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クルマのトラブル「もしも」マニュアル
2020年1月14日更新
さて、ここからは前編の事例の中で保険代理店の人が言っていた『車両無過失事故に関する特約(または車両保険無過失事故特約)』について、具体的にお話ししていきたいと思います。
もらい事故のやられ損を救う
『車両無過失事故に関する特約』
『車両無過失事故に関する特約(または車両保険無過失事故特約)』とは、いったいどんな特約なのでしょうか?
ひとまとめにして言うと、こうなります。
〈自分に過失がないもらい事故(過失割合が相手100%:自分0%の事故)によってクルマが被害を受けたとき、なんらかの事情(相手が任意保険未加入で支払い能力がない等)で自分の車両保険を使って修理することになったとしても、車両保険に『車両無過失事故に関する特約』が自動セットになっていればその効力によってノーカウント事故扱いとなり、翌年からの保険の等級ダウン(3等級ダウンあるいは1等級ダウン)と保険料アップという憂き目を見ないで済む〉
なかなかにうれしい内容の特約です。前編に登場したもらい事故で被害を受けたクルマの修理を自分の車両保険で行うことにしたPさんも、この特約によって翌年の等級ダウンと保険料アップを免れることができたのです。
以前は、この『車両無過失事故に関する特約』の付帯は保険会社によって判断が分かれており、任意で付帯するという考えの保険会社も結構ありました。
しかし、今は、ほとんどの保険会社が、この『車両無過失事故に関する特約』を車両保険に自動セットするようにしています(通販型などの自動車保険では例外もあるようです)。
なお、事例の中で保険代理店の人が語っていたとおり、保険会社がPさんに支払った保険金は、後に求償というカタチでおじいさんにまるまる請求されることになります。やさしいPさんからすると、「おじいさん、かわいそう」となるわけですが、まあ、仕方がありません。任意保険に入らないままクルマを運転していて事故を起こしてしまったおじいさんの無責任さが生んだ結果です。きつい言葉でいうなら自業自得。おじいさんが、今後の生活に大きな支障をきたさず支払いが終えられることを祈るばかりです。
古いクルマがもらい事故で全損
……そんなときにもこの特約
ところで、この『車両無過失事故に関する特約』は、加害者がちゃんと任意保険に入っていて、そこから補償を受けられるケースでも、あえて使う場合があります。
それは、たとえば、こんなケースです。
①相手の過失割合が100%のもらい事故に遭い、クルマが全損扱いとなってしまった。
②相手は任意保険に加入してたので、相手の保険(対物損害責任保険)で出る保険金を受け取ることになった。
③しかし、自分のクルマは古い年式であったため支払われる保険金の額が少なかった。
※相手の支払責任は「車両の時価額まで」なので古いクルマだと、自分が思ってもみなかったような金額になってしまうことがある。
④そこで、自分の契約する保険代理店に相談したところ、査定金額に若干の差があり、自分が加入している車両保険の補償の方が金額が大きいことが分かったので、これを受け取ることにした。
⑤この際、車両保険に自動セットされている『車両無過失事故に関する特約』が適用され、新たに購入したクルマにかける自動車保険の等級ダウンを回避できた。
どうでしょう、車両保険に自動セットされている『車両無過失事故に関する特約』、なかなかやるなといった感じじゃないでしょうか?
世の中には、任意保険に加入していても、保険料を安く済ませるために車両保険には加入していないという人がけっこういます。でも、『車両無過失事故に関する特約』が自動セットされた車両保険には、こんなにいいことがいっぱいあります。
逆に、車両保険に未加入だとそうはいきません。未加入の方は、この機会にぜひ加入を前向きに検討してみてください!
それから最後にもう一つ、自動車保険のご加入は、保険代理店としても信頼できる全国のロータス店でぜひ!
相手の過失割合が100%なら、自分の車両保険を使っても『車両無過失事故に関する特約』でノーカウント事故扱いに!(前編)
相手の過失割合が100%なら、自分の車両保険を使っても『車両無過失事故に関する特約』でノーカウント事故扱いに!(後編)
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