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東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)
2018年3月13日更新
山形県は、日本有数の“果物王国”であり、南東部の上山市にもたくさんの果樹園があります。
果物を育てるためには、果樹の剪定や間伐が欠かせませんし、30~40年の寿命をまっとうした果樹は伐採し、植え替えられます。果樹園が多いからこそ生じるこうした間伐材を素材とし、木工製品として生まれ変わらせよう…そんな試みを実践している工房&ショップが『くだものうつわ』です。
2006年8月、上山市で地域おこしの活動を行っていた『上山まちづくり塾』の塾長・鈴木正芳さんとメンバーが、木工デザイナーの時松辰夫さん(大分県で『アトリエときデザイン研究所』を主宰)に出会い、木の器づくりにチャレンジすることになりました。元々鈴木さんは建具職人で、メンバーも木工作業に興味を持っていましたが、木の器づくりには素材を丸く削って仕上げる技術が求められるなど、最初はいくつもの壁がありました。それでも時松さんの指導を受けながら木の器づくりに取り組み、上山の果樹を素材とした、ぬくもりのある木の器を生み出すことに成功します。間伐された果樹を素材とするというこだわりが、『くだものうつわ』というブランドネームに込められています。
その後、2010年4月には、市内の4つの保育園で園児の給食用の器として『くだものうつわ』が採用され、話題となりました。
『くだものうつわ』の素材となる果樹は、地元特産のさくらんぼをはじめ、ラ・フランス、柿、りんご、すもも、くるみなど8~10種で、『上山まちづくり塾』が提携する6軒の農家から提供されています。
これらの素材のうち一種類を使う場合もありますが、いくつかの果樹の寄せ木を使って作る木の器には、より『くだものうつわ』らしさが出ている感じがします。
そうした器の一つが『木の葉皿』です。色や質感の違う果樹の寄せ木を使い、木の葉状の皿に仕上げています。まず、それぞれの果樹の素材を、3cm角ぐらいの細い角材として切り出します。色味の違う角材を木の葉の模様に見えるように並べて貼り合わせ、斜めにカットして、さらに貼り合わせて葉脈を形どります。それを、木の葉の形に削りだし、曲線がなめらかになるように仕上げていきます。食器専用の安全な塗料を5回塗り、木の葉皿ができあがります。一つ一つ素材の組み合わせが違いますし、同じ果樹でも木の色は千差万別(皿の裏側には、使用した果樹の根衣装が印字されています)。だから、『くだものうつわ』は、ひとつとして同じ色や木目のものはない、すべてが完全オリジナルの一品なのです。
山形に旅したら、『くだものうつわ』のお店を訪ね、一つ一つの木の器をじっくり手に取って、自分のお気に入りを選んでみてはいかがでしょう?
【参考価格】
木の葉皿:小(直径約21cm)参考価格4,200円(税別、以下同様)~、中(直径約24cm)参考価格5,500円~、大(直径約26cm)参考価格7,500円~
寄せ木ランチプレート:参考価格7,000円~
楕円プレート:参考価格4,000円~
ボウル:参考価格4,200円~
箸:参考価格1,000円~
名称 | くだものうつわ |
---|---|
住所 | 山形県上山市金瓶字水上6-2 |
電話番号 | 023-672-5861 |
営業時間 | 10:00~17:00 |
定休日 | 年中無休(正月三カ日を除く) |
アクセス | 【車】東北中央自動車道 山形上山ICより約3分、【電車】JR山形新幹線のかみのやま温泉駅よりタクシーで約15分(または、かみのやま温泉駅でJR奥羽本線の山形行きに乗り換え、茂吉記念館前駅で下車。徒歩約20分) |
ホームページ | http://kudamonoutsuwa.org/ |
備考 | ホームページで木の器の通信販売も行っています。 |
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