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第2回 SDGs ERK on ICEレポート(前編)―氷上電気カートの激突バトルは、やって楽しく観て面白い!

2021年10月12日更新

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「自動車はガソリンエンジン車を中心に進化・発展を続けてきました」

「そして、長きにわたり移動の自由やモータースポーツの楽しさをもたらしてくれました」

「しかし、今、ガソリンエンジン車はCO2を大量に排出することから、地球温暖化の元凶のひとつとされ、不自由で愉快ではない乗り物と見なされるようになってきています」

「ガソリンエンジン車を愛してきた者にとっては、これはとても残念なことです。ですが、地球温暖化を食い止めるには仕方がない流れだといえます」

「そんな中、CO2を出さないEVが、新たな移動の自由とモータースポーツの楽しさをもたらす存在として台頭し、世界中で急激に普及しはじめています」

「再生可能エネルギーによる電気で走れるようになれば、その価値と必要性はさらに高まっていくことでしょう」

「しかも、EVにはガソリンエンジン車にはできなかったことを可能にするポテンシャルがあり、その魅力は既存の領域を越えてはるかに広がっていくことでしょう」

「今回の屋内スケートリンクを走る氷上電気カート競技はその一例です。我々は、未来の自動車社会をもっと自由にもっと楽しくとの熱い思いを込め、このイベントを開催します」

これは、2021年9月23日に新横浜スケートセンターで開催された『第2回 SDGs ERK on ICE(氷上電気カート競技会)』の開会式で、主催者である日本EVクラブの舘内端代表が語った挨拶の一部を要約したものだ。

「自由」「楽しさ」というキーワードを使い、現在起きているクルマの電動化の流れと、イベントの概要・意義をわかりやすく紹介し、来場者の理解と共感を誘っていた。

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〈エキスパートクラス〉
安全なぶつかり合いで大興奮!?

当日の競技は、ビギナークラス、エキスパートクラス、マスタークラスの3クラス別で実施された。

最初に行われたのは、カート走行経験者など腕に覚えがある人たち20名が5組に分かれて戦うエキスパートクラス。各組のレースで1位になった人が優勝者として表彰された。

わずか5周だが、どのレースも想像以上に面白かった。

ローリングスタート方式で全車が同じスタートラインから一斉に走り出し、そのまま狭いコース内でマシンをガツンガツンとぶつけ合いながら先を争う様は、観ているだけで興奮を誘う。しかも氷上だから、ぶつけられた車体はスライドしてコースアウトするものの、転倒するほどの危険性はなく、万人向けのエンターテインメント性すら感じられた。本格的に氷上電気カート競技が普及すれば、この方式のレースは広く人気が出るに違いない。

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以下は、エキスパートクラスの各組の優勝者たちである。

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エキスパートクラス優勝の皆さん(A組:EV Life Japanさん、B組:柴田知輝さん、C組:斎藤真司さん、D組:村松理恵さん、E組:谷田部 雄大さん)



〈ビギナークラス〉
愉快なスピンシーンが続出!

続いて行われたのは、カート未経験者やカートの運転に自信がない人たち20名が出場するビギナークラス。エキスパートクラス同様、5組に分かれてレースが行われ、各組のレースで1位になった人が優勝者として表彰された。

このクラスでは、オーバルコースの2ヵ所(半周ずれた位置)のスタートラインから2台ずつ分かれて走り出すスタート形式を採用していた。そのためマシン同士の接触は少なく、興奮度はそこそこ。だが、初心者なりに速く走ろうとアクセルを踏み込むため、マシンがクルクルとスピンするなど、氷上ならではの愉快なシーンが続出した。出場者も「人生で初めてドリフトしてコーナーを曲がった。これは一度走るとハマるね」と感想を漏らすなど、存分に新しい競技を満喫していた。

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なお、このクラスには、タレントのパンツェッタ・ジローラモ氏が雑誌とYouTubeの取材を兼ねて出場していた。小さなカートに大きな体を押し込んで窮屈そうではあったが、さすがイタリアの跳ね馬というべきか、ややフライング気味の“ちょい悪”スタートからアグレッシブに攻め続け、最後は見
事に優勝を飾っていた。

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以下は、ビギナークラスの各組の優勝者たちである。

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ビギナークラス優勝の皆さん(A組:佐伯拓也さん、B組:原恭輔さん、C組:増田典恵さん、D組:竹内靖典さん、E組:パンツェッタ・ジローラモさん)



〈マスタークラス〉
本格レースのムードが満点!

最後にマスタークラスの競技が実施された。このレースは、レース経験者やクルマ専門雑誌の編集者などハイレベルな運転技術を持つ出場者が2人でチームを組みパシュート形式(団体追い抜き形式)でトーナメント戦を勝ち抜くというもの。全8チーム(16名)が参加し、優勝チームと準優勝チームが表彰された。

このレースも、オーバルコースの2ヵ所(半周ずれた位置)のスタートラインから走り出す形だったため、やはりエキスパートクラスのような接触バトルの興奮は薄い。しかし、どのドライバーも「これが氷上の競技?」というくらい速く巧い走りを披露してくれたので、本格的なレースのムードを堪能できた。今回は、小さなスケートリンクが舞台だったが、これがもし大自然の氷結した湖などで行われたら、走る側にも観る側にも相当エなキサイティングレースになるだろう。ぜひ、その方向での開催の検討を期待したい。

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以下は、マスタークラスの優勝チームと準優勝チームである。

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向かって左がマスタークラスで優勝のKRFレーシング(川瀬明洋さん&行田広光さん)、向かって右が準優勝のアルボル アルデア(木村順さん&土志田洸彰さん)



続く後編では、各クラスの出場者たちの声を紹介する。

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第2回 SDGs ERK on ICEレポート

(前編)氷上電気カートの激突バトルは、やって楽しく観て面白い!

(後編)「みんなで楽しくレースしたらエコだった」がSDGsの秘訣!

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