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第26回 日本EVフェスティバル レポート① – Honda eも「みんなでCO₂削減!!」へ向けたさまざまなる意匠の一つ。

2021年1月14日更新



2020年10月26日、日本の政府が「2050年までにCO₂などの温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする」との表明を行った。

そして12月3日、大手新聞社が「政府がガソリン車の新車販売を2030年代半ばに禁止する方向で調整中」の旨を朝刊の一面トップで報じた。

そんな流れの中、12月5日に第26回日本EVフェスティバルが東京国際交流館で開催された。「つながろう。みんなでCO₂削減!!」をテーマとしているだけに、まさに時宜にかなったイベントとなっていた。





サーキットでの参加型イベントが
都市での情報型イベントへと変身

もともと日本EVフェスティバルは、街から離れたサーキットで開かれていた。

しかし、今回から都市=東京での開催となった。

これはコロナ禍の影響ではない。昨年、開催25回の節目を迎えたのを機に、26回目からは「人々が集まりやすく、環境負荷が少なく、情報伝達効果の高い」ことを重視して都市型イベントとすることをもともと決めていたのである。

コロナ禍の影響は、実施するプログラムの方に出た。

当初、主なプログラムとして〈最新EV&プラグインハイブリッド車展示&試乗会〉〈気候非常事態宣言EVシンポジウム〉〈親子Kids ERK(電気レーシングカート)組立体験教室〉の三つが予定されていた。だが、このうちの〈親子Kids ERK(電気レーシングカート)組立体験教室〉は、新型コロナウイルス感染拡大第3波の影響を考慮して直前に中止となってしまったのである。残念。

ということで、今回われわれは〈最新EV&プラグインハイブリッド車展示&試乗会〉と〈気候非常事態宣言EVシンポジウム〉の二つのプログラムを中心にイベントの模様を追うことにしたのであった。

「パネル展示」「手作りEV展示」「クイズラリー」なども実施された。



街中ベストのHonda eは
スポーティな走りも魅力!

〈最新EV&プラグインハイブリッド車展示&試乗会〉の試乗会は、午前の部(10:30~12:00)と午後の部(13:00~15:00)の2回実施された。

試乗車のラインナップは、アウディのe-tron Sportback、日産のリーフe+、BMWのi3、BMWのX3 xDrive 30e、ホンダのHonda e、プジョーのSUV e-2008 GT Line、三菱自動車のエクリプスクロスPHEVの7台。

どれもピカピカの新車で、試乗の際には著名モータージャーナリストが同乗して、運転のコツの伝授やクルマの魅力の解説がなされるという贅沢なオマケも付いていた。





われわれは、一般参加の人たちが試乗する合間を縫って、Honda eとエクリプスクロスPHEVの二台に試乗させてもらった。

まず乗ったのはHonda eだ。同乗してくれたのは、わかりやすく親しみやすい解説が人気のモータージャーナリストまるも亜希子氏だった。



このクルマ、既に世界的なデザイン賞に輝いているのだが、外観がとにかくキュート。いかにもホンダらしいデザインと感じられた。

ドアを開けて乗り込むと、インパネ周りのたっぷりな未来感に圧倒された。特に5つのスクリーンを並べたでっかいディスプレイの在りようは斬新極まりない印象。コンセプトカーならともかく、実際の市販車でこんな設いのものはなかなか見られない。「時代の最先端のクルマに乗っている」という感じが強くし、とてもいい気分になれる。



ただ、インパネの両端にあるサイドカメラミラーの画面には、ちょっと戸惑いを覚えた。長年にわたって外にあるミラーを見続けててきたせいか、シートに着座してもそこに視線がいきにくいのだ。カメラを通した映像がリアルさに欠ける気もしないでもない。はたして、これで本当にちゃんと後方確認ができるのだろうか?

すると、まるも氏が、戸惑っている様子を察知してこんな風に声をかけてくれた。

「最初のうちは違和感があるでしょうけど、意識して画面を見るようにすれば、すぐに慣れてきますよ。大丈夫。それにこれ、車内に画面があるので視線移動が小さくて済むし、夜間や雨の日など、デジタルミラーの方が視認性が高まる場合もありますよ」

ちょっと安心できたので、とりあえずアクセルを踏み込んで発進してみることに。

すると、どうだろう。EVだから発進がスムーズであることは予想していたが、思ってた以上に滑らかで心地よい出足でかなりビックリさせられた。そのときにまるも氏が発した「バッテリーが下に敷いてあって低重心ということもありますけど、このコンパクトカーとは思えない高級車のように低く沈むような上品な走り、かなり魅力的ですよね」との言葉に全面的に同意したのは言うまでもない。

途中、Sportモードに切り替えたときには、さらに驚かされた。アクセルのレスポンスが俄然良くなり、獣のような加速を生み出した。さっきとはまったく違うキャラの走り。これはもう、完全なるスポーツカーだ!



——いやあ、このクルマ、一見するとホンダのロボットのアシモみたいにカワイイ感じなのに、走りの方はいろいろとすごいことになっているんですねえ。

まるも そう、コンパクトな車体に“クルマに乗る楽しさ”がギュッと凝縮されているんです。アシモを発明した時のHondaのような、世界をワクワクさせるHondaらしさがHonda eにはあると思います。

——一度乗れば、誰でもこの走りにほれ込む気がします。ただ、どうなんでしょう、車両本体価格が500万円近い(ベース車451万円/Advance495万円 ※消費税込み)であったり、満充電で280キロしか走らないというのはちょっと難点かも。その点については、まるもさん、どう思われますか?

まるも 補助金が出るにしても、価格が500万円近くするというのは確かに高いですよね。ですが、これだけの走りをするんだから、それでもいいといって購入する人はけっこういるみたいです。あと、航続距離に関しても「これで十分」という声を聞きます。つまり、買う・買わないはクルマに対する価値観や使い方次第ということじゃないでしょうか。ちなみに私は、時間に追われてアクセクして移動するというのではなく、自分のペースで楽しくカーライフを送っている人にはかなり向いている一台だと思っています。ええ。

なお、午後に行われたシンポジウムの「自動車メーカーの電動車戦略」に、ホンダのHonda e開発責任者である一瀬智史氏が登壇し、Honda e開発の経緯を語ってくれている。この場で、その発言の一端も紹介しておくことにしよう。

「Honda eを開発するにあたっては、ホンダの創業者・本田宗一郎の想い『当社はぜったいに他の模倣しない。どんなに苦しくても自分たちの手で日本一、いや世界一を』を出発点としました」

「開発コンセプトは『街中ベストのEV』。多くのバッテリーを積んで遠くに行けるEVというのはコスト、サイズ、重量、電費が大きくなります。Honda eはその方向性とは一線を画し、バッテリーを小さくして、コンパクトにつくることによって街中を中心とした走りがおもしろくなるパフォーマンスを重視することにしました。いわば、ポケットに入る高性能スマートフォンのようなクルマを目指した次第です」



そう、これからの電動車本格化の時代には、乗る人の価値観やライフスタイルに応じたさまざまな電動車がラインナップされていくに違いなく、Honda eはそのはしり的な存在になっているということだ。

まだ価格が高いという恨みはあるにしても、近い将来に電動車を選ぶ日を迎える一般のドライバーにとっては、とてもうれしい多様化現象の一つと言えるだろう。

① Honda eも「みんなでCO₂削減!!」へ向けたさまざまなる意匠の一つ。

② エクリプスクロスPHEVは、エンジン車から乗り換える電動車として“賢い選択”といえそう。

③ 三菱自動車はCO₂排出量が最少となるPHEVを中心に電動車比率を高めてゆく。

④ EVオーナーは環境性能に加えて走りに惚れて購入を決めている。

⑤ 世界地図を描き変える勢いでみんなで手を組みCO₂排出ゼロを目指そう。

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