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クルマのトラブル「もしも」マニュアル
2019年3月26日更新
【今回のやっちゃったストーリー】
翌朝、友人とともにひさびさに海釣りにでかけることになったQさん(60歳・自営業)。いつもは深夜12時ごろに寝るのだが、早朝の出発を考えて、夜の9時にベッドに入った。しかし、時間が浅いのに加え、遠足前の小学生のように気持ちが昂ぶっていることもあって、なかなか寝つくことができなかった。
そこでQさん、寝酒の力を借りることにした。テレビを観ながら、ビール、さらには焼酎の杯を急ピッチで重ね、いい感じにアクビがでてきたのは、もうすぐ12時という時刻だった。
「なんだ、いつもと変わりゃしねえ」
苦笑いしながら再びベッドに入ると、Qさんはすぐに眠りに落ちた。
スマホにセットした目覚ましアラームがけたたましく鳴ったのは午前2時30分のことだった。Qさんはすぐに飛び起きた。そして、ゆっくりとコーヒーを飲み、午前3時に、妻が用意してくれていたおにぎり弁当と釣り具をもってクルマに乗り込んだ。
約15分走ったあと、Qさんは路肩の駐車スペースにクルマを停めて友人をピックアップした。友人は、「いやあ、ゆうべなかなか寝られなくてさ、つい深酒しちゃったよ。なんか、まだ眠い」といいながらクルマに乗り込んできた。それを聞いたQさんは自分と同じだと思いながら、「おいおい大丈夫か? 歳とるとアルコールの抜けが悪くなるっていうからなぁ」と笑って冷やかした。
と、その笑顔のまま再スタートを切るべくクルマをゆっくり走行車線にもどしはじめたときのこと。Qさんは、車道のクルマの流れに気をとられ、「ゴンッ」と前方の駐車スペースに駐まっていたクルマにぶつけてしまった。
「あちゃー」
急いでクルマを降りてたしかめてみると、自分のクルマのフロントバンパーにも凹みができていたが、前のクルマの樹脂製のバンパーは凹んだうえに、留め具がはずれて、一部が宙に浮いた状態となっていた。
「こりゃ、まずいな」
Qさんは、事故証明をとって保険で相手のクルマへの補償をすべきだと考え、すぐに110番した。近所の交番から駆けつけた警官は、Qさんから事情を聴取しながら一通り現場検証をしてくれたのだったが、その終わりころ、「念のため呼気検査しましょう」といい、アルコールチェックの計器を持ち出した。
結果は・・・なんと、Qさん、アルコールが完全に抜けておらず、0.15㎎以上0.25㎎未満というラインでの酒気帯び判定が下されてしまった。すなわち、50万円以下の罰金と減点13点の一発免停の処分を受けることに。楽しみにしていた釣りをあきらめるどころではない、大きな悲劇の到来だった。嗚呼。
ビール中びん2本なら
酒気が抜けるまで6~7時間
Qさん、まったく悪気はなかったとはいえ、迂闊でした。
酒気が完全に抜けるまでの時間は人それぞれでちがうようですが、ある程度の量のお酒を飲んだとしたら、だれであっても、わずか3~4時間で酒気を抜くことは難しいといえるからです。
実際、公益財団法人アルコール健康医学協会のホームページには、こんな風に酒気が抜ける時間の目安が書かれています。
〈体重約60kgの成人男性で、1単位(ビール中びん1本、日本酒1合、焼酎0.6合)のアルコールが体内から消えるまでに約3~4時間かかります。2単位では、約6~7時間、3単位では、約9~10時間、4単位では、約12~13時間かかります(これは、あくまで目安です。体格、体質、性別で異なります)〉
[罰則]
酒酔い運転・・・5年以下の懲役又は100万円以下の罰金
酒気帯び運転・・・3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
[違反点数]
違反種別 酒酔い運転・・・35点
酒気帯び運転(呼気1リットル中のアルコール濃度0.25mg以上)・・・25点
酒気帯び運転(呼気1リットル中のアルコール濃度0.15mg以上0.25mg未満)・・・13点
第3条(危険運転致死傷として新設)
アルコール又は薬物若しくは運転に支障を及ぼすおそれがある病気の影響により、正常な運転に支障が生じるおそれのある状態で自動車を運転し、よって正常な運転が困難な状態に陥り、人を死傷させた場合
罰則 致死:15年以下の懲役 致傷:12年以下の懲役
[車両提供者は運転者と同じ処罰に!]
運転者が酒酔い運転 5年以下の懲役又は100万円以下の罰金
運転者が酒気帯び運転 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
[酒類の提供・車両の同乗者]
運転者が酒酔い運転 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
運転者が酒気帯び運転 2年以下の懲役又は30万円以下の罰金
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