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クルマのトラブル「もしも」マニュアル
2018年7月5日更新
できれば自賠責プラスαの安心も
前編ではBくんの事例をあげて、「うっかり自賠責切れ」の罪深さ及び悲劇について紹介し、「そうならないように気をつけましょう」というお話をしました。
この後編では、自賠責プラスαの安心、すなわち任意保険のことについて触れておきたいと思います。
バイクを運転する以上は自賠責に加入しておくことは必須なのですが、前編でも触れたとおり、補償がでるのは対人賠償のみです。それ以外の対物賠償、人身傷害、車両保険などは一切付きません。しかも、対人賠償の限度額も死亡:3,000万円、傷害120万円、後遺傷害75万円~4,000万円となっていて、それですべてが賄えるとはいいきれません。
自賠責保険 → ○対人賠償(被害者への補償・限度あり)
×対物賠償(ガードレールや店舗などの破損に対する補償)
×人身傷害(運転する人の死亡・ケガへの補償)
×車両保険(自分のバイクの損傷への補償)
やはり、たとえ原付バイクとはいえ、手厚い任意保険を付けておくのがベストといえるでしょう。
ファミリーバイク特約の保険料は
バイク保険の約10分の1の安さ
ただ、そうカンタンに「任意保険に入ればよい」と割り切れるものでもありません。なぜなら、任意のバイク保険加入にはそれなりにお金がかかるからです。
とくにBくんのような未成年の場合は保険料が高く設定されています(※20歳以下のバイク保険の保険料は月額1万円ほどが相場)。「若い人のほうが事故率が高い」というのが、その背景です。
未成年は事故を起こしやすいので任意保険に入っておくべきところ、保険料は高いし、お金の余裕はない…ゆえに加入を躊躇せざるを得ない…。なんとも残念な流れです。究極のアンバランスです。いったい、どうすればいいのでしょうか?
ひとつ、いい解決方法があります。それは、ファミリーバイク特約を利用するという手です。
たとえばBくんの父親がクルマをもっていたならば、任意の自動車保険に加入しているはずなので、それにファミリーバイク特約という特約保険を付けてもらうようにすればいいのです。
ファミリーバイク特約は、自動車保険の契約者の家族のだれかが、125cc以下のバイク(原付バイク含む/借りたバイク含む)を運転していて事故を起こした場合、バイク保険同様に対人、対物を含めたさまざまな補償がされるという内容の特約保険です。
そして、この保険で嬉しいのは、そんな手厚い補償があるのに、料金がかなり安いということです。保険会社によってその金額は変わりますが、バイク保険に加入するのと比べて、だいたい10分の1程度で済んでしまうのです。
つまり、ファミリーバイク特約は、原付バイクを含む125cc以下のバイクに乗っている人(なかでも未成年者)にとっては空前絶後にお得な保険といえ、“救世主”といっても過言ではありません。利用しない手はないでしょう。
ということで結論。
「まずは自賠責に必ず入る。そのうえでファミリーバイク特約をはじめとする任意保険のほうも万全にしておく」
原付バイクに乗っている人は、ぜひともこのダブルの安心態勢で、いいバイクライフを末永く送ってください。
原付バイクの「うっかり自賠責切れ」にご用心!(前編)
原付バイクの「うっかり自賠責切れ」にご用心!(後編)
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