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みらいのくるまの「ただいまのところ」情報
2023年12月14日更新
EVの試乗車と展示車は例年並だったが、充電に関する展示と講演・プレゼンテーションが多かった——。
2023年11月25日(土)、「つながろう みんなでCO2削減」をテーマに、お台場の東京国際交流館 プラザ平成とシンボルプロムナード公園で開催された第29回日本EVフェスティバル(主催:一般社団法人 日本EVクラブ)は、一言でいえば、そんなイベントになっていた。
当日に実施された企画は、「最新EV&PHEV試乗会」「最新EV展示/メーカー展示」「EV技術発表」「3階展示ブース」「ミニトークショー」「EVシンポジウム」「Kids電気カート組立体験」「デジタルスタンプラリー」など盛りだくさん。
今回は、それらの中から「最新EV&PHEV試乗会」と「EVシンポジウム」に関するレポートをお届けする。
大きいが運転しやすい
VWらしい「いいクルマ」
「最新EV&PHEV試乗会」のEVは、日産のアリアとサクラ、BMWのi4 eDrive40、フォルクスワーゲン(VW)のID.4(Pro)、三菱自動車のエクリプスクロスPHEVの5台が用意されていた。
われわれはVWのID.4に試乗した。
VWは2030年までに新車販売の半分をEVにすることを目指している。今後しばらくはエンジン車やハイブリッド車を製造・販売しつつ、クルマの電動化を図っていく構えだ。ある意味、マルチパスウェイ路線をゆくトヨタと似ている。そういう大メーカーがつくる本気のEVはどんなものかが知りたかった。
ID.4の外観は欧州の電動SUVらしく、かなり大きい印象。室内・荷室も相応に広かった。乗り込む前は、大きさを持て余すかもしれないと懸念していた。
だが、乗り込んでみると印象はガラリと変わった。VWらしいクルマづくりといえばいいのか、ドライバーに向けてギュッと締まった密度感があり、大きさがほとんど気にならなかった。
運転も非常にしやすかった。スーッと気持ちいい発進はEVならではだが、重くて頑丈な車体だけにそのスムーズさが際立った。さらにストレスのないハンドリング。大きいがゆえの取り回しの困難さがほとんどなかった。
「さすがVW。いいクルマをつくるな」と感心しきりだった。
この抽象的なインプレッションに、インストラクターとして同乗してくれたモーターフォトジャーナリストの諸星陽一氏がこんな具体的な補足を加えてくれた。
「ID.4は後輪駆動。前輪は舵角が非常に大きく取れるつくりになっている。だから、車体が大きくても運転がしやすい。日本の狭い道でもこれなら難なく走れます」
なお、2022年の欧州におけるEV発売ランキングでID.4はテスラ モデルYとモデル3に続き第3位。アメリカでも結構売れている。ところが、日本での人気はいまひとつ。EVの普及率が低いという事情があるにしても、これだけいいクルマなのに人気が出ないのはいったいどういう理由なのか。
この疑問について、諸星氏はこう答えてくれた。
「VWは大衆車メーカーのイメージが強いからでしょう。ID.4のProは約650万円とそこそこ高い。みんな、同じ金額を出すなら、ほかの高級車ブランドのものをと考えるんじゃないかな」
2025年にVWは新型EVのID.2 allを発売するという。これはゴルフと同じくらいの室内空間を確保しながら、ポロと同じくらいの手頃な価格設定になるようだ。
まさに大衆車メーカーの面目躍如。日本市場への投入がいつになるかはわからないが、そのときには日本でも大いに人気を博すに違いない。これは、iD.4に試乗した上での確信に近い予感である。
第29回 日本EVフェスティバル レポート
①VWが本気でつくったEV「ID.4」。日本の狭い道でもスイスイ走れた!
②再エネ発電が増えたら、V2Xで昼間の余剰電力を有効活用しよう!
③「EVへの充電は昼に行う」というパラダイムシフトが起きる!
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