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クルマのトラブル「もしも」マニュアル
2023年1月26日更新
交通事故における同乗者の損害を補償してくれる自動車の保険は①「自賠責保険」、②「任意保険の対人賠償保険」、③「任意保険の人身傷害保険」、④「任意保険の搭乗者傷害保険」……の4つです。その違いを見ていきましょう。
対象や支払い方法が
それぞれ違う
交通事故の際に、同乗者の損害を補償してくれる四つの保険の概略は、次のようになります。
①「自賠責保険」(強制保険)
〈補償内容〉
事故の被害者(死傷した人)の損害を補償する保険で、事故の相手だけでなく自車の同乗者の損害についても補償。
ただし限度額が設定されており、ケガは最大120万円、死亡は最大3000万円、後遺障害は最大4000万円となっている。
〈補償される同乗者〉
他人、家族問わずすべての同乗者が対象になる。
②「任意保険の対人賠償保険」
〈補償内容〉
事故の被害者を死傷させたときに、その損害を補償。一般に事故の相手に対する保険と思われがちだが、実は同乗者の損害も補償される。
法律上の損害賠償責任を負ったとき、自賠責保険でカバーできない分について、契約時に決めた保険金額を上限に実際の損害額が支払われる。
〈補償される同乗者〉
他人の同乗者が対象。ドライバー(=保険契約者)の配偶者や家族、親族が同乗者の場合は補償の対象外となる。
③「任意保険の人身傷害保険」
〈補償内容〉
自動車事故が起きた際に、クルマを運転していた契約者と同乗者が死傷したときに、その損害を補償。
車外も補償するタイプの契約をすれば、契約車以外のクルマ(バス、タクシー含む)に乗車しているときや歩行しているときの事故の損害も補償される(このときの対象者は契約者とその家族)。
治療費などの実費、休業損害、精神的損害、後遺障害が生じた場合の将来の介護料、逸失利益、葬儀費用などが補償される。
〈補償される同乗者〉
基本的に保険契約している車両を運転していた契約者と同乗者が対象。ただし、同乗者が他人の場合は対人賠償保険での補償となるので、実質的に契約者とその家族が対象となる。
④「任意保険の搭乗者傷害保険」
〈補償内容〉
事故の過失割合がどうであれ、契約車両に乗っているすべての人の死傷に関する損害を補償。自賠責保険や相手の自動車保険から補償されても、搭乗者傷害保険からも補償が受けられる。
支払われる金額は入院・通院日数、ケガの内容・程度によってあらかじめ設定されており、それ以上は出ない。
〈補償される同乗者〉
保険契約の対象車両に搭乗していたすべての人が対象。
自分と家族の要件を考え
保険金額を決めるべき
人身傷害補償保険と搭乗者傷害保険は、契約の対象となる車両に乗っているドライバー(=契約者)や同乗者が死傷したときに備える保険ですが、補償される金額の計算方法や補償の範囲が異なります。
「両方の保険に加入すれば安心」という考え方もありますが、現在では、自動車保険の契約内容としては人身傷害補償保険を付けるのが一般的で、搭乗者傷害保険部分を取り扱っていない保険会社もあります。
ということで、自分と家族を守るのは、まずは人身傷害補償保険であると言えます。
さて、それでは皆さんの自動車保険の契約で人身傷害補償保険の保険金額はいくらに設定されているでしょうか?無制限に設定することもできますが、一般的には3,000万円~5,000万円を選ぶことが多いようです。
でも、どれぐらいの補償が必要かは契約者の年齢や収入、家族の人数などで変わります。例えば大家族であれば、保険金額を高く設定する必要があるかもしれません。「支払う保険料がいくらになるか」ということだけで判断すると、もしもの際に必要な補償を得られないという事態になってしまうかもしれません。
生命保険などによる補償も考えあわせ、人身傷害補償保険の保険金額を決定するようにしましょう。
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