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中京(静岡、愛知、岐阜、三重)

きっと誰もがあたたかく、豊かな気持ちになれる!染色の世界に花開いた芹沢作品を公開する『静岡市立芹沢銈介美術館』

2017年9月12日更新

弥生時代の集落や水田遺跡として全国的にも知られ、国の特別史跡に指定されている、静岡県の『登呂遺跡』。JR静岡駅南口から南東2㎞ほどに位置し、現在は登呂公園として整備されていて、住居などが復元されているほか、静岡市立登呂博物館が建てられています。
その登呂博物館に隣接して、『型絵染(かたえぞめ)』で重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された、故・芹沢銈介の作品を収蔵・展示する『静岡市立芹沢銈介美術館』があります。

芹沢銈介美術館館外写真

芹沢銈介美術館館内写真
20世紀の日本を代表する工芸家として内外から高く評価され、また民藝運動の主要な参加者でもあった芹沢銈介は、1895(明治28)年静岡市に生まれました。芹沢は東京高等工業学校(現・東京工業大学)工業図案科卒業後、生涯の師である柳宗悦と、沖縄の染物である紅型(びんがた)に出会ったことをきっかけに、型染を中心とした染色の道を歩み始めます。1930(昭和5)年頃から型染を始めた芹沢は、最晩年まで半世紀以上にわたってこれを極め、1956(昭和31)年には『型絵染』で重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されました。芹沢は色彩と模様に関する天与の才能を発揮し、従来の染色の枠組みにとらわれない、新鮮で創意あふれる作品を次々と制作しました。

芹沢銈介(1980年3月14日 望月康撮影) 「静岡県立芹銈介美術館蔵」

芹沢銈介(1980年3月14日 望月康撮影) 「静岡県立芹銈介美術館蔵」



芹沢が創作した模様の意匠は、文字、植物、人物、風景、幾何学模様などさまざまですが、初期から晩年に至るまで、明解で親しみやすい作風は一貫しています。創作対象は、着物、帯、のれん、屏風、額絵、絵本など多岐にわたりました。また染色にとどまらず、本の装幀、ガラス絵、板絵、赤絵(陶器の絵付け)、看板や照明のデザイン、美術館の設計(大原美術館工芸館)など、実に幅広い分野で活躍しました。現在『静岡市立芹沢銈介美術館』には、芹沢作品が800点収蔵されており、国内外から多くの染色ファンが訪れています。

芹沢銈介作「四季曼荼羅図二曲屏風」(1971) 「静岡県立芹銈介美術館蔵」

芹沢銈介作「四季曼荼羅図二曲屏風」(1971) 「静岡県立芹銈介美術館蔵」



工芸家としてだけではなく、芹沢は、生前から世界の工芸品の収集を熱心に行ったことも知られています。様々なジャンル、時代、国籍のものが含まれ、個人のコレクションとしては厖大な量で、収集品は戦後収集したものだけでも6000点以上にのぼるといわれています。『静岡市立芹沢銈介美術館』には、そのうち4500点が収蔵されており、芹沢作品と併せて順次公開されています。

芹沢銈介作「津村山々文着物」(1967) 「静岡県立芹銈介美術館蔵」

芹沢銈介作「津村山々文着物」(1967) 「静岡県立芹銈介美術館蔵」



芹沢銈介作「寿の字のれん」(1974) 「静岡県立芹銈介美術館蔵」

芹沢銈介作「寿の字のれん」(1974) 「静岡県立芹銈介美術館蔵」



「芹沢作品にちなんだお土産を」という方は、館内の売店に立ち寄ってみてください。美術館発行の図録や芹沢作品のポストカードはもちろんのこと、芹沢作品をモチーフにした商品(のれん、ハンカチ、巾着、コースターなどの小物まで)など幅広い商品を取り扱っています。

芹沢銈介美術館館売店1

芹沢銈介美術館館売店2

芹沢銈介美術館館売店3

詳細情報

名称 静岡市立芹沢銈介美術館
住所 静岡県静岡市駿河区登呂5-10-5
電話番号 054-282-5522
開館時間 午前9時~午後4時30分
休館日 毎週月曜日、祝日の翌日、展示替期間中(年3回)、年末年始
観覧料 一般420円、高校生・大学生250円、小学生・中学生100円、未就学児無料
アクセス JR東海道本線静岡駅下車~静岡駅南口、しずてつジャストライン22番乗り場から「登呂遺跡」行き乗車~終点「登呂遺跡」下車(約12分)、東名高速道路静岡ICより約10分
駐車場 登呂遺跡南側の駐車場(利用時間8時30分~17時)51台 普通乗用車400円(一日)、大型バス1,500円(一日)
ホームページ http://www.seribi.jp/
芹沢銈介美術館売店 TEL:054-282-6803
URL:http://seribi-shop.jp/
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