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達人に訊く(3)商用ミニバンの乗り心地をよくするノウハウ、もってます!

2021年3月18日更新

今月の達人
真鍋モータース・真鍋貴行

真鍋貴行

こんにちは。香川県にあるロータス店『真鍋モータース』の真鍋貴行です。今回もゆたかなカーライフのためのヒントやアイデアを紹介します。ということで、今回はウチの宣伝も兼ねて「商用ミニバンの乗り心地を改善する方法」についてお話したいと思います。

荷室が空でも快適に運転できる商用ミニバンを

ウチのお店『真鍋モータース』は、ハイエースをはじめとした商用ミニバンの改善に力を入れています。
あの実用本位のクルマを、まるで乗用車のように快適なクルマに変身させることを得意にしているのです。

具体的には、足下を調整したり、シート数を増やしたり、本格的AV機器を搭載させたりといろいろやっているのですが、とくにお客さまにご好評いただいているのは、5年以上前からやっている足下の調整、すなわちリーフスプリング(リーフ式サスペンション)の改善策です。ハイエース

もともと最大積載量が約1トンの商用ミニバンの足下は、その1トンを載せた状態を前提にして設計されています。そのなかでも、とくに荷室を支える後輪側のリーフスプリングは、非常に硬めに設定されています。これは、荷物を積んだ状態では快適に走行するものの、空にした状態で走ると車体がガタガタし、ものすごく乗り心地が悪くなることを意味しています。

もしかして、みなさんも体験したこと、あるんじゃないでしょうか? 若かりしころ、自分で引っ越ししたときに借りたミニバンが、荷物を載せたときには快適だったのに、荷物を降ろした途端に非常に乗り心地が悪くなったということを……。

ウチでは、あの状態をなんとかするために、リーフスプリングの改善の提案を行っています。つまり、荷物が空であろうと、1トン積んだ状態であろうと、常に快適な乗り心地を実現するための改善整備を提供しているのです。

既存のリーフスプリングの特性を変えればOK

この改善、やるのはそれなりに技術を要するものの、理屈はそう難しくはありません。
要は、荷室の状態によってリーフスプリングの特性が変わるようにすればいいだけなのです。すなわち、1トン載るときは硬くなり、空のときは柔らかくなるようにすればいいということです。下に示した曲線グラフは、そのイメージとなります。グラフ

じゃあ、これをどうやって実現させるかが問題なわけですが、僕はハイエースの場合においては、通常四枚重なって設置されているリーフスプリングの四枚目を荷重によって変えられる設定を思いつきました。

写真を見てください。一番下の突起がある四枚目のスプリングが少し空間をあけて離れていますよね。これは荷室が空に近く、車体が少し浮いている状態を示しています。つまり、三枚分のバネしか働らかない状態となるので、柔らかい乗り心地をもたらすことになります。
それで、逆に荷物をたくさん積むとどうなるかというと、この四枚目のスプリングの突起がほかのスプリングとくっつきます。そうなれば、商用ミニバンにふさわしく1トン積んでもしっかりと走れる硬いバネが働くことになるのです。リーフスプリング

どうですか? なかなかのアイデアでしょ?
実際、改善を施したお客さまからの評判は上々です。「ちがうクルマになったみたい。いつでもすごく乗り心地がいい」といったような声をたくさんいただいています。しかも、これ、パーツを入れ替えるわけではありませんから、新たに車検を通す必要はなく、費用面でも大いに納得いただいています。

じつは、最新のトヨタのハイエースには、この僕のやり方と同様の工夫が導入されたので、もう改善を施す必要はなくなっています。だけど、それ以前のハイエースやほかの商用ミニバンはそうなってはいません。いま、そういうクルマに乗っているか、中古の購入を考えている方は、ぜひ、この改善策の導入を検討してみてください。荷物をいっぱい載せてしっかり走らせられるのはもちろん、快適な乗用車としても充分に使えるようになりますから。いやホントです。想像していなかったほどの驚きと喜びの変化が体感できますから。

お客さまに真に喜ばれるサービスはマニアック!?

僕は、基本「どんな些細なことでも、お客さまが困っていることになるべくお応えする」ことを旨として、さまざまな情報や商品および整備の提供を行うようにしています。そうすると、自然、メーカー系のディーラーでは対応していないマニアックなサービス内容が多くなっていきます(笑)。
でも、それでいいんです。それこそが、本当にお客さまに喜ばれる情報、商品および整備だと固く信じてますから。それに、こういうことって真にクルマが好きで、腕に自信がないとやれないわけで、そういう意味では、この流儀を貫くことに大きな誇りを感じています。

お店紹介
真鍋モータース
1955年に創業した香川県三豊市にあるロータス店『真鍋モータース』。二代目の真鍋貴行社長(56)は、3歳で中古車の買い付けに同行したというほどのクルマ好きで、現在は「お客さまが困っていることに応えられるお店」「おもしろいカーライフが提案できるお店」をモットーに邁進中。とくにハイエースの改良に関しては全国に名を轟かせるほどとなっている。

店舗

住所:香川県三豊市詫間町詫間614-8
電話:0875-83-2477(代表)
HP:http://www.lotas37.com/manabe/

社長

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