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2022年2月10日更新
今月の達人
協同/協同バス・鈴木貴大 [第2回]
㈱協同/㈱協同バス社長の鈴木貴大さんは、電気バスには興味があったが、中国製品にはあまり良いイメージを持っていなかった。ところが短期間のうちに、BYD社製の電気バスの導入を決めた。その理由は、日本で開催されたBYDのセミナーに参加して心が動き、中国深圳市にあるBYD本社を訪れて偏見がすっかり晴れたからだという。
第2回目は、「BYD社製電気バスについての評価がマイナスからプラスに大きく変わった理由」について語ってもらった。
東京開催のセミナーで
BYD社を見直す
——改めて、中国BYD社の電気バスを導入することになった詳しい経緯を教えてください。
鈴木 2019年春のことですが、インターネットのニュースに中国のBYDという会社の日本法人が、日本で電気バスを積極的に売り出すという記事が載っていたんです。そこには東京で業者相手にセミナーを開催するとも書いてありました。ただ、先ほどお話ししたように、当時の私は中国製品に対して懐疑的だったので、その記事を読んだときも、「どうせ大したことない電気バスを売るんだろう」と思いました。とはいえ、CNGバスの環境性能面でのアドバンテージが少なくなって、次の切り札となるのは電気バスではないかと考えていた矢先のことだったので、とりあえず話だけでも聞いてみようと、セミナーに参加することにしたんです。
——期待しないままセミナーに参加したわけですね?
鈴木 そうです。で、実際にセミナーで話を聞くと、当たり前ですけど、いいことばっかり言うわけです。「自社の電気バスはどこよりも優れている」とかなんとか……。聞いている私としては「実際はどうなんだ?」という気持ちが強くなる一方だったので、質疑応答のときに専門的な質問をいっぱ
いぶつけたんです。「ボロを出してやろう」くらいの勢いでね。
——どんな反応だったんですか?
鈴木 それが、まったく予想外の反応だったんです。彼らは、たじたじになってはいたけれど、難しい質問にも一所懸命に答えてくれた。しかも、セミナー終了後には、代表者と何人かの技術者が私のところに来て、「いろいろ質問ありがとうございました。もう少し詳しくお話しさせてください」と熱心に説明してくれました。私は、自分が持っている中国企業のイメージと随分違うぞと思い、結構感心しちゃったんですよね……。
——それでBYD社についてのイメージが変わったのですか?
鈴木 いや、やる気があるのはわかりましたが、信用するまでではありませんでした。それが覆ったのは、後にBYD社に誘われて中国深圳市にあるBYD本社を訪れてからです。そのときに、いろんなものを見て、ネガティブなイメージがすっかりなくなった。それどころか、もう大ファンになっちゃったんです(笑)。
日本での報道内容とは違う
中国の交通社会に驚く
——中国深圳市にあるBYD本社で、いったい何を見て心変わりしたのでしょうか。とても気になります。
鈴木 まず、深圳市の街の美しさに驚きました。中心部は東京よりも都会的なんですが、道がとても綺麗で、ビルの上には透き通った青空が広がっていた。
——中国の都市はスモッグだらけというイメージがありますけど、そうではなかったのですね?
鈴木 そうなんです。どうしてこんなに綺麗なんだろうと思ったわけですが、大きな要因のひとつとして、2万2000台のタクシーと1万7000両のバスがすべて電動車になっているということがあった。さすがにマイカーの電動化はまだまだでしたが、公共交通はほぼ排気ガスを出さない電動車になっていて、綺麗な交通社会が実現されていたんです。
——公共交通のほとんどが電動化ですか。
鈴木 モビリティの電動化という側面で見れば、中国の進化は日本で報道されている以上でした。私は、メディアに騙されていたなと思うと同時に、日本の電動化への著しい遅れをリアルに感じ取り、「このままじゃ、日本、やばいよ」と思いましたね。
深圳市の風景
BYD本社外観
BYD本社の構内を走るモノレール
深圳市交通局の整備工場
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