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達人に訊く(76)BYD社製電気バスを導入したのは、品質の高さに“大感動”したからです。

2022年1月13日更新

今月の達人
協同/協同バス・鈴木貴大 [第2回]

達人に訊く_協同バス_top

㈱協同/㈱協同バス社長の鈴木貴大さんは、電気バスには興味があったが、中国製品にはあまり良いイメージを持っていなかった。ところが短期間のうちに、BYD社製の電気バスの導入を決めた。その理由は、日本で開催されたBYDのセミナーに参加して心が動き、中国深圳市にあるBYD本社を訪れて偏見がすっかり晴れたからだという。

第2回目は、「BYD社製電気バスについての評価がマイナスからプラスに大きく変わった理由」について語ってもらった。

東京開催のセミナーで
BYD社を見直す

——改めて、中国BYD社の電気バスを導入することになった詳しい経緯を教えてください。

鈴木 2019年春のことですが、インターネットのニュースに中国のBYDという会社の日本法人が、日本で電気バスを積極的に売り出すという記事が載っていたんです。そこには東京で業者相手にセミナーを開催するとも書いてありました。ただ、先ほどお話ししたように、当時の私は中国製品に対して懐疑的だったので、その記事を読んだときも、「どうせ大したことない電気バスを売るんだろう」と思いました。とはいえ、CNGバスの環境性能面でのアドバンテージが少なくなって、次の切り札となるのは電気バスではないかと考えていた矢先のことだったので、とりあえず話だけでも聞いてみようと、セミナーに参加することにしたんです。

——期待しないままセミナーに参加したわけですね?

鈴木 そうです。で、実際にセミナーで話を聞くと、当たり前ですけど、いいことばっかり言うわけです。「自社の電気バスはどこよりも優れている」とかなんとか……。聞いている私としては「実際はどうなんだ?」という気持ちが強くなる一方だったので、質疑応答のときに専門的な質問をいっぱ
いぶつけたんです。「ボロを出してやろう」くらいの勢いでね。

——どんな反応だったんですか?

鈴木 それが、まったく予想外の反応だったんです。彼らは、たじたじになってはいたけれど、難しい質問にも一所懸命に答えてくれた。しかも、セミナー終了後には、代表者と何人かの技術者が私のところに来て、「いろいろ質問ありがとうございました。もう少し詳しくお話しさせてください」と熱心に説明してくれました。私は、自分が持っている中国企業のイメージと随分違うぞと思い、結構感心しちゃったんですよね……。

——それでBYD社についてのイメージが変わったのですか?

鈴木 いや、やる気があるのはわかりましたが、信用するまでではありませんでした。それが覆ったのは、後にBYD社に誘われて中国深圳市にあるBYD本社を訪れてからです。そのときに、いろんなものを見て、ネガティブなイメージがすっかりなくなった。それどころか、もう大ファンになっちゃったんです(笑)。

日本での報道内容とは違う
中国の交通社会に驚く

②鈴木社長_2-1

——中国深圳市にあるBYD本社で、いったい何を見て心変わりしたのでしょうか。とても気になります。

鈴木 まず、深圳市の街の美しさに驚きました。中心部は東京よりも都会的なんですが、道がとても綺麗で、ビルの上には透き通った青空が広がっていた。

——中国の都市はスモッグだらけというイメージがありますけど、そうではなかったのですね?

鈴木 そうなんです。どうしてこんなに綺麗なんだろうと思ったわけですが、大きな要因のひとつとして、2万2000台のタクシーと1万7000両のバスがすべて電動車になっているということがあった。さすがにマイカーの電動化はまだまだでしたが、公共交通はほぼ排気ガスを出さない電動車になっていて、綺麗な交通社会が実現されていたんです。

——公共交通のほとんどが電動化ですか。

鈴木 モビリティの電動化という側面で見れば、中国の進化は日本で報道されている以上でした。私は、メディアに騙されていたなと思うと同時に、日本の電動化への著しい遅れをリアルに感じ取り、「このままじゃ、日本、やばいよ」と思いましたね。

②深圳市の風景

深圳市の風景



見て、聞いて、触れて
BYD社の実力に大感動

——BYD本社の印象はどうだったんでしょう。

鈴木 もう、「筆舌に尽くしがたい」という表現がぴったりなほどに、ものすごく近代的で立派な会社と工場に打ちのめされました。例えば、広い工場内に自社でつくった小型のモノレールが走ったりしているんですよ。そして、働いている人たちも非常に真面目で熱心。すべてが想像の域を遙かに超えるレベルの高さでした。

BYD本社外観

BYD本社外観



BYD_構内モノレール

BYD本社の構内を走るモノレール



——会社や工場も、日本で報道されているイメージとはかけ離れていたのですね。

鈴木 ええ。BYD社が世界有数のバッテリーメーカーであることは知っていましたが、現地に行ってそれだけではないことがわかりました。バッテリービジネスの勢いを借りてスマホ、PC、電動工具といった小さなものから、クルマ、バス、モノレールといった大きなものまで、我々にとって身近な電動製品のほとんどを製作するようになっていた。そして、どれも大量に海外に輸出されていて、安心して使われる品質を保っている……。ショールームに展示されている製品を手に取ったり、EVに試乗させてもらったりしましたが、「日本のモノづくりはもう敵わないかもしれない」と思うほどよくできていた。

BYD_EVの充電



——肝心の電気バスの品質はいかがでしたか?

鈴木 街を走っているBYD社製の電気バスと送迎用の電気バスにも乗り、それらがとても快適だったので、品質に関してはほぼ間違いないとの確信が持てました。実は耐久性に一抹の不安を感じていたんですが、既にBYDの電気バスがアメリカ、イギリス、ブラジル、オーストラリア、チリ、マレーシアなど、環境が異なるさまざまな国で何万台も走っているという事実を教えられ、さらに深圳市交通局の整備工場を見学して、そこで働くメカニックにも話を聞いて、耐久性も問題がないだろうと結論付けました。それで、私は気づいたらBYD社製電気バスの大ファンになっていました。だから、導入を決意するのに、そう長い時間はかかりませんでしたね。

深圳市交通局の整備工場

深圳市交通局の整備工場



——最初に導入した電気バスは、コミュニティバス用ですか?

鈴木 いえ、最初の電気バスはコミュニティバス用の小型バスではなく、スクールバス用の大型バスでした。環境意識が高い女子高校に送迎バスとして採用していただき、それで初の電気バスの運用がはじまったんです。―― つづく

[第1回]環境時代に対応するため、まずは天然ガスで走るCNGバスを導入しました。

[第2回]BYD社製電気バスを導入したのは、品質の高さに“大感動”したからです。

[第3回]電気で走る脱炭素のコミュニティバスは地域の方々から大きな支持を得ています。

[第4回]運転手と整備士にもやさしい電気バス。会社を明るい未来に導く頼れる相棒です。

お店紹介
協同グループ:埼玉県において自動車運送事業および自動車販売・整備事業を行う企業グループ。グループは、バス事業株式会社協同バス、整備事業の株式会社協同、貨物運送事業の大同貨物自動車株式会社から構成される。1978(昭和53)年4月15日の設立。「みなさまを笑顔にする」ことをサービスの基本として、埼玉県地域の交通インフラの一翼を担う。CNGバスに始まり、中国製電気バスの日本国内への受け入れなど、エコロジカルな交通社会の実現を積極的に図ってきた。株式会社協同は、一般向け乗用車の販売・整備を行うほか、CNGバス・電気バスなど大型車両の改造・整備も行っている。

達人に訊く_協同バス_店舗達人に訊く_協同バス_工場

《株式会社協同》
住所:埼玉県行田市佐間1-27-49
電話:048-554-2254(代)
HP(協同グループ):http://www.kyodo-g.co.jp

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