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クルマのトラブル「もしも」マニュアル
2021年3月25日更新
前編に掲載したストーリーで、ほとんど避けようのない事故に遭ってしまったCくん。その後の理不尽な展開に、なかなか納得できませんでした。そこで、「何でそうなるのか」を具体的に解明しようと、前編後半では「被害者にも過失割合が生じるのはなぜか?」について述べました。後編は次なる“理不尽”の解明です。
賠償金額は
過失割合だけで決まらない
相手の急な飛び出しによって事故に遭ったCくん。ところが、結果的に被害者側であるCくんの方がより多くの賠償金を支払わなければならなくなりました。どうしてそんなことになってしまったのでしょうか?ストーリーの要所をもう一度追ってみましょう。
①今回の事故は、路地にいた高級車が幹線道路に進入するときに右手から走ってきていたCくんの軽トラに気づかずに発進して起こりました。
②高級車側が悪い事故ではあったものの、総合的かつ客観的に見て過失割合は高級車オーナー80%対Cくん20%と決定。両車の損傷の修理にかかる費用についても、それぞれがその比率分だけ相手方に賠償することになります。
③すなわち、Cくんの軽トラの修理代の80%分については高級車オーナーが出し、高級車の修理代の20%分についてはCくんが出すというカタチ。今回は双方が任意の自動車保険に加入していたので、賠償はそれぞれの対物補償保険を使って行われることになりました。
④Cくんとしては、過失相殺になっても、被害者である自分は賠償される側であり、自分が賠償金を出すことなどまったく考えていませんでした(=自分の保険を使うなど考えていませんでした)。
⑤ところがフタを開けてビックリ。Cくんの軽トラの修理代が10万円であるのに対して、高級車の修理代は200万円。それに基づいて、高級車オーナーは10万円の80%である8万円を賠償するのに対し、Cくんは200万円の20%である40万円を賠償しなければならなくなり、相殺すると「Cくんが32万円の賠償を行う」こととなったのです。
このように冷静にストーリーを追えば、この顛末に疑問の余地はありません。
自動車保険の内容を
確認しておきましょう!
こうした展開は、部品の価格や修理作業代などが高額な高級車が事故の相手だった場合、十分にあり得ることです。Cくんの事故の場合、高級車の修理代のうち160万円は高級車オーナーが負担するわけですが、当事者間では「賠償の逆転現象」とも感じられる事態が発生します。
結局、こうした心情的に納得し難い事態に陥るのを避けるには、Cくんのお父さんが言っていたように「常に周囲に注意を払った運転を心がける」しかありません。
そして、それでも起きる可能性のある交通事故に備えて、事故対応のために自腹で大金を支払うといったさらなる悲劇を招かないよう、必要十分な内容の自動車保険に加入しておくことが大事です。
また、保険会社が提示してきた過失割合について、どうしても納得いかないという場合は「弁護士に相談する」という道も残されています。そうした場合には、自動車保険に弁護士費用特約を付帯していれば心強いでしょう。
皆さんの自動車保険の内容は、「もしも」の際に自分を守ってくれる内容になっていますか?ぜひご確認されることをお勧めいたします。
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