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クルマのトラブル「もしも」マニュアル

Vol.4 ネットで保険を契約したら、事故後に「そんなはずじゃなかった」が多発?オーマイゴッド!【前編】

2016年5月13日更新

もしも4-1

【今回のやっちゃったストーリー】

Dくん(21)は、どんな買い物でもネットで済ませちゃう派。さすがにクルマはお店で買ったけど、任意保険はネットのダイレクト保険で契約した。契約は超簡単だった。必要事項の記入と、希望項目にチェックを入れていくだけであっさりと終わった。しかも、狙いどおり総額をかなり安くおさえられた。しかし、ある日、Dくんは、それを激しく後悔することとなった。

狭い道路を運転中、前方から猛スピードのクルマがセンターラインをはみだしながら走ってきた。Dくんは鋭い反射神経で咄嗟に右にハンドルを切り、なんとか衝突をまぬがれた。が、それもつかの間、バンパーをゴツンと電信柱にぶつけてしまった。
「あちゃー」

悪いのは危険運転をしていたあのクルマのせいと瞬時に思ったが、すでにはるか後方に走り去っており、影も形もない。Dくん、憤懣やるかたないまま、取り急ぎ事故処理すべく冷静に警察と保険会社に連絡を入れた。

駆けつけた警官にDくんは、事故原因をつくったクルマのことを盛んに申し立てた。だが、とくに気にもとめられず、最終的に自損事故として処理された。そして保険会社からは「電信柱を直す対物補償はでますけれど、お客さまの車両保険は車対車の特約なので、自損事故による損傷の修理代はでません」といった主旨をクールに電話越しで告げられた。

Dくん、自分が契約している車両保険が車対車の事故の場合にしかおりないのだと、そこではじめて認識し、愕然となった。でも、「まあ、バンパーの凹みぐらいなら2~3万円で直るだろうから、保険が使えなくてもいいや」と気を取り直し、すぐにお店に修理の依頼をしにいった。

そしたら、こんどはメカニックの人から「バンパーだけじゃなくてフェンダーもやられてる。それに内骨格がゆがんでいる可能性もある。ちゃんと調べてみないとわかりませんが、直すのに数十万かかることになるかもしれません」との発言が飛びでた。
Dくん、驚きのあまり目が点となり、酸欠の金魚のように虚空に向けて口をパクパクさせるばかりとなったのであった。

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ネットで契約する人の多くは補償内容をよく把握していない!?

「Dくんの話、とてもフィクションとは思えませんね(苦笑)」
自動車保険の代理店も兼ねているあるロータス店の店長に聞いたところ、いま、こうしたケースが多発しているとのこと。以下、その注目の証言に耳を傾けてみましょう。

「たしかにネットのダイレクト保険は、だれでも手軽かつ簡単に契約できます。でも、みなさん安く抑えようとの意識が先行してか、補償内容をよく確認・理解しないまま契約するという失敗をおかしがちなんですよね」

「とくに多いのが、車両保険を車対車の事故に限定した安い特約モノを選び、失敗するケースです。自損事故に対しては補償はおりないという条件になっているにもかかわらず、そのことをみなさん、なぜかすぐに忘れてしまう。そして、いつのまにか『自分は車両保険に入っているのだからどんな事故の場合でも修理代がでる』と思いこんでしまう」

「それで、事故後に『ええっ、修理代でないの?』と驚くことになる……。とても不思議な意識の流れなのですが、おそらく最初の段階できちんと確認・理解ができていないがために、そういう忘却と誤解に繋がるのだと思われます。人間って、しっかりと把握できていない事柄については、なるべく自分に都合のいいように解釈しがちですから」

つまり、自動車保険の代理店を通さずにネットで契約する人ほど、自分が加入している自動車保険の補償内容をよく知らずに、何となく「保険に入っているから安心」と思ってしまいがちだというわけです。

「自損事故はしない」という思い込みは禁物

さらに、ネットで契約するドライバーの中には、保険代理店のスタッフから説明などをていねいに受けていないために、自動車保険について勘違いや思い込みをしてしまう人もいるようです。

「もちろん、なかには自損事故にはおりない保険とちゃんと認識している人だっていますよ。ですが、そういう人たちも、けっこうな勘違いをしがちです。たとえば、このDくんのような事故のときは、車対車の事故と見なして騒ぎ立てる人がでてきます。たしかに原因をつくったのは相手のクルマかもしれません。だけど、接触はしていないわけで、よほど明確な証拠がない限り、その主張は無理筋でしょう」

「あと、相手のクルマの不注意によって車対車の事故は起こるかもしれないけれど、自損事故のほうは気をつけてさえいれば防げるものと信じ切り、『だから自分は車対車の特約だけでいいんだ』と判断する人もいます。しかし、実際のところ、壁を擦ったり、溝に脱輪したり、電信柱にぶつかったりといった自損事故が案外と多いのが現実。そういう裏づけのない過信は禁物です」

※日本損害保険協会調べ

※日本損害保険協会調べ



このグラフを見てもわかるように、クルマの事故全体の中で自損事故は決して少なくありません。クルマの「もしも」に備えるために自動車保険に加入するのであれば、自損事故に対する備えも考慮すべきでしょう。
とにかく、ネットで自動車保険に加入するときには、自分の契約する保険の内容について一言一句に至るまで目を通し、よく理解することが大切だといえるでしょう。

 

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