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みらいのくるまの「ただいまのところ」情報
2022年11月24日更新
この本は、今の日本の自動車業界に関する87の事柄を、わかりやすい記述と図版で解説する教科書スタイルの解説本である。
国産車メーカー各社はどのような会社なのか、クルマはどういう素材・部品でできているのか、どんなふうに製造・販売されているのかといった基本的なことはもちろん、電動化や自動運転化といった現在最も関心を集めることまでを国内外の最新情報(2022年の春時点)を交えながら解説している。
さらには、自動車整備業、エコカー減税、道交法、免許制度、税金、自動車保険、ナンバープレートなどなど、「え、こんなことまで!?」と驚くほど細かな事柄についてもわざわざページを割いて解説している。
普段の仕事や私生活の場において、「あれ、クルマの〇〇ってどういうことだっけ?」と素朴な疑問を持ったとき、この本を開けば、そのあらましがたちまちにしてわかるようになっているのである。
用語解説と図解と
わかりやすい本文と
例えば半導体について。
最近、「半導体不足でクルマの生産が滞っている」というニュースをよく耳にするわけだが、一般の人の多くは半導体についてなんとなくわかっていても、「クルマの半導体ってどんなもの? どこに使われているの?」と聞かれると途端に言葉に詰まってしまう。
しかし、この本があればそれも即解決する。索引から「半導体」の単語をたどってページを開けば、一目瞭然でその概要が理解できるようになっているのだ。
本文の記述は用語解説と図解を付した上で、こんなふうにわかりやすく書かれている。
〈現在の乗用車には多い場合には100個以上のECUが搭載されています。ECUの中核を成しているのが半導体で、この装置の電子回路によってさまざまなシステムを制御します〉
〈自動車の電子制御化はエンジンだけでなく、トランスミッション、ステアリング、ブレーキ、サスペンション、エアコン、エアバッグ、ワイパーなど自動車全体に拡がっています。ドライバーの運転を支援するADAS(先進運転支援システム)も標準化されるようになっていますが、今後はより高性能のECUがこれまで以上に搭載されるようになっていくでしょう〉
〈整備専門業者はいわゆる町の整備屋さんのことを指します。一般的な正規ディーラーの整備工場とは違い、メーカーからの縛りがないため、独自の立場であらゆる車種を整備しています〉
〈整備専門業者は「山田自動車工業」「佐藤自動車整備工場」といったように、そのほとんどがメーカー名を会社名に用いていませんが、正規ディーラーと契約を結んで販売店を兼業しているところでは、ダイハツ、スズキ、スバルなどのメーカーロゴや扱い車種名の看板を掲げる業者もいます〉
〈ユーザーは、新車を購入するならマージンの乗っていない正規ディーラーのほうが安いと考えがちですが、実際は、業販店でも正規ディーラーと同程度かそれ以上の値引きをすることがあります。これは整備専門業者が、本業で得た収益を新車販売の値引きに充てることができるからです〉
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