世界でただ一つ、ルーブル美術館が認める姉妹館「ルーブル彫刻美術館」

2024年6月28日更新

世界最大級の美術館として知られる、フランス・パリの「ルーブル美術館」。その名を冠した三重県津市の「ルーブル彫刻美術館」は、ルーブル美術館から正式に許可を得ている世界でただ一つの姉妹館です。

館内には、ルーブル美術館が所蔵する彫刻作品の復刻作品約1300点が展示されています。単なる復刻作品ではなく、ルーブル美術館の技術者たちの手により、すべて実物から型を取って作製したもの。原寸大であるのはもちろん、小さな傷なども細かく写し取られています。

ロゼッタストーン（大英博物館所蔵）

開館したのは、1987（昭和62）年12月。昭和40年代に、真言宗の大僧正でもあった創立者の竹川勇次郎氏がフランスを訪れた際、ルーブル美術館で「ミロのビーナス」を観て感動したことがすべての始まりでした。これを機に、竹川氏は「日本でもルーブル美術館の作品を観られるようにしたい」と熱望。なんと17回も渡仏して交渉を重ねた結果、許可を得ることができ、私財を投じて実現させました。

館長室にて承認時、左ルーブル美術館館長ユベール・ランデ氏右当館初代館長竹川勇次郎

館内には、ルーブル美術館を代表する「ミロのビーナス」、勝利の女神像「サモトラケのニケ」のほか、ミケランジェロ作の「モーゼ」や、ロダン作の「考える人」など、数々の彫刻が立ち並び、見応え満点です。

ミロのビーナス

サモトラケのニケ

ルーブル美術館の作品のみならず、カイロ博物館や大英博物館、メトロポリタン美術館、ベルリン博物館が所蔵する作品の復刻作品もあります。

ルーブル彫刻美術館の運営は、同じ敷地内の真言宗別格本山・大観音寺が行っていることから、巨大な「十一面千手千眼観世音菩薩座像」をはじめとする仏像彫刻も展示されています。

千手観世音菩薩

美術館には珍しく、館内の撮影が許されているのもポイント。

復刻作品とはいえ、ルーブル美術館と同様の作品を鑑賞できるのは、世界でもここだけ。パリではなく三重県津市へ、アートを観に出かけませんか。

※節電および温暖化対策により館内温度を28度に設定しているため、公式ホームページには「真夏日の見学はおすすめしておりません」との記載があります。ご注意ください。

詳細情報

名称	ルーブル彫刻美術館
住所	三重県津市白山町佐田東谷1957
電話	059-262-1111
開館時間	午前9時30分～午後5時（入館は午後4時30分まで）
休館日	年中無休
入館料	大人（高校生以上）：1500円、65歳以上・学生：1000円、小・中学生：800円、小学生未満：無料
駐車場	80台
アクセス	伊勢自動車道久居ICから約20分、名阪国道上野東ICから約45分
ホームページ	https://www.louvre-m.com/