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北海道
2017年11月9日更新
北海道の道東に位置するオホーツク地方。阿寒国立公園、知床国立公園や網走国立公園など、北海道を旅したら誰もが訪れてみたい大自然の宝庫です。そしてまた、その大自然が育んだオホーツクサーモンなどの魚介類の美味しさは折り紙つき!です。
さて、そうしたオホーツクの海の幸と、北の大地の野菜を具材とした平成生まれのご当地鍋料理が『網走モヨロ鍋』です!
まずは、この鍋の由来をご紹介しましょう。
そもそもモヨロは網走市にある『モヨロ貝塚遺跡』にちなんでいます。モヨロとは、アイヌ語で「入江の内・入江内の場所」という意味で、貝塚の発見された場所を、アイヌの人たちがモヨロ・コタンと呼んでいたのです。モヨロ貝塚遺跡は、アマチュア考古学研究家米村喜男衛(よねむらきおえ)が1913(大正2)年に発見した遺跡で、縄文文化ともアイヌ文化とも異なるオホーツク文化の遺跡です。モヨロ人(オホーツク人)についてはいまだに謎が多く残されていますが、約1,000年前までオホーツク海沿岸で暮らし、鉄の道具などで海獣を狩猟し、竪穴式の住居で土器を使用していたと考えられます。
『網走モヨロ鍋』は、モヨロ貝塚遺跡から出土した土器に特徴的な紋様や動物の絵柄を施した特製の鍋を使用して作られます。
そして、もう一つの由来要素が“冷凍すり身”です。今や、多くの料理に使われている海産物の練り物。これほどまでに普及するにあたっては、1959(昭和34)年に、網走市において北海道立水産試験場(当時)の研究者グループが、スケトウダラ資源の利用開発研究を行い、水産練り製品の原料としての『無塩冷凍すり身』を開発したことが大きなエポックになっています。そのため、網走には一般社団法人全国すり身協会の本部・研究所があります。
平成17年に、網走のホテル旅館の方々が、オホーツク文化モヨロ人の遺跡から出土された土器をモチーフに、魚介類をふんだんに盛り込んだ、塩味ベースの鍋を創作しました(元祖モヨロ鍋は、『温泉旅館もとよし』の宮本社長が創っています)。
現在では、宿泊客に、懐石の一品に小鍋のモヨロ鍋を提供する宿も多くあります。街中の飲食店でも、予約制ではありますが、各店工夫を凝らしたそれぞれの鍋を食べることができます。キンキ鍋であったり、タラやカラフトマスなど具材は多岐に渡りますが、オホーツク文化の貼り付け文様土器鍋でいただく『モヨロ鍋』には物語を感じます。
●「網走モヨロ鍋」10ヶ条
其の一 名称は「網走モヨロ鍋」とする
其の二 鍋は、指定の鍋をつかう
其の三 オホーツクサーモン(カラフトマス)を使用すること
其の四 スープはオホーツク塩を使用した塩味をベースとする
其の五 白魚醤油を使用すること
其の六 すり身をいれること
其の七 地元の貝をいれること
其の八 地元の野菜を使うこと
其の九 共通ののぼり及び店内ポップを使用すること
其の十 謎のオホーツク人をイメージさせるようなテーマとすること
(各店とも鍋の具材は旬の素材を使用するため季節により異なります。)
名称 | 網走モヨロ鍋 |
---|---|
問合せ連絡先 | 一般社団法人網走市観光協会(北海道網走市南3条東4丁目、電話番号:0152-44-5849、E-mail:info@abakanko.jp) |
協会ホームページ | http://www.abakanko.jp/food/moyoronabe.html |
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