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「東京モーターショー2017」ルポ(3) 三菱は小型車からSUVまでEV化をめざす!

2017年11月14日更新

★三菱ブース2web

第45回東京モーターショー2017のルポ第三弾では、ロータスクラブの提携企業である三菱自動車のEVへの取り組みと、そのコンセプトカーについて紹介していきたい。

EVコンセプトカーが
個性化したワケ

今回のモーターショーで各メーカーが個性的なEVコンセプトカーを発表するに至ったわけは、二つほど考えられる。

ひとつは、EVが技術的に進化してきたので、いろんなクルマ(走り)のバリエーションが提案できるようになったということ。もうひとつは、EVが普通にユーザーに受け入れられる存在になってきたことから、これから生まれるであろう「こんなデザインのクルマに乗りたい」「あんな用途で使えるクルマがほしい」という多様なニーズに応える必要がでてきたということ、である。

とくに、2009年に世界初の量産EVであるアイ・ミーブを発売し、かつSUVをはじめとする個性的なクルマづくり得意としてきた三菱自動車が発表したEVコンセプトカーを目の当たりにして、そういうことが否応なく意識された。

つぎの100年への
最初のe-VOLUTION

モーターショーの一般公開に先立って行われたプレスデーの朝、EVコンセプトカーであるe-VOLUTION CONCEPTが登場する直前のステージ上では、益子修CEOが三菱自動車の今後のクルマづくりの姿勢と方向性を明らかにするプレゼンテーションを行った。

「三菱のクルマづくりはことしで100周年。つぎの100年に向けてブランドをリニューアルします。Drive your Ambition(編集部訳:あなたの熱い想い、志をドライブさせる)。これまで培ってきた技術にさらに磨きをかけるとともに、新しい価値を提供することで、よりゆたかなクルマ社会を実現させていきます。行動範囲を広げたい、さまざまなことに挑戦したい、そのような志をもったお客さまをサポートしつづけます」

三菱自動車の益子修CEO

三菱自動車の益子修CEO



益子CEOの口から直接「e-VOLUTION CONCEPT」の名前はでてこなかった。しかし、以下の言葉で、その存在と特性をほのめかし、会場の期待感を煽った。

「わたしたちの強みはSUVにあります。そして他社に先駆けて電動化技術を導入したように、新ジャンルのクルマをつくりあげるというところにも強みがあります。これからもSUVや電動化技術をさらに磨き、AI技術やコネクテッド化技術など、さまざまな技術と融合させてクルマに新たな価値を生みだしていきたいと考えています」

3モーターの走破性と
AIインテリジェント

益子CEOの挨拶のあと、世界初公開となるe-VOLUTION CONCEPTが遂にステージに姿を現した。それは、走破性一点張りの無骨なSUVではなく、むしろ都市を駆けるほうがふさわしいとも思えるスポーティかつ洗練されたデザインのSUVだった。

世界初公開のe-VOLUTION CONCEPT

世界初公開のe-VOLUTION CONCEPT



山下光彦副社長がかたわらに立ち、まず、この一台のコンセプトを紹介した。

「e-VOLUTIONは、三菱自動車が提案する三つの価値を表現しています。すなわち、SUVとしての新しい価値、EVの新しい価値、システムとしての新しい価値、この三つを具現化するテクニカルプロトタイプです」

つづいて、開発に至る背景とめざす方向についても語った。

「三菱はEVの先駆者です。1971年にすでにEVを開発し、その後も電動車両の可能性を追求してきました。2009年には世界初の量産EVであるアイミーブを発売しています。いま、まさにEV時代を迎え、このわたしたちの経験が社会に活かせるときがやってきたと考えます。環境問題に対する責任を果たしながら、EVをシティコミューターから多様な用途のSUVまで拡大していきます」

e-VOLUTION CONCEPTを紹介する山下光彦副社長

e-VOLUTION CONCEPTを紹介する山下光彦副社長



さらには、e-VOLUTION CONCEPTの具体的な性能についても触れ、EV性能の大幅進化に加え、AI技術の活用による自動運転の実現が視野に入っていることを明らかにした。

「e-VOLUTIONは、EVとして高出力のモーター、大容量バッテリー、トリプルモーター4WDによって、e-VOLUTIONの名にふさわしい加速性能を発揮します。さらに、車載AIが新たな価値を生みだします。路面の状況や交通環境を認識し、ドライバーの意志を読み取り、さまざまなシーンでドライバーを最適にサポートします」

最後に山下副社長は、これからの三菱自動車が具体的にどういうクルマを開発・販売していくかについても熱く語った。

「三菱は今後、コアモデルを中心に電動化を推進していきます。PHEVのシステムを軸として、コンポーネントの共通化を図りながら、バッテリーEV、シリーズハイブリッドといった電動化技術を幅広く提供していきます」

前後を切り詰めた斬新なショートオーバーハングの車体

前後を切り詰めた斬新なショートオーバーハングの車体



★三菱コンセプト後web

全盛期のパリダカ・パジェロを彷彿させるテイストが感じられる



e-VOLUTIONは、ほかのメーカーのEVコンセプトカーと比べても、リアル度がMAXの一台だったわけだが、いつ商品として販売されるのかは、最後までわからなかった。新聞報道では、2020年にはアイ・ミーブ後継の新しい小型EVが登場するということなので、もしかしたら、その後のことになるのかもしれない。とはいえ、今後、三菱自動車がさまざまな個性をもつEVを発表していくことだけはまちがいなさそうだ。いろいろと期待しながら待とうではないか。

時代のテーマは
すでにAI技術へ!?

ところで、このルポでは、何度もAIという単語を使っいるが、それがどういったものかについてはまったく言及してきていない。AIは確かに今回のモーターショーのキーワードの一つであるが、現段階ではコンセプト先行であり、あまり具体的な展示は見当たらなかった。

自動車メーカー各社それぞれにAIの搭載に向かっているが、大きな方向性としては「AIによって、個々のクルマを運転する人に合わせていく」ということがテーマとなっている。AIによって人を理解して、ドライバーの感情や好みを推測し、安全性を向上させたり、利便性を高めたり、いわゆるカーライフをコントロールするというわけである。
たとえば、車内に搭載したカメラやマイクで得た情報をAIが分析し、「ドライバーの疲労度が高いと判断した場合、自動運転に切り替える」というようなことがおこなわれるようになる。

ただし、それを実用化したデモンストレーションは、今回はなかったように思う。

三菱自動車では、MI-Assistantという独自開発の車載AIを開発している。機能としては、音声認識によるカーナビの目的地設定やスケジュール管理、メール読み上げ、エアコンや車内装備の制御、調整などがある。AIというよりは音声認識システムという感が強いが、この辺からAIはクルマに入っていくのであろう。

EV、EVと騒いでいるうちに、こんどはAI、AIとなる日がすぐにやってきそうな予感がしきり。これぞまさにBEYOND THE MOTORということだろう。

(文:みらいのくるま取材班)

(1)EV未発売メーカーも電動化に本腰!
(2)リアルさ満点のEVコンセプトカーたち!
(3)三菱は小型車からSUVまでEV化をめざす!
(4)スズキは現実路線のなかでEV開発を進める!
(5)新エコタイヤはEVのよさを加速させる!

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