ロータスクラブが運営するクルマとあなたを繋ぐ街「ロータスタウン」

みらいのくるまの「ただいまのところ」情報

ALL JAPAN EV-GP SERIES 2024 プレビュー(前編)―世界初のシリーズ制EVレースが、ついに15シーズン目に突入!

2024年3月5日更新

EV-GP2024 preview 1-1

2024シーズンのALL JAPAN EV-GP SERIES (全日本電気自動車グランプリシリーズ)が、3月10日(日)、「モビリティリゾートもてぎ」(栃木県茂木町)で開幕する。

同シリーズがどのようなレースなのかを改めて確認しつつ、第1戦、そして今シーズンの見どころをプレビューする!

レジェンドが運営する
脱炭素時代の新レース

ALL JAPAN EV-GP SERIESは、世界初の年間シリーズのEVレースとして2010年にはじまった。2024年で15シーズン目を迎える。

主催するのは日本電気自動車レース協会(JEVRA:JAPAN ELECTRIC VEHICLE RACE ASSOCIATION)。モータースポーツ界のレジェンドたちが主要メンバーとなり、新しい時代のレースの醍醐味と安全性を両立させながらレースを主催し、運営している。

《JEVRA理事長/理事》(敬称略)
理事長:関谷正徳
理事:舘信秀
理事:藤本康孝
理事:柳田真孝
理事/事務局長:富沢久哉

関谷理事長は、ALL JAPAN EV-GP SERIES開催の意義について、かねてからこう語っている。

「JEVRAのEVレースはカーボンニュートラル時代に相応しいレース。開催し続けることで、今後の新しい自動車産業の発展と人材育成に貢献したい」

EV-GP2024 preview 1-2

関谷正徳理事長



参加できるのは
モーター駆動車のみ

LL JAPAN EV-GP SERIESの参加条件はシンプルだ。

基本的に、モーターで駆動する電動車だけが参加できる。エンジン駆動を伴うハイブリッド車やPHEVは参加が認められない。

この条件を満たしてエントリーした車両は、モーター出力の大小あるいは車種によってクラス分けがなされ、それぞれレースを戦う。

ALL JAPAN EV-GP SERIESのクラス区分
EV-1クラス : 市販車クラス、モーター最大出力250kW以上
EV-2クラス : 市販車クラス、モーター最大出力150kW以上250kW未満
EV-3クラス : 市販車クラス、モーター最大出力150kW未満
EV-Sクラス : 市販車クラス、SUV(スポーツユーティリティビークル)、モーター出力自由
EV-Cクラス : コンバートEV(エンジンをモーターとバッテリーに変換した車両)
EV-Fクラス : 市販車クラス、FCV(燃料電池車両)
EV-Rクラス : 市販車クラス、レンジエクステンダー(発電をエンジンで行う車両)
EV-Pクラス : プロトタイプクラス、開発車両/レース専用車両

これらクラス分けの一部を昨シーズンの参戦車両に当てはめると、以下のようになる。

モーター出力360kWのテスラ モデル3は、EV-1クラスに該当する。

EV-GP2024 preview 1-3

モーター出力160kWの日産リーフe+は、EV-2クラスに該当する。

EV-GP2024 preview 1-4

FCVのトヨタMIRAI(モーター出力:134kW)は、EV-Fクラスに該当する。

EV-GP2024 preview 1-5

コンバートEVのシビック(モーター出力:110kW)は、EV-Cクラスに該当する。



レンジエクステンダーの日産ノートのオーラニスモ(モーター出力:100kW)は、EV-Rクラスに該当する。

EV-GP2024 preview 1-7

なお、こうした車両を駆って参加するチームは多種多様。プロのレーシングチーム、自動車メーカーや部品メーカーの社員によるチーム、自動車学校の関係者チーム、一般個人のチームなどなど……。EVを所有し、JEVRAが定めた規定に則ってサーキットを走らせる技量があれば、基本的にどのようなチームでも参加することができる。

下剋上も起こり得る
全クラス混走のレース

関東圏を主に各地のサーキットで行われるレースは、すべてのクラスの車両が混走する形式で実施される。

各レースごとにクラス別順位と総合順位を競うとともに、順位に応じたポイントが与えられ、年間を通したクラス別順位と総合順位のタイトルが設定されているのはシリーズ戦ならではといえる。

混走であるため、レースによっては、モーター出力が小さい車両のドライバーが、モーター出力が大きい車両を打ち負かす下剋上が起こり得る。これはJEVRAのEVレースの醍醐味のひとつとなっている。

実際、ここ数年、4位争いにおいて下剋上がたびたび起こっており、観客を多いに沸かせている。

ただし、1位~3位の表彰台争いにおいてはモーター出力360kWのテスラ モデル3の強さが突出し、下剋上を許さない状況が続いている。

なかでも名門レーシングチームであるTeam TAISAN(代表・千葉泰常氏)が送り出すテスラ モデル3&プロドライバーたちの速さ・強さは圧倒的。各レースにおける表彰台ゲットの確率は非常に高く、昨シーズンまで6シーズン連続で年間総合チャンピオンの座を獲得している。

今季はこの状況に変化が起こるのか否か、そこに注目が集まっている。



ALL JAPAN EV-GP SERIES 2024プレビュー

(前編)世界初のシリーズ制EVレースが、ついに15シーズン目に突入!

(後編)爆速モデルSプラッドは、モデル3の牙城を打ち崩せるか!?

  • ロータスカードWeb入会
  • ロータスカードWeb入会
  • 店舗検索
  • 店舗検索
  • 楽ノリレンタカー
  • 楽ノリレンタカー

あわせて読みたい

  • ALL JAPAN EV-GP SERIES 2023 プレビュー(前編) 絶対的な強さを誇るTeam TAISANのモデル3を打ち負かすモデル3はいるのか!?

    みらいのくるまの「ただいまのところ」情報

    ALL JAPAN EV-GP SERI…

    世界で初めて年間シリーズで行うEV(基本的にモーターだけで駆動する市販の電動車)レースとして、2010年に始まったALLJAPANEV-GPSERIES(…

    2023.04.14更新

  • ALL JAPAN EV-GP SERIES 2023 第3戦レポート(2)―初の兄弟ワンツーフィニッシュ。アニー@ニキ選手の優勝でスエヒロ3連勝!

    みらいのくるまの「ただいまのところ」情報

    ALL JAPAN EV-GP SERI…

    ALLJAPANEV-GPSERIES2023の第3戦「全日本袖ケ浦EV55㎞レース大会」の決勝は、若干蒸し暑い薄曇りの天候のなかではじまった。逆転を…

    2023.07.06更新

  • 【ルポ】東京理科大で開発が進む超コンビニエンスな燃料電池車〈中編〉

    みらいのくるまの「ただいまのところ」情報

    【ルポ】東京理科大で開発が進む超コンビニ…

    アメリカで頓挫した水素化ホウ素ナトリウムの利用前編では、水素化ホウ素ナトリウムの粉を使った燃料電池車(STEPS-FCV)が、いいことずくめであることを知っ…

    2016.09.16更新

  • BookReview⑬『2019年版 間違いだらけのクルマ選び』(前編)‐「愛」をもって未来のクルマを語ろう!

    みらいのくるまの「ただいまのところ」情報

    BookReview⑬『2019年版 間…

    クールな経済分析だけではクルマの本質はわからない電気自動車(EV)や自動運転車といった未来のクルマの存在感が大きくなるにつれて、多くのメディアが今後のクルマ…

    2019.01.29更新

  • 第27回 日本EVフェスティバル レポート① ―新型アウトランダーPHEVは、総航続距離1000㎞以上を誇るベストな電動車!

    みらいのくるまの「ただいまのところ」情報

    第27回 日本EVフェスティバル レポー…

    コロナ禍が続き、クルマの電動化の流れが加速した2021年。100年に一度の混沌の中、秋に予定されていた日本自動車工業会(会長:豊田章男氏)主催の東京モーターシ…

    2021.12.09更新

  • 【EVレースNewS】ポルシェタイカン ターボSが国内初レース!予選はレコードタイムでPP獲得、決勝は5位でフィニッシュ!

    みらいのくるまの「ただいまのところ」情報

    【EVレースNewS】ポルシェタイカン …

    『2021全日本EVグランプリシリーズ』(JEVRA主催)の第1戦が、4月10日(土)、快晴の富士スピードウェイで開催された。今大会の話題の中心は、なんといっ…

    2021.04.28更新

< 前のページへ戻る