ロータスクラブが運営するクルマとあなたを繋ぐ街「ロータスタウン」

みらいのくるまの「ただいまのところ」情報

次世代エコカー勉強会〈7時限目〉自動い運転の「ただいまのところ」②自動ブレーキの進化は日進月歩【後編】

2021年3月18日更新



これまで、軽自動車の自動ブレーキは低コストで済む赤外線レーザーによるものが主流だった。そのため、「軽自動車はどれもあまりちゃんと止まらないのでは?」という印象があった。しかし、2015年からスズキが自社の軽自動車に「デュアルカメラブレーキサポート」というカメラによる自動ブレーキを搭載できるようにして、事情は大きく変わった・・・。後編では、そのスズキの自動ブレーキのすごさにスポットを当てる。

高評価のアイサイトの廉価版を搭載

2015年5月、自動車業界の多くの人が腰を抜かしそうになった。
スズキが、新しいスペーシアに軽自動車で初となるステレオカメラによる自動ブレーキシステム(衝突被害軽減システム)「デュアルカメラブレーキサポート」をオプションで採用すると発表したからだ。

それまで、コスト重視の軽自動車に付ける自動ブレーキは、安く設置できる赤外線レーザーによるものが定番で、性能はいいがコストが高めとなるカメラやミリ波レーダーによるものは付けられないとされていた。それがいきなりのデュアルカメラによる自動ブレーキ採用のニュースである。

しかも、そのデュアルカメラは、もっとも評価が高いスバルの自動ブレーキシステムに採用されているアイサイトと同じ技術でつくられているもの(日立オートモティブ製)で、廉価版であったとしても、性能は赤外線レーザーとの比ではないだろうことは明々白々だった。

つまり、スズキは、コストと性能のバランスを絶妙に取りながら、軽自動車にはじめて自動ブレーキらしい自動ブレーキを装備させることに成功したのである。それはある意味、早すぎる革命ともいえ、自動車業界の人たちが腰を抜かすほど驚くのは無理もないことだった。

多くの普通乗用車よりもしっかり止まる

それ以降、スズキは、新しく発売される軽自動車に次々と同システムの搭載をつづけているわけだが、市場においてもそのすばらしさに対する賞賛は多く、「ほかの軽自動車だけでなく、小型乗用車や普通乗用車と比べても、スズキのクルマの自動ブレーキのほうが、しっかりと止まる(アイサイトはともかくとして)」という評価を獲得するまでとなっている。

実際、雑誌やWebを見わたすと、同様の高い評価が目立つ。以下に引用したのは、そのなかでもデュアルカメラによる自動ブレーキのよさを非常にわかりやすくかつ端的に表している記事の一つである。

〈軽自動車の自動ブレーキは、まだ機能がミニマムな車種が多く、「自動ブレーキ付き!」と謳っていても、30㎞/h以下でしか効かない気休め程度のものも多い。そんななか、現在買える軽の中では、スズキのハスラーとスペーシアに装備できる「デュアルカメラブレーキサポート(日立オートモティブ製)の性能が最も優れている。前方のクルマには5㎞/h~100㎞/hの範囲でドライバーに警報音を鳴らして減速を行い、50㎞/h未満なら衝突を回避する。相手が歩行者の場合でも、こちらが30㎞/h未満なら止まってくれる。メーカーオプションで、価格は7万5600円(横すべり防止装置とセット)と非常にリーズナブルだ〉
(週刊ポスト 2016年2月5日号 「清水草一PRESENTS 死ぬまでカーマニア宣言!」)

対クルマは50㎞/h未満、対ヒトは30㎞/h未満

では、その「デュアルカメラブレーキサポート」とは、どんな自動ブレーキなのか。スズキのホームページやカタログに詳しいが、それらを元に、自動ブレーキ機能に焦点を絞って、なるべく平易に解説してみよう。

〈基本的な仕組み〉
人間の目と同じようにカメラが左右に二つあるのがデュアルカメラ=ステレオカメラ。前方が見わたせるようにフロントウィンドウ内側の上部に設置されている。それでクルマや歩行者などの形、距離を検知し、ぶつかりそうな状況になったら自動ブレーキ(衝突被害軽減システム)をかける。

「デュアルカメラブレーキサポート」のカメラ部分

「デュアルカメラブレーキサポート」のカメラ部分



〈自動ブレーキの機能(警報から停止するまで)〉
①前方衝突警報機能:約5㎞/h~約100㎞/hで走行中に、前方の車両や歩行者を検知したら、ブザー音とメーター内の表示で警報を発する。みらい_自動ブレーキ_プロセス1

②前方衝突警報ブレーキ機能:①よりも衝突の可能性が高まったら、警報に加え、自動的に弱いブレーキが作動する。みらい_自動ブレーキ_プロセス2

③前方衝突被害軽減ブレーキアシスト機能:②の状況のときに、ドライバーがブレーキを踏むと、ブレーキ制動力を高める。みらい_自動ブレーキ_プロセス3

④自動ブレーキ機能:「このままでは衝突が避けられない」となったら、自動で強いブレーキが作動し、衝突の回避または衝突被害の軽減を図る。つまり、絶対にぶつからないとはいえないが、止まる。みらい_自動ブレーキ_プロセス4

なお、前項で紹介した記事にあるように、障害物とぶつからない速度域が設定されている。自動ブレーキの全般的な機能が働くのは約5㎞/h~約100㎞/hだが、前方のクルマとの衝突回避を可能にするには約5㎞/h~50㎞/h未満、前方の歩行者との衝突回避を可能にするには約5㎞/h~30㎞/h未満となっている。

■障害物とぶつからない速度域
クルマとの衝突回避 → 約5㎞/h~50㎞/h未満
歩行者との衝突回避 → 約5㎞/h~30㎞/h未満

今後、もっといい自動ブレーキシステムを搭載したクルマが登場してくるのはまちがいないだろう。しかし、現時点では、軽自動車に限っていえば「デュアルカメラブレーキサポート」がピカイチといえるのである。いますぐ、より安全なドライブを実現させたければ、これを搭載させたクルマの購入の検討は絶対にはずせないところだ。

みらい_イグニス

「デュアルカメラブレーキサポート」は、新しい軽自動車イグニスにもオプション設定がされている。



▼参考文献注意書き
※参考文献:『自動運転』(日経BP社発行)/週刊ポスト(小学館発行)/AllAbout/スズキHP/独立行政法人自動車事故対策機構HPほか

豊かなカーライフを支える、ドライバーのためのクレジットカード~『ロータスカード』

 

  • ロータスカードWeb入会
  • ロータスカードWeb入会
  • 店舗検索
  • 店舗検索
  • 楽ノリレンタカー
  • 楽ノリレンタカー

あわせて読みたい

  • 世界的レーサー塙郁夫さんが語る「EVの魅力」(3) 意識改革して電気自動車ライフを楽しもう!

    みらいのくるまの「ただいまのところ」情報

    世界的レーサー塙郁夫さんが語る「EVの魅…

    スマートな運転が航続距離を伸ばす▶このごろ、街中ではEVの存在感がグッと増してきています。塙さんがめざしてきたことが現実化しつつあるということですが、どのよう…

    2017.07.25更新

  • BookReview⑬『2019年版 間違いだらけのクルマ選び』(前編)‐「愛」をもって未来のクルマを語ろう!

    みらいのくるまの「ただいまのところ」情報

    BookReview⑬『2019年版 間…

    クールな経済分析だけではクルマの本質はわからない電気自動車(EV)や自動運転車といった未来のクルマの存在感が大きくなるにつれて、多くのメディアが今後のクルマ…

    2019.01.29更新

  • 日本EVクラブ『SDGs Urban Electric Four-Wheeled Ice Sports』プレゼンテーションイベント ルポ① 電気レーシングカートによる氷上スポーツがいずれはオリパラ競技に!?

    みらいのくるまの「ただいまのところ」情報

    日本EVクラブ『SDGs Urban E…

    人はこれまでにない新しいものに出会うと瞬時に好奇心を抱くと言われているが、本当のところはそうじゃない。そうなる前に戸惑いのようなものが先に立ち、「これはいったい…

    2019.08.06更新

  • 次世代エコカー勉強会〈7時限目〉「自動運転のただいまのところ」②自動ブレーキの進化は日進月歩【前編】

    みらいのくるまの「ただいまのところ」情報

    次世代エコカー勉強会〈7時限目〉「自動運…

    自動運転の技術のなかでも、もっとも身近なものになりつつある自動ブレーキ。自動で止まるなんてまるでマジックだが、そのシステムの概要を知れば、案外わかりやすいものだ…

    2016.06.28更新

  • 第26回 日本EVフェスティバル レポート② – エクリプスクロスPHEVは、エンジン車から乗り換える電動車として“賢い選択”といえそう。

    みらいのくるまの「ただいまのところ」情報

    第26回 日本EVフェスティバル レポー…

    Hondaeに続いて試乗したのは、日本EVフェスティバルが開催された前日の12月4日に発売されたばかりの三菱自動車のエクリプスクロスPHEVだ。この一台、エ…

    2021.01.14更新

  • 2021全日本EVグランプリシリーズ 第1戦 レポート③ – 「タイカンに乗り換えず、モデル3のままで戦ったのは大正解でした」(地頭所光選手)

    みらいのくるまの「ただいまのところ」情報

    2021全日本EVグランプリシリーズ 第…

    予言どおりの展開!?魔の6周目でタイカンは……コースを12周して合計55㎞を戦う決勝は、夕刻の16時15分にスタートした。スタートシグナルが消えた瞬間、グ…

    2021.05.13更新

< 前のページへ戻る