ロータスクラブが運営するクルマとあなたを繋ぐ街「ロータスタウン」
みらいのくるまの「ただいまのところ」情報
2022年6月23日更新
湘南地域に住む人々のエコ意識は結構高い。
昔からサーフィンなどのビーチ文化が盛んで、海をはじめとする自然を日常的に大切にしている。
藤沢市のパナソニック工場跡地には広大なスマートタウン『Fujisawa SST』があり、そこでは、すべての住民が太陽光発電で暮らすサステナブルな生活を実践している。
そうした下地があるからだろうか、5月28~29日、藤沢市にある湘南T-SITEの屋外スペースで開催されたイベント『e-Mobility World 2022~湘南発e-Mobilityのある暮らし』(『湘南博』のイベントのひとつ)には、ことさら特別感は漂っていなかった。
イベントの目玉の一つである電動車の試乗会も、ごく普通の試乗会のムード。カップルや家族連れなどが「電動車って、もう当たり前の乗り物だよね」といった感じで会場を訪れていた。
会場にズラリと並んだ
電動の四輪と二輪
イベント会場には、展示車・試乗車としてEV、PHEVのほか、電動バイク、電動アシスト自転車なども数多く並べられていた。
なぜ、こういうラインナップなのか。主催者であるe-Mobility協会の担当者は以下のように語っている。
「クルマの電動化というと四輪のEVばかりにスポットが当たりがち。でも、本当のe-Mobilityがある暮らしはそういうものじゃない。そこには電気で動くバイクや自転車も必ず加わってくる。今回は来場の皆さんにリアルな電動化ライフを体感いただきたいと思い、展示車・試乗車に電動の四輪と二輪のすべてを揃えました」
夏のような日差しの下、多くの来場者がそれぞれ関心ある電動車を眺めて、触れて、積極的に試乗を申し込んでいた。
ほんの数年前まで見られなかった光景。湘南ならではの気質が味方したとはいえ、一般の人たちに電動車が普通のものとして受け入れられつつあることがはっきりと見て取れた。
会場内の片隅には、1週間前に発表されたばかりの三菱自動車の新しい軽EVであるeKクロス EVも展示されていた。
発売前であるためナンバーが取れておらず、試乗はできないが、その外観、内装にじっと見入る人たちが引きも切らずいた。
やはり、100万円代で購入できるEVということで注目度は相当高いようだ。
トークショーで語られた
eKクロス EVへの期待
午後1時からは、会場の建物内で、カーライフジャーナリストのまるも亜希子氏とピーター・ライオン氏(e-Mobility協会副理事長)、河西啓介氏(モータージャーナリスト)の3名がゲストとともに電動車について語り合うトークショーが開催された。
その中のひとつに三菱自動車広報部の丸山剛氏を招いたプログラムがあり、そこでは、やはりeKクロス EVへの期待が多く語られることになった。
「まだ本格的な試乗はできていないけど、駐車場内で少しだけ運転してみた」というまるも亜希子氏は、以下のような言葉でeKクロス EVを評価していた。
「軽自動車だってこと、一瞬で忘れちゃった。加速に余裕があるし、安定感がすごい」
「それから、ガソリン車のeKクロスと室内の広さがほとんど変わらないのにも驚いた。普通、EVはバッテリーをたくさん積むのでスペースが狭くなるものだけど、そういうのがまったくない。とても使い勝手がいいEVだと思った」
ピーター・ライオン氏も、eKクロス EVの本格試乗は未体験だったが、軽のターボエンジン車の約2倍はあるというこの軽EVのトルクにかなりの関心を寄せていた。
「ガソリン車のドッカンターボよりもいい加速をし、走りがスムーズ。これは、eKクロス EVを選ぶ際の大きなポイントになると思う」
なお、ピーター氏は、トークショー全般を通してEVの個性について言及しており、なかなか興味深い内容だった。以下は、その概略である。
「(EVには個性がないといわれるが、そんなことはない)例えば、ヨーロッパや韓国のEVと日本のEVの走りは明らかに違う。ヨーロッパや韓国のEVはアクセルを踏んだ途端にすごい勢いで走り出す。そして、ワンペダルを緩めると完全に停止するようにもなっている。一方、日本のEVは行政側のレギュレーションもあってか、そういうつくりにはなっていない。多くが、わりと穏やかに仕上がっている。とはいえ、そんな中でもメーカーや車種によって個性は異なるわけで……。購入を検討する人は、いろんな国のいろんなEVに試乗してみて、それぞれの違いを実感しながら自分に合った1台を見つけるのがいいと思う」
今、さまざまなEVが市場を賑わすようになったことで、「EVに乗るか否か」ではなく、「どんな個性のEVを選ぶべきか」が話題になってきている。これは、湘南はもちろん、一般的にも見られる傾向だ。やはり、時代は急激に変わりつつあるのである。
『e-Mobility World 2022』レポート
(前編)「エコが普通」の湘南での電動車試乗会。話題のeKクロス EVも顔見せ展示!
(後編)「普通の軽EV」を標榜するeKクロス EV。走りと価格は超スペシャル!
みらいのくるまの「ただいまのところ」情報
表紙のイメージからは想像できないわかりやすさと面白さ。最近出会ったエコカー本のなかでは出色の一冊!中学生でもスイスイと読めるかも『エコカー技術の最前線』とい…
2017.05.29更新
みらいのくるまの「ただいまのところ」情報
トヨタが電動車550万台販売を5年ほど前倒ししたワケとは?トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)は、2015年に公表した『トヨタ環境チャレンジ2050』を、2…
2019.07.09更新
みらいのくるまの「ただいまのところ」情報
まるも亜希子さんは、いくら性能がいいEVでもデザインが悪かったら乗りたくないと考えている。5回シリーズのインタビュー第4回目は、「EVのデザイン」と、そして「コ…
2019.08.06更新
みらいのくるまの「ただいまのところ」情報
いよいよ無人運転が現実化する2023年4月1日に改正道路交通法が施行された。なかでも注目を集めているのが「自動運転レベル4解禁」である。そもそも自動運転は…
2023.04.25更新
みらいのくるまの「ただいまのところ」情報
日本EVフェスティバルの後半の模様と、閉会式についてルポする。コンバートEVレースに加え、自動運転車によるエキシビションレースまで行われ、会場は次世代自動車感…
2018.11.22更新
みらいのくるまの「ただいまのところ」情報
2021年1月、iPhoneでおなじみのアップルが、自動運転で動くEVの生産を目指し、協業できる自動車メーカーを真剣に探しているとの報道があった。これを知った…
2021.10.12更新