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クルマのことならなんでもガイド
2019年7月23日更新
今月の達人
品田商会・品田庄一
今回は、前回お話ししたロータスクラブの『次世代自動車取扱認定店』について、私たち品田商会(ロータスシナダ)での実例をご紹介するとともに、ロータスクラブ副会長である私が組織内ははもとより、一般ユーザーの皆さんにもぜひ知っていただきたいと思っている“次世代自動車を扱うココロ”をお伝えしたいと思います。
優秀な整備士たちが
最先端機器を駆使
まずは、私たち品田商会(ロータスシナダ)における『次世代自動車取扱認定店』としての実態をご紹介します。
まずは、次世代自動車を診断するスキャンツールの用意と、それを正しく操作する人材の育成についてですが、論より証拠と言うか、まずは写真を見てください。
この写真に写った緑色の台に乗っている機器が、当社の自慢のスキャンツールです。これは、世界的な自動車部品&電動工具メーカーであるドイツのボッシュ社製の最新機器です。
実は、わが社は日本でも数少ない『ボッシュ・カーサービス』の整備工場でもあり、写真の空間はボッシュ専用のピットとなっています。そして、ここでは最新機器を駆使して、『ボッシュサービスプログラム』……電子化が進んだ今日の車の整備に欠かせない最新鋭の診断機器によるカーメンテナンス……を行っています。
人材としては、工場長をはじめとしたベテランメカニックと、ここ10年の当社のチャレンジングな活動に興味を持って入社した若手メカニックが積極的に研修などに行き、技術力を伸ばしています。とくに若手は伸び盛りなので、どんどん新しい技術を吸収してくれています。
このように、当社は、『ボッシュ・カーサービス』としての機器と人材をベースとして、ロータスクラブの『次世代自動車取扱認定店』の要件を具体化したということができるかもしれません。
もちろん、以前から扱っている三菱自動車のスキャンツールや、各メーカーのクルマの診断ができる汎用のスキャンツールも揃えています。
でも、ここで『ボッシュ・カーサービス』の例を出したのは、ロータスクラブに加盟する全国の整備工場は、己の力で技術を磨き、「どんなメーカーのクルマでも整備・点検する、もちろん次世代自動車もしっかり整備・点検する!」という気概を持って仕事をしているということをお伝えしたかったからです。
絶縁工具・保護具、
充電設備も怠りなし
大きなバッテリーを搭載し、モーターで動く次世代自動車を扱うためには、絶縁工具、絶縁保護具が欠かせません。当然ながら、そうした工具・保護具を用意し、メカニックは日常的に扱えるように経験を積んでいます。
付け加えて言うなら、電気を扱うということで、万が一のことを考えて緊急蘇生装置であるAEDを設置しました。これは、何事にも二重三重のセーフティ対策を取るべきだという私の判断です。
それから、お店の前に10年前から普通充電器を設置していて、一般の電動車に乗る方々に開放しています。何しろ、当社は2010年、急速充電器の標準化と設置拡大のために設立されたCHAdeMO(チャデモ)協議会の立ち上げに当たっていち早く手を挙げて、参加しています。急速充電器は第3話でお話したガソリンスタンド(エネオス松波SS)の方にあるのですが、いずれにせよ電動車のお客さまをサポートする気持ちに変わりはありません。このあたりは、以前にお話した『EV・PHVタウン構想』のプロジェクトに参加したことが活きていると思っています。
環境への取り組みも
超強力、徹底的に実施
環境対策への取り組みもしっかり行っています。
前回お話ししたように、『次世代自動車取扱認定店』になるためには、国土交通省の顕彰制度「環境に優しい自動車整備工場」、環境省のガイドラインに基づく認証「エコアクション21」、国際標準化機構の環境システムマネジメントに関する規格「ISO14001」のうちのどれかを取得するということになっていますが、当社では「環境に優しい自動車整備工場」および「エコアクション21」を取得しています。
そして、「エコアクション21」などは2007年以来ずっと基準をクリアして、10年表彰をいただくほど徹底してやってきました。
私は自他ともに認める“環境オタク”であります。
ホームページにも、「品田商会は地球環境と調和した地域社会と共に歩む環境企業です。」と謳っています。ロータスクラブにおいても、ずっと前から環境への取り組みの重要性を訴えてきました。その実践事例となるべく、自社において環境対策を超強力、徹底的に行ってきましたが、それには理由があります。
この場を借りて、それを多くの皆さんにお伝えしたいと思いますので、ぜひ以下もご一読ください。
“環境オタク”の正論を
聞いてください!
話は今から25年ほど前、私が30歳のころまで遡ります。当時、ロータスクラブは輸入車販売・整備も事業領域に入っており、その一環として私はドイツで行われた自動車メーカー主催の研修に参加しました。
その研修では、本当にさまざまなことを学んだわけですが、一番ぴっくりしたのは、現地の自動車販売・整備会社が行っている環境対策でした。ゴミの分別はもちろん、廃油やエアコンからでるフロンの処理まで完璧に行われていました。
そして、どの会社の経営者も誰一人としてCO₂排出量の多いガソリンエンジン車には乗っておらず、みんな、(当時はまだエコとされていた)ディーゼルエンジン車に乗っていました。
ドイツは日本と同様に自動車大国ですが、その自動車産業が将来にわたって生き残っていくためには環境対策が重要であるという認識が当たり前なっていて、そのためのアクションが徹底されていたのです。
ところが、片や日本では、環境対策はまったく行われていないも同然の状況だったわけです。それに後ろめたさというか、「このままで、自分たちは大丈夫だろうか」という不安をおぼえた私は、そこから“環境オタク”への道を歩み始めることになったのです。
勉強もしました。あるとき、東京商工会議所が主催する『eco検定(環境社会検定試験)』というものに出会い、まず私自身がこれにチャレンジして、2007年に合格しました。それから、社員に「環境のことがよくわかるから」と受験を奨励しました。今では23名の社員のうち12名が検定に合格しています。
そして、社内で毎月1回、環境会議を行い、ごみの分別や廃棄処分などといった自社の環境への取り組みを話し合い、常に問題解決を図っています。
さて、こうした当社の環境への取り組みについてお話ししたのは、『次世代自動車取扱認定店』が持つべき“次世代自動車を扱うココロ”について知っていただきたいからです。
世界がEVにシフトする最大の要因は何でしょうか?
そしてまた、私たち自動車整備業界に身を置くものが、EVをはじめとした電動車の整備・点検に取り組む……つまり、ロータスクラブが『次世代自動車取扱認定店』を推進するのはなぜでしょうか?
その答えは、“環境”です。
CO₂排出量を減らして、この地球を守ることが、絶対に必要なことだからです。
私は、そのことを知らずして、次世代自動車の商売=ソロバン勘定で、EVをはじめとした電動車の整備・点検に取り組んではいけないと思います。
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