!〈後編〉

2016年5月6日更新

黒板_3限目

『みらいのクルマLAB』は未来のクルマや新しいカーライフを研究するコーナー。3時限目は2時限目に引きつづいて「電気自動車(EV)」がテーマ。その具体的なメリットとデメリットを見ていくことにする。

エンジン車にはない感動的な使い勝手と走りがあるぞ

最新のi-MiEVのカタログ(2015年10月現在)を見ると、5つのメリットが掲げられている。
①「ガソリン代ゼロ」、②「走行中のCO₂排出ゼロ」、③「自宅で充電」、④「静かな室内」、⑤「力強い走り」。
こう並べると、かなりすごいクルマという印象だ。でも、実際どうなのか。以下、それぞれについて少し深掘りしてみる。ミーブ_メリット

①「ガソリン代ゼロ」
電気をバッテリーにため、それでモーターを回して走るのだから、当然ガソリンはまったくいらない。充電するための電気代は多少かかるものの、ガソリン代と比べるとかなり安いので、非常に経済的なクルマということができる(走行中、減速すると回生ブレーキ機能によって自ら充電も行う)。しかも、エンジンであれば、エンジンオイルや点火プラグなどの定期的に交換しなければならない動力部の消耗品が多々あるわけだが、その類もほとんどない。サイフにやさしいことはまちがいない。

②「走行中のCO₂排出ゼロ」
エンジンのようにガソリンを燃やさないから、必然的にCO₂の排出量は0となる(ただし発電所で電気をつくる際などに発生するCO₂は計算に入っていない)。つまり、環境にすこぶるいいクルマということなのだ。

③「自宅で充電」
エンジン車のようにガソリンスタンドまで給油にいく手間がなく、自宅にいながらエネルギー補給(充電)ができる。その便利さは、ある意味、カーライフスタイルに革命をもたらすものといえる。ただし、街中にある急速充電器での充電であれば数十分(i-MiEVのMグレードは約15分で80%充電、Xグレードは約30分で80%充電)で済むところ、家での普通充電だと数時間(Mグレードは約4.5時間、Xグレードは約7時間)もかかるわけで、それなりに時間的ストレスをともなう。だから、この「自宅で充電」のメリットを充分に実感するためには、たとえば寝ている夜のあいだの充電を習慣づけることが不可欠となる。

④「静かな室内」
エンジン車と比べるととにかく静粛性が際立つ。エンジンはシリンダー内でガソリンを爆発させ、ピストンを上下運動させる。その音と振動は技術の進歩とともにかなり少なくなってきてはいるものの、ある程度のボリュームは必ず車室内に侵入してくる。対してモーターはなにも爆発させないうえに、ローターが回転運動をしているだけだから、音も振動も極めて少なくなる。加えて、電気自動車には複雑な変速機がないから変速ショックもない。だから静かで快適。音楽や会話が存分に楽しめる空間が自ずとできあがる。

⑤「力強い走り」
モーターは発進直後から最大トルクを発揮し、アクセルにダイレクトに反応して力強い加速を実現する。これはもう実際に乗って体感するしかないわけだが、とにかく革新的な走りが楽しめるクルマということだ。発売当初から多くの自動車評論家が「(電気自動車は)エンジン車にはない感動的な走りが味わえる」「(i-MiEVは)軽自動車とは思えない走りをする」と絶賛しているのはその証といえるだろう。

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一番のネックは航続距離の短さ。でもホントかな?

電気自動車は、想像以上にメリットの多いクルマだとわかった。だが、じつはデメリットもそれなりにある。
代表的なのは、❶「高い価格」、❷「短い航続距離」、❸「整備途中の充電インフラ」といったあたりだろうか。それぞれについて、ちょっと解説を加えよう。

ミーブ_デメリット

「高い価格」
電気自動車は車両本体価格そのものが高い。現在、エコカー減税やクリーンエネルギー自動車等導入促進対策補助金などで数十万の減額があるものの、同じグレードのエンジン車と比べればやはり高めの印象だ。購入するか否かを決めるのは、先にあげた数々のメリットと価格とのバランス評価にかかってくる。もし、総合的にコスパが悪いと判断するなら、今後、台数が普及して価格が下がるのを待つしかない。なお、次世代自動車振興センターのEV等保有台数統計によると、2010年度(4,636台)から2014年度(52,639台)の4年のあいだのEV乗用車の保有台数の伸びは10倍以上となっている。まだまだ台数の桁が小さいなかでの伸長だが、この調子でいけば、価格が下がり、だれでも購入を前向きに考えられるようになる日はそう遠くないかもしれない。

「短い航続距離」
車種によってちがうが、ガソリン車は満タンで700~800㎞、燃費のいいハイブリッドカーなら1500~1800㎞も走りつづけることができる。しかし、残念なことに電気自動車の航続距離はそれに到底追いつかない。現在、さまざまなメーカーが長い航続距離のクルマを開発中だが、マックスで500㎞がせいぜいといったところだ。一回の乗車でそこまで長く走る人はほとんどいないにしても、「どこにも立ち寄らず乗りつづけられる」というポテンシャル面では明らかに見劣りすることになる。ちなみにi-MiEVの場合はMグレードが120㎞、Xグレードが180㎞とかなり短い。これはコンパクトな筐体に積めるバッテリーの量に限りがあるからだ。致し方ない。ただ、だからといって使えないクルマという評価は当たらないだろう。三菱自動車が行ったアンケートによると、平日1日に走行する平均距離は約90%の人が40㎞未満であり、休日でも約80%の人が60㎞未満という結果がでている。これらは航続距離が120㎞と短い電気自動車でも、余裕をもって対応できる数字といえる。

「整備途中の充電インフラ」
短い航続距離の電気自動車でも、各所に充電スタンドや施設(とくに急速充電器が設置されているところ)があれば安心して長距離を走ることができる。しかし、まだまだ不十分なのが現状だ。現在、ロータスクラブ加盟店をはじめとして、日本中で充電設備の設置が進められているわけだが、全国津々浦々とまではいっていない。長距離を走る際には、事前に充電スタンドの位置を調べておくなどの自助努力が不可欠となる。では、もしドライブ中に電ケツ(電気のガス欠)になって立ち往生してしまったら、どうするか? ロータス会員には「ロータス365サービス」がある。どうかご安心を。

以上、電気自動車のメリットとデメリットの両方を紹介してきた。
いかがだろうか、 「乗ってみたい」「購入したい」という風に心は動いたであろうか? あるいは「魅力的だけど、まだまだ時期尚早」とクールに判断したであろうか?

答がいずれであったとしても、次世代エコカーのなかでも筆頭を走っている電気自動車が、現実の選択肢の一つとして急浮上していることがよくわかっていただけたかと思う。あとどうするかは、電気自動車の魅力とあなたの価値観とのバランス、そしてタイミング次第だ。それでもし、前向きな気持ちになったとしたら、ぜひ真剣にチョイスを悩んでみてほしい。検討の健闘を祈りたい。

EV_モーターショー

東京モーターショー2015に出品された三菱自動車の電気自動車eX Concept。航続距離は400㎞


ロータスクラブは、環境に優しい自動車整備工場に取り組んでいます。


参考文献
※参考文献:『街を駆けるEV・PHV』(2014年 日刊自動車新聞社刊)/三菱自動車工業株式会社『i-MiEVカタログ』/次世代自動車振興センターHP/EVsmartブログ

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