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クルマのことならなんでもガイド
2018年7月30日更新
今月の達人
宮本モータース・宮本毅
老化防止剤が配合されても
ゴムは必ず劣化していく
前回の「タイヤの溝」に続いて、「ゴムの劣化」というチェックポイントについてお話します。
タイヤの主な素材であるゴムは、劣化(硬化、分解)しやすいという問題点をもっています。
そのために、どの製品にも劣化を遅らせる老化防止剤が配合されています。しかし、時間や使用状況などによってその効果も次第に薄れていくため、だんだんと劣化していくことはどうしても避けられません。
ゴムが劣化していけば、当然、新品時にあった性能や安全性もだんだん損なわれていきます。そして、劣化が激しく進めば、それはすなわちタイヤの寿命(タイヤの交換期)を意味することとなります。
そう、タイヤの寿命は、摩耗やパンクだけでなく、材質であるゴム自体の劣化(=性能の低下)によっても尽きるものなのです。
ゴム自体の寿命は最長10年
このゴムの劣化によるタイヤの寿命、だいたい何年ぐらいだと考えておけばいいのでしょうか?
メーカーやグレードによっても違いますし、走行による摩耗や保管環境なども影響するので一概にはいえませんが、一般的に廉価なタイヤの寿命は3~4年、比較的グレードの高いタイヤの寿命は5年ぐらいだといわれているので、そのあたりを目安とお考えください。
もちろん、あまり走行しておらず保管環境もバツグンだとしたら、どんなグレードのタイヤであれゴムの劣化は遅れるので、それ以上の寿命を保つことは十分にあり得ます。
実際、わたしも10年以上もったタイヤを目にしたことが何度かあります。モノを大切に使えば長持ちするという理が、ここでも通用するということでしょう。
ただ、どのタイヤメーカーも「10年経っていたら交換しましょう」と口をそろえて推奨しています。見た目はどうあれ、それがゴムという素材の限界点ということでしょう。ということで、皆さんがタイヤを大事にして、いい状態を保っていたとしても、「寿命は最長10年」というわけです。
ちなみに、タイヤがいつ製造されたのかについては、ホイールに近い位置に刻印されている4桁の数字でわかります。
下の写真を見てください。
アルファベット記号のあとに0418とありますが、これはタイヤが製造された週(1年のあいだの週の数を01~52で表記)と年(西暦)を表しています。つまり、前半の04が第4週目ということで、後半の18が2018年ということ。整理すると、2018年の第4週目(1月21~27日)に製造された、まだゴムの劣化が進んでいない新しいタイヤということになるのです。
これがもし、0410となっていたとすれば、それは2010年の第4週目である1月下旬に製造されたということになるので、いまから8年前の劣化がかなり進んだ古いタイヤということがわかるわけです。
時間、距離、環境次第で
劣化の度合いが決まる
ここで改めてタイヤのゴムが劣化する要因について見ておきましょう。
その主なものは、8つあります。
《タイヤのゴムが劣化する主な要因》
①時間の経過
②頻繁な使用(回数、走行距離など)
③空気圧不足の状態で走る
④屋外など紫外線が多い場所で保管
⑤発電機やバッテリーのそばで保管
⑥長期間の放置(駐車したままにしておく)
⑦つや出し剤の使用
⑧過度な洗浄
要するに、多くの時間が経過したタイヤ、たくさん走行したタイヤ、よくない保管をしたタイヤ、化学物質を塗布したタイヤは、ゴムの劣化がひどくなるということです。
いうまでもないことですが、それぞれの要因が重なり合えば、劣化のスピードはさらに速まっていきます。
タイヤを長持ちさせたいなら、カーライフにおいてこれらの要因をなるべく避けるよう心がけることが肝要なのです。
大きく深いヒビ割れは
バーストの危険サイン
最後に、皆さん自身が愛車のタイヤのゴムの劣化具合ならびに寿命を判断するためにはどうすればいいか、についてです。
もっともわかりやすいのは、「サイド部分や溝のなかにヒビ割れがあるかないかをみる」という方法です。ヒビは、ゴムの劣化を示す象徴的な現象といえるからです。
小さく浅いヒビであれば、まだ多少は走行できるにしても、そろそろ寿命が近いと考えるべきでしょう。
大きく深いヒビだとすると、それはもう寿命と判断すべきです。乗り心地が悪くなるだけでなく高速走行中にバーストする危険性もあるので、早急にタイヤ交換をする必要があります。
まあ、大きく深いヒビがあるのを見たならば、ほとんどの人は「これはいけない」と思うでしょう。
私が心配するのは、タイヤに大きく深いヒビが入っているにもかかわらず、タイヤに目が行かず、タイヤが発している危険サインに気付かないことです。
タイヤのサイドにできたヒビ
タイヤの溝にできたヒビ
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