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関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川)
2017年9月26日更新
奥日光の中禅寺湖畔は、明治時代に避暑地として注目されるや、多くの外交官や大使館の別荘が建てられ、「夏は外務省が日光に移る」とまで言われる活況を呈しました。
その発端を成したと言われるのが、英国の外交官として明治の日本に大きな影響を与えたアーネスト・サトウです。若き日に英国公使館の通訳として来日した彼は、明治維新の現場に英国側の実務者として関わっただけでなく、「明治維新の原型になるような一文」ともされる『英国策論』を著し、近代日本の骨格形成にも影響を及ぼしました。そして、後には駐日公使を務め、計25年間にも渡る日本滞在を通じて世界に日本を紹介しました。
アーネスト・サトウは、奥日光の豊かな自然と、美しい中禅寺湖の風景を愛し、1896(明治29)年に湖の南岸に個人別荘を建てました。後に、彼は日本を紹介する英文のガイドブックを多数著し、その一つ『日光案内』で自身が愛してやまない日光の姿を外国に紹介しています。
サトウの別荘は、後に英国大使館別荘となり、2008(平成20)年まで利用されました。その後、2010(平成22)年に栃木県へ寄贈され、改修・復元が加えられ、2016(平成28)年7月1日に『英国大使館別荘記念公園』として開園しました。
施設館内では、奥日光の国際避暑地としての歴史や英国文化についての展示を行っています。
1階には、アーネスト・サトウの次男・武田久吉博士(植物学者、日本山岳会の発起人の一人、「尾瀬の父」とも呼ばれる)が英国留学中に父から贈られたアンティークの書棚や机、その他の遺品などが竹田博士の娘である林静江氏から寄贈され、展示されています。アーネスト・サトウは日本滞在時に武田兼(たけだ かね)を内縁の妻とし、長女(幼い頃病死)と2人の息子をもうけました。当時の時代背景と外交官という立場上、家族と公に暮らすことはありませんでしたが、終生生活費を家族に送り、500通もの手紙を妻に宛てて送っていたそうです。そのようなアーネスト・サトウの人間性が偲ばれます。
2階はアーネスト・サトウが活躍したのと同時期、英国・ビクトリア朝時代の文化・工芸などについての展示があります。
また、2階に設けられた『Tea Room 南4番Classic』では、駐日英国大使館から寄贈されたアンティーク家具の置かれた優雅な空間で、本場ならではのアフタヌーンティーを楽しめます。
ここで提供されるメニューは、英国大使館の指導のもと、大使館と同じレシピと材料で作られているのだそうです。紅茶にクロテッドクリーム・ジャムをつけたスコーンを味わうもよし、あるいは『大使館のチョコレートケーキ』をチョイスするもよし!ちなみに、ティールームの器は、英国のクラフトマンシップが息づくバーレイ社の陶磁器です。
眼前に広がる四季それぞれの中禅寺湖畔の風景を静かに眺めつつ、心豊かな人生への思いをかみしめる・・・そんな一時を、どうぞ!
名称 | 英国大使館別荘記念公園 |
---|---|
住所 | 栃木県日光市中宮祠2482 |
電話番号 | 0288-55-0880 (栃木県立日光自然博物館) |
営業期間 | 【2017年】4月1日~11月30日 |
開館時間 | 午前9時~午後5時(4月及び11/11~11/30は午前9時~午後4時) |
休館日 | 4月/11月の月曜日(祝日の場合は翌日) |
観覧料 | 大人200円、小人(4歳~中学生)100円 ※『イタリア大使館別荘記念公園』との共通観覧券:大人300円、小人(4歳~中学生)150円 |
アクセス | 日光宇都宮道路清滝ICから歌ヶ浜駐車場まで約35分(宇都宮ICからは約50分)→歌ヶ浜駐車場から徒歩約10分、JR日光線日光駅・東武日光線日光駅から東武バス中禅寺温泉または湯元温泉行きで約45分「中禅寺温泉」で下車徒歩約30分、半月山行き(季節運行)で約5分『イタリア・英国大使館別荘記念公園入口』下車徒歩約5分(バス運行は要確認/東部バス日光㈱日光営業所0288-54-1138) |
駐車場 | 歌ヶ浜駐車場約100台、無料 |
ホームページ | http://www.nikko-nsm.co.jp/ |
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