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赤瓦をまとった日本で唯一の天守閣は独特の存在感を放つ。さまざまな感慨を呼び起こす、会津の歴史を伝える『鶴ヶ城』

2020年10月13日更新

福島県会津若松市の『鶴ヶ城』は、『若松城』、『会津若松城』、『黒川城』と複数の呼び名を持つ、会津の歴史を伝える城です。



1384(至徳1)年、蘆名氏第7代当主の蘆名直盛(あしななおもり)が東黒川館として造営したのが、この城の始まりとされています。1593(文禄2)年には、武将・蒲生氏郷(がもううじさと)が望楼型七重の天守を築くとともに、『鶴ヶ城』と命名。この天守は、1611(慶長16)年に発生した会津地震により倒壊しましたが、その後、再建され、五層となりました。









1868(慶応4)年には戊辰戦争(会津戦争)の舞台となり、新政府軍の砲撃に1ヵ月もの間、耐えたことから「難攻不落」と言われましたが、白虎隊の悲劇とともに開城。明治維新後の1874(明治7)年に、石垣や立樹などを除き、すべて解体されました。

干飯櫓



干飯櫓・南走り長屋



高石垣(扇の勾配)



武者走り



大腰掛け



しかし、1965(昭和40)年に鉄筋コンクリート造りで再建され、2001(平成13)年には干飯櫓と南走長屋が江戸時代の工法・技術を用いて復元されました。さらに2011(平成23)年には、幕末時と同様の赤瓦に葺き替えが行われました。日本各地に多くの城がありますが、赤瓦の天守閣を持っているのは、鶴ヶ城のみです。



鶴ヶ城の敷地は約8万7千坪で、東京ドーム約6個分。一帯は『鶴ヶ城公園』として整備されていて、市民の憩いの場となっています。公園内には、ソメイヨシノや八重桜など約1000本の桜の木が植えられ、開花時期には鶴ヶ城との美しいコラボレーションが楽しめます。





天守閣の内部は、1層から4層までは博物館となっています。層ごとに異なるテーマで、武器や武具、白虎隊画など貴重な資料が展示されています。5層は展望台です。会津の街が360度見渡せ、遠くには白虎隊が自刃した飯盛山が望めます。

天守閣1層



天守閣2層



展望層(北東)



展望層(北西)



鶴ヶ城公園には、千利休の子・少庵(しょうあん)が建てたとされる、福島県指定重要文化財『茶室 麟閣(りんかく)』があります。千利休が豊臣秀吉の怒りに触れて死を命じられ、千家が茶の湯の世界から追放されたとき、茶道への造詣が深かった蒲生氏郷は利休の茶道が途絶えるのを惜しんで少庵を会津にかくまい、徳川家康とともに千家復興を秀吉に働きかけました。そのときに建てたのが麟閣です。鶴ヶ城取り壊しの際、森川善兵衛(指月庵宗久)が自宅へ移築し、1990(平成2)年に鶴ヶ城内の元の場所へ再度移築されました。入園料は、高校生以上210円、中学生以下は無料。天守閣と茶室麟閣との共通券は大人520円。風情ある茶室で、抹茶(600円・お菓子付き)を味わうこともできます。





鶴ヶ城は、会津の人たちにとって、城という存在を超えた郷土のシンボルとも言える存在。会津の地を旅するのであれば、このお城を訪れ、会津に織り成された歴史の重みを実感したいものです。

詳細情報

名称 鶴ヶ城
住所 福島県会津若松市追手町1-1
電話 0242-27-4005(一般財団法人会津若松観光ビューロー)
開場時間 午前8時30分~午後5時(入場は午後4時30分まで)
休館日 無休
天守閣入場料 大人410円、小人150円 ※茶室麟閣との共通券は大人520円 ※障がい者:障がい者手帳提示で本人無料
駐車場 西出丸200台、東口129台、南口35台 ※いずれも有料
アクセス 磐越自動車道会津若松ICから15分
ホームページ http://www.tsurugajo.com/
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