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クルマのトラブル「もしも」マニュアル
2021年11月25日更新
【今回の「どういうこと?」ストーリー】
Kさん(60歳・店舗経営)は、パラサイト・シングルの息子(30歳・会社員)を家から追い出すことに決めた。
息子は一応、小さな会社で働いているものの、腰を入れて仕事をするでもなく、遊んでばかりで、ずっと安月給のまま。頑張って昇給させたいとか、真面目に貯金して結婚しようといった姿勢がまったく見られない。それどころか「今月、競馬に資金をつぎ込みすぎて給料がショートしちゃった。お金貸して」などと、何かにつけ親のすねをかじる生活を続けていた。
Kさんは、息子の独立心と野心の醸成を心から願い、別居という手段を選んだ。ライオンは子どもの雄々しい成長を期してあえて崖から落とすという。それになぞらえての決断であった。
だが、その目論みは見事に外れてしまう。そもそも息子の別居先はKさん宅からわずか50メートルしか離れていないアパートの一室。住民票を移し、経済的な援助もしないと取り決めをしたものの、引っ越し翌日から息子はほぼ毎日Kさん宅に夕飯を食べにきた。元の自室に泊まることもしばしばで、こっそり妻に小遣いをねだっている様子もあった。息子の生活ぶりは、以前とほぼ変わらない状態といってよかった。
ある週末の夕食どきには、クルマに関するこんな残念な会話も繰り広げられた。
息子「親父、明日は店が休みだろ? だったらクルマ貸して。野暮用があるんだよ」
Kさん「ふん、どうせ競馬場に行くつもりなんだろ……。引っ越しするときにも伝えたけど、お前はもうオレのクルマは運転できないよ。店のアルバイトのおばさんたちもクルマを使うから運転者の範囲は限定してないけど、自動車保険の年齢条件を35歳以上に変更したから、30歳のお前は運転できないことになっているんだよ。そんなに運転したければ、仕事を頑張って自分でクルマを買いなさい」
息子「ああ、保険の話ね。覚えてるよ。でも、親父の解釈は間違ってるよ。ネットとかでいろいろ調べたんだけど、35歳以上の設定でも、運転者の限定なしなら、別居している子どもはちゃんと補償の対象になるんだってさ。年齢条件はまったく関係ないんだよ」
Kさん「何だって? それは本当か?」
息子「うん。一応、保険会社のお客さま相談にも電話で確認してみたけど、それで間違いないって言ってたよ。だからクルマ貸して」
やれやれ。
親に寄生するためなら、息子はとことん調べる努力を惜しまないようだ。Kさんは、息子の執念に、むしろ感心したのだが、その情熱とエネルギーをなぜ独立して生きていくことに向けられないのかと改めて呆れ、落胆し、深いため息をついたのであった。
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