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クルマのトラブル「もしも」マニュアル

Vol.35 地震・噴火・津波による被害は補償されないの?(後編)

2018年10月23日更新

もしも_地震2web

神の仕業による被害に
補償はでない

さて、ここから災害による被害に対する自動車保険の補償の話です。

Fさん、地震の際の行動の取り方は見事でしたが、残念ながら、自動車保険の契約内容については、ちゃんとした認識をもっていなかったようです。

実は、エコノミータイプであろうと一般条件タイプであろうと、車両保険では地震・噴火・津波による被害に対しては、補償されないのです。

車両保険_台風と地震

これを見て、「台風・たつ巻・洪水・高潮による被害には補償がでるのに、なんで地震・噴火・津波のときにはダメということになるわけ?」と素朴なギモンをもつ人もいることでしょう。

たしかに、一見、おかしな振り分けに思えます。

でも、これには、それなりの理由があります。
保険の発祥の地であるイギリスの約款には、昔から地震・噴火・津波などについては「Act of God=神の仕業」と書かれています。つまり、人間には正確に予知できず、かつ防ぎようがない災害である側面が強いということ。それゆえ、補償の対象からはずれることとなっているのです。

一方の台風・たつ巻・洪水・高潮といった災害は、地勢や天気の状態などを読めば、ある程度は予知でき、かつある程度は人間の手で事前に防げる(治水工事など)といった側面が少なからずあります。それゆえ、その被害については補償の対象となってくるのです。

「困ったときの神頼み」といいますが、この決まりは、神の仕業ゆえ、神に祈っても変更できないのです。

地震・噴火・津波でも
補償がでる特約がある

では、地震・噴火・津波によるクルマの被害は、神の仕業に泣かされるだけで終わりとなるのでしょうか?

いいえ、そんなことはありません。保険上で、人間の手による対策がきちんと存在しています。
それは、契約している車両保険に「地震・噴火・津波危険車両全損時一時金特約」というオプションを付けるというやり方です。

年間の保険料が5,000円アップしますが、これを付けることによって、車両保険の補償対象外である地震・噴火・津波による損害がでた場合でも、基本、50万円の補償がでるようになるのです(この特約でいう全損とは、車両保険における全損とは定義が異なります。詳しくは契約されている保険代理店などでお尋ねください)。

ですから、Fさんも、車両保険の補償範囲をしっかり認識したうえで、これを付けておくべきでした。
Fさんのケースでは、フロントガラスとボンネットに大きな被害がでていて、もしかしたらエンジンルームの中で不具合が生じている可能性も少なからずあり、修理代が50万円以上となる可能性は否定できません。しかし、それにしたって、なにもないよりはましといえるでしょう。

皆さんも、地震国ニッポンでクルマを走らせている以上、このオプションの付帯をぜひとも前向きに検討してみてください。

ドアをロックせず避難し
それで盗難されたら……

ところで、前編では地震の際の行動マニュアルのひとつである「避難の必要がある場合は、車のキーは付けたままにし、ドアをロックしないで、窓を閉めます」をクローズアップして紹介しましたが、これをやることによって、もし、だれかにクルマを盗まれたとしたら、その場合の補償はいったいどうなるのでしょうか?

車両保険では盗難は補償対象となっているものの、ある意味、補償対象ではない地震の被害ともいえ、判断に迷うところです。

実際のところどうなのか…、保険代理店の担当者にその補償の有無について聞いてみました。すると、こんな答が返ってきました。

「ご照会いただいたケースでは故意性すなわち盗難を促す意図は認められず、施錠せず鍵を付けたままにしたことをもってお支払対象外とはなりません。つまり支払対象となる可能性が大きいといえます」

ホッ。

ということで、改めてお伝えしたいと思います。
走行中に地震があった場合は、クルマが盗難されることの心配よりも人命尊重の意識を強く持ち、クルマのキーは付けたままにし、ドアをロックしないで避難するようにしましょう。
そして、契約している車両保険に「地震・噴火・津波危険車両全損時一時金特約」という心強いオプションを付けるようにしましょう。

地震・噴火・津波による被害は補償されないの?(前編)

地震・噴火・津波による被害は補償されないの?(後編)

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