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みらいのくるまの「ただいまのところ」情報
2019年6月26日更新
『人とくるまのテクノロジー展2019 横浜』では、ロータスクラブが提携する三菱自動車もブースを構え、展示を行っていた。
そのブースの中央に据えられたステージ上にはアウトランダーPHEVのバッテリーやモーターを中心とした電動駆動システムがむき出しで展示されており、アウトランダーPHEVがいかに力強く走り、精巧につくられ次世代車であるかを印象付けていた。
だが、その展示の真意は、単にクルマのつくりの素晴らしさをアピールするためだけのものではなかった。ブースの奥にあったDENDO DRIVE HOUSE(電動ドライブハウス)の展示と密接に関わるものとして展示がされていたのだった。
理想的なV2Hを実現する
DENDO DRIVE HOUSE
そのDENDO DRIVE HOUSEについて、ブースにいた三菱自動車の担当者に話を聞いた。
――DENDO DRIVE HOUSEとはどのようなものなのか、わかりやすく教えてください。
これは、お客さまに理想的なV2H(Vehicle to Home)を実現していただくためのものです。つまり、アウトランダーPHEVなどの電動車、充放電機器、太陽光パネル、家庭用蓄電池(オプション)を使って家庭での効率的な電気利用を可能とするシステムを組み、それを「DENDO DRIVE HOUSE」という名の元でパッケージ化してお客さまに提案するというもの。近々、三菱自動車の販売店が販売・設置、アフターメンテナンスまでをワンストップ化して提供することになっています。
――これを導入すると、どのようなメリットがあるのでしょうか?
まず、身近なことでいうなら、電気代が大幅に節約できることが挙げられます。昼間は太陽光パネルで発電した余剰電力を電動車と家庭用蓄電池に充電でき、夜はその電動車と家庭用蓄電池から電力を家庭に供給できるようになるので、あまり電気代がかかりません。極端な例をいえば、アウトランダーPHEVの満充電のバッテリーは日本の一般家庭の約1日分の電気が賄えるようになっているのですが、ずっと晴れていれば太陽光パネルからアウトランダーや家庭用蓄電池への充電が続くため、その間はほとんど電気を購入しなくても家庭内のすべての電化製品が動かせるようになります。
――そのほかのメリットは?
緊急時の電源として期待できます。万が一の災害時に電力網が被害を受けて停電した場合でも、家の太陽光パネルで発電して電動車と家庭用蓄電池に充電できるわけですから、復旧までの間、問題なく家庭へ電力供給が行えます。その間、もし陽光が差さない日が続いたとしても、アウトランダーPHEVなら、ガソリンを満タンにしてさえいれば10日分の電気が賄えるので、さほど大きな支障はありません。
それから、これは言うまでもないことですが、このDENDO DRIVE HOUSEを導入すれば、太陽光パネルで発電したクリーンな電力を家庭や電動車で使用することになるわけですから、低炭素社会の実現に大きく貢献することにも繋がります。
――先ほど近々といわれましたが、DENDO DRIVE HOUSEは、いつから顧客に提案、提供していく予定なのでしょうか?
はい、今年、2019年中に提案を始める予定になっています。
基幹モデルにEVの設定を検討中
――ずいぶんと早い気がしますが、やはり、世界で初めて量産型のEVであるアイ・ミーブを発売した三菱自動車だからこそ、いち早く取り組んでいくということなんでしょうか。
そうですね、一般にはそれほど広く認識されていないのかも知れませんが、弊社の中では電動技術はコアな技術となっていますし、常にEV・PHEVの世界のパイオニアであり続けたいという明確な思いもあります。ですから、今回のDENDO DRIVE HOUSEの事業も、その思いの中で展開される一つと捉えていただいてもよろしいかと思います。
――なるほど。では、EV・PHEVの世界のパイオニアという前提でお聞きします。今後、三菱自動車のEV・PHEVの展開はどのようになっていくのでしょう? 話せる範囲で結構ですから、お教えください。
どの車種がどうなるということは言えませんが、現在、基幹モデルにEVやPHEVの電動車を設定していくことを前向きに検討しています。そして、どのような基幹モデルでそれを実現するかは、時代の流れや国・地域のニーズを見すえた上でのことになるでしょう。これ以上の具体的なことについては、正式に外に情報が出せるようになったときに、改めて話を聞きにきてください(笑)。
正直なところ、DENDO DRIVE HOUSEの展示は、家庭用電気の話である故に『人とくるまのテクノロジー展2019 横浜』の中では比較的地味目な展示だった。しかし、話を聞くと、この展示には三菱自動車のただならぬ電動車社会実現への意気込みが込められていることがよくわかった。そして、V2Hの実現も早いが、新しい電動車が出現する日もそう遠くないこともしっかりと予感できたのだった。
(文:みらいのくるま取材班)
① 三菱車とスズキ車に縁が深いバッテリーSCiBの長寿命性のワケを知る!
② EVのパイオニア三菱自動車は2019年中に始まるDENDO DRIVE HOUSEを披露!
③ 三菱自動車のパティシエコンセプトが生み出す次なるクルマとは?
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