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クルマのトラブル「もしも」マニュアル

Vol.23 若者の「うっかり無保険運転」を防ごう!(前編)

2019年3月26日更新

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【今回のやっちゃったストーリー】

Tさん(56歳・会社員)の娘は、大学入学を目前にした春休みに運転免許証を取った。Tさんは父として、入学祝いにクルマでも贈ってやりたいところだったが、これから4年にわたってかかる学費のことを考えると、そんな大きな買い物をするわけにはいかなかった。
「どこかにでかけたいときは、お父さんのクルマを使っていいから」
そういってTさんは、これまで「夫婦限定特約」と「36歳以上補償の年齢条件特約」をつけていた自動車保険を、「家族限定」の「全年齢補償」という内容に変更し、未成年の娘でも安心して運転できる環境を整えた。払う保険料はグンとアップすることになったが、愛する娘のためにはどうしても必要な措置だった。
その娘は、免許を取ってから最初の数週間は「練習に」とちょくちょくTさんのクルマを運転していた。それをTさんは、ハラハラしながらもホクホクとした気持ちで眺めていた。「大人になりつつあるのだなあ」と。
ところが、大学に通いはじめ、同時にアルバイトもはじめたころからその行動はパタッと止まった。そして、そのまま数ヵ月にわたり娘がクルマを運転することはついぞなくなった。
気になったTさんは、娘に理由を聞いてみた。
「このごろクルマを運転してないようだけど、どうして?」
娘は、その質問にこんな答を返してきた。
「サークルとバイトに忙しいのもあるんだけど、公道を走るのが怖くて……。なんか私、クルマの運転、向いてないみたい。だから、もう乗らないと思う」
Tさんは、娘の気まぐれに唖然としたが、事故に遭うことがなくなるのだから、それならそれでいいと思った。ただ、だったら、早くそういってほしいとも思った。免許証取得のための費用はともかくとして、アップさせた保険料がもったいないじゃないか!
ということで、Tさんはすぐに保険を元の「夫婦限定特約」と「36歳以上補償の年齢条件特約」をつけた内容に戻した。また平穏無事な夫婦だけのカーライフが戻ってくるように思え、ホッとした。
が、油断大敵だった。気まぐれ娘のやることはほんとうによくわからない。その手続きを終えたすぐあとのこと、Tさんが出張で留守をしているときに、娘が勝手にクルマを動かしてしまったのだ。それは、友だちと郊外のアウトレットモールに行くためで、友だちとの楽しい時間、楽しい買い物の誘惑は、公道での運転の怖さを凌駕したようだった。しかも、もともと保険に無頓着な娘は自分が無保険状態であることの重大さをまったく意識していない模様だった。
それで、間が悪いというべきか、不幸にもというべきか、その空白の1日に事故は起きた。アウトレットモールの駐車場で、苦手なバックで駐車しようとしたとき、娘は目測と操作を誤り、左側に停まっていた高級外車のボディ側面に思いっきりぶつけ、大きな凹みとキズをつけてしまったのだ。ガツンッ、ガガガガガッ。
嗚呼……。
結局Tさん、軽自動車1台をラクに購入できるほどの額の補償と、自分のクルマの修理代を、すべて自らの貯金でまかなうハメになったのであった。

免許はもっていても
クルマをもたない若者多数

いま、Tさんの娘のように、運転免許証はもっているけれどクルマをもっていないという若者が増えています。
これには、若年層の人口減少に加え、「親に買ってもらえない、自分で買えない」という経済的な事情や、生活スタイル・価値観の多様化などが大きく影響しているといわれています。

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「無保険状態で運転しない」
その意識の徹底を

この現象は、よく「若者のクルマ離れ」として話題となります。ただ、この問題提起には将来の日本の経済や文化の発展に関する懸念の側面が強くあるようなので、ひとまず置いておきましょう。

ここでは、いま現在、運転免許証はもっているけれどクルマをもっていないという若者が起こす問題行動について触れたいと思います。

それはなにか?
じつは、こうした若者たちは、気軽に他人や親のクルマを借りて無保険状態(自賠責保険は適用されるとしても、任意保険は適用されない状態)で運転してしまいがちなのです。詳しい統計があるわけではありませんが、Tさんの娘がしたような行動が少なからず起こっているようなのです。

おそらく、自動車保険に関する意識と知識が乏しいうえに、無保険状態で事故を起こしたときの恐ろしさをよく認識していないことが、そういう軽率な行動を生んでいるのでしょう。うっかりの側面が大きいとはいえ、じつに由々しき事態に思われます。

もし、無保険状態で事故を起こしたら、どうなるのか?
いうまでもなく、補償は自賠責分以外はすべて自腹(もしくは親頼み)となります。Tさんの娘が起こしたような事故はまだかわいいもので、それが人命に関わる大きな事故となれば、若い身空で一生を棒に振るほどの負債を抱える可能性がでてきます。こうなったら、もう悲劇以外なにものでもありません。

「無保険状態では絶対に運転しない!」
自分の周囲に免許をもっているけれどクルマをもっていない若者がいれば、そういう意識の徹底を促すよう努めましょう。もしあなたが親なら、なおさらです。

若者の「うっかり無保険運転」を防ごう!(前編)
若者の「うっかり無保険運転」を防ごう!(後編)

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