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10分の1サイズの戦艦『大和』を展示。『回天』や特攻乗組員の遺書など「平和学習の場」としても学びが多い『呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)』

2017年9月26日更新

広島県呉市は、歴史の中に“造船のまち”として記憶されています。戦前は、日本一の海軍工廠のまちとして、戦艦『大和』を建造。戦後は、世界最大のタンカーを数多く建造し、世界一の造船国へ発展した昭和期の日本を支えました。
『呉市海事歴史科学館』は、造船や鉄鋼などの産業と、軍港の街として発展した明治期以降の呉市の歴史・文化を未来に伝える博物館です。別名『大和ミュージアム』と呼ばれ、正式名称よりもこちらで知る人の方が多いようです。

大和ミュージアム 提供:大和ミュージアム

大和ミュージアム 提供:大和ミュージアム



大型資料展示室 提供:大和ミュージアム

大型資料展示室 提供:大和ミュージアム



零式艦上戦闘機62型 提供:大和ミュージアム

零式艦上戦闘機62型 提供:大和ミュージアム



多くの観光客を集める目玉展示は、10分の1サイズの戦艦『大和』です。全長26.3メートル、全幅3.89メートル。10分の1とは言え、その姿はかなりの迫力です。この10分の1サイズの戦艦『大和』は、残されていた設計図や写真、潜水調査水中映像などをもとに、可能な限り詳細に再現したものだそうです。戦艦『大和』については、その誕生から最後までの記録、技術的な解説、あるいは最後の沖縄特攻の際の乗組員の遺書や家族への手紙などの資料も展示されています。(「平和学習の場」として、戦没者の遺品などの歴史的資料が展示されているのです)

10分の1戦艦「大和」 提供:大和ミュージアム

10分の1戦艦「大和」 提供:大和ミュージアム



また、呉の歴史を解説する展示コーナーでは、1889(明治22)年の呉鎮守府に端を発する海軍工廠としての発展と、太平洋戦争に中での呉の位置付け、そして戦後の平和産業港湾都市としての再出発と発展などが語られています。

呉の歴史展示室 提供:大和ミュージアム

呉の歴史展示室 提供:大和ミュージアム



その他、1階の大型資料展示室には、九三式魚雷・二式魚雷、特攻兵器として知られる『回天』十型(試作型)、特殊潜航艇『海龍』、零式艦上戦闘機六二型、各種砲弾などが淡々と展示されています。
また、実物の潜水調査船である『しんかい』の屋外展示など、戦後の海事史についての展示物も充実しています。

人間魚雷「回天」 提供:大和ミュージアム

人間魚雷「回天」 提供:大和ミュージアム



特殊潜航艇「海龍」 提供:大和ミュージアム

特殊潜航艇「海龍」 提供:大和ミュージアム



2階は吹き抜けの空間で、10分の1サイズの戦艦『大和』を見下ろせるようになっています。

10分の1戦艦「大和」 提供:大和ミュージアム

10分の1戦艦「大和」 提供:大和ミュージアム



3階の展示は、『船をつくる技術』をメインテーマにしています。操船シミュレーターのほか、船をつくる技術につながる科学的な原理を試すことのできる体験型装置、波の性質を学べる実験水槽があり、科学の不思議を体験するサイエンスショーや工作教室で楽しむこともできます(開催日程はホームページなどを確認のこと)。
さらに、『未来へ』のコーナーでは、地球深部探査船『ちきゅう』や小惑星探査機『はやぶさ』の活動の紹介などがされ、地球や宇宙に関する科学技術の今後への期待が描かれています。

船をつくる技術展示室 操船シミュレーター 提供:大和ミュージアム

船をつくる技術展示室 操船シミュレーター 提供:大和ミュージアム



船をつくる技術展示室 ブロックゲーム 提供:大和ミュージアム

船をつくる技術展示室 ブロックゲーム 提供:大和ミュージアム



4階には、『ライブラリー』が設けられており、船に関する書籍や資料を閲覧できるほか、館が収蔵している写真や図面をパソコンで見ることもできます。さらに展望テラスに出れば、呉の港湾を一望できます。

テラス 提供:大和ミュージアム

テラス 提供:大和ミュージアム



そしてもう1ヵ所立ち寄りたいのが、1階にある『ミュージアムショップやまと』です。戦艦『大和』の模型やキャップやTシャツなども人気ですが、大和ミュージアム限定パッケージの『海軍さんのカレー』(854円)も人気だとか。ぜひお試しあれ!

ミュージアムショップ 提供:大和ミュージアム

ミュージアムショップ 提供:大和ミュージアム

詳細情報

名称 呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)
住所 広島県呉市宝町5番20号
電話番号 0823-25-3017
営業時間 午前9時~午後6時(入場は午後5時30分まで)
定休日 曜日(火曜日が祝日の場合は翌日休館) ※4月29日~5月5日、7月21日~8月31日、12月29日~1月3日は無休
料金(常設展) 一般(大学生以上)500円、高校生300円、小・中学生200円 ※未就学の幼児は無料
※企画展への入場は別途観覧料が必要
アクセス 車:山陽自動車道 広島東JCTから約35分/山陽自動車道 高屋JCTから約55分、電車:JR呉駅から自由通路経由で徒歩約5分、フェリー:呉中央桟橋から徒歩約1分
駐車場 285台(有料、1時間100円)
ホームページ http://yamato-museum.com/
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