長野県塩尻市の一角にある江戸時代から続く宿場町。懐かしい風情・懐かしい味・懐かしい品が並んでいる！『奈良井宿（ならいじゅく）』

江戸時代の五街道の一つ、中山道。『奈良井宿（ならいじゅく）』は、江戸と京都を結ぶ中山道のちょうど真ん中に位置する宿場町です。南北に1㎞、東西に約200mにわたって広がり、宿場町としては日本で最長レベル。当時は『奈良井千軒』と謳われたほどの威勢を誇り、多くの旅人でにぎわいました。

 

現在もこのエリアには、江戸時代の面影が色濃く残っています。軒を連ねる建物は、二階が少しせり出した独特な造り。くぐり戸や、二階の格子なども風情があります。時代劇で見る風景そのままの貴重な町並みは、1978（昭和53）年に、国の『重要伝統的建造物群保存地区』に指定されています。

目抜き通りには、歴史ある建物を活用した飲食店や土産物店、観光施設などが建ち並んでいます。



名物の手打ちそばが味わえるのは、メニュー豊富な『越後屋』や、二八そばを提供する『そば処 かぎの手』、九割そばの「そば処 相模屋」など8軒。そばの他、地元で採れた山菜の天ぷら等も用意されています。

手軽に味わえる『五平餅』や『おやき』、『団子』のお店もいくつかあります。おやつにを食べながら、散策するのも楽しそう。地元のほう葉を使った素朴な『ほう葉もち』は、ほうの木の葉が大きくなる5月中旬～6月中旬までの季節の味。この季節に訪ねたのであれば味わいたい古里の味です。



お土産も懐かしい品々が並びます。木曽の豊かな森林を背景にした漆器や手作りの木工品がいろいろあり、それぞれに魅力的。各店に並ぶのは、『木曽漆器』や『曲物（まげもの）』といった職人技が光る逸品。箸やお椀、お弁当箱など、ずっと使い続けたくなる一品が見つかるかも知れません。

もちろん、旅館や民宿もあります。創業220年を超える老舗『旅館ゑちごや』や、街道時代は油屋だったという『旅館あぶらや』は、外観も室内も昭和やそれ以前の時代にタイムスリップしたかのような情緒を醸しています。



1840年ころに建てられた、櫛問屋の屋敷『中村邸』は一見の価値あり。奈良井の町家の典型的な造りの家屋が当時のまま残っていて、内部には漆櫛も展示されています。見学するには入館料が必要で、高校生以上300円（中学生以下は無料）。4月～11月は無休ですが、12月～3月は毎週月曜日の他、休館日があるので事前に確認しましょう（電話0264－34－2655）。





宿場町を巡り歩くなら、観光ガイドの方に案内してもらうとさらに興味が深まります。ガイド1名（1時間以内・20名までOK）の案内で、料金は1500円です。ホームページ（https://www.naraijuku.com/guide/）から予約ができます。





2016（平成28）年に『日本遺産』として認定された“木曽路”。その木曽路を旅するとき、地元の人たちの人情が生き続ける宿場町『奈良井宿』はぜひ訪れたい場所です。

詳細情報

名称	奈良井宿
住所	長野県塩尻市奈良井
電話	奈良井宿観光案内所　0264-34-3160
アクセス	中央自動車道塩尻ICから35分。同じく伊那ICから40分
駐車場	〈無料駐車場〉木曽の大橋 東駐車場（12台）・西駐車場（51台）、道の駅奈良井宿駐車場（28台）、その他に有料駐車場あり
ホームページ	https://www.naraijuku.com/