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クルマのトラブル「もしも」マニュアル

Vol.10 ペダル踏みまちがえでコンビニを破壊。その莫大な賠償金、払えるのかな?〈前編〉

2019年3月26日更新

ロータスタウン_もしも_9-1

【今回のやっちゃったストーリー】

免許取り立てJ子さん(20歳学生)。初の休日ドライブの帰りに、とんでもないことをやらかした。
休息のために立ち寄ったコンビニの駐車スペースにクルマをバックで入れようとしたところ、なかなかまっすぐに停まれず、前進したりバックしたりを繰り返した。そして、その何回目かのバックのときに、ブレーキを強く踏むつもりだったJ子さんはアクセルをギュッと踏んでしまったのだ。
ギュイーン、ガシャーン!
クルマは勢いよく縁石を乗り越え、店の全面ガラスに突っ込んだ。幸い人を傷つけることはなかったものの、店内は、たくさんの棚が倒れ、ほうぼうに商品が飛び散るといった見るも無残な状態となった。
J子さんは運転席でしばし茫然自失。そこへ、レジカウンター内からでてきた若くて痩せた店員がゆっくりと近づき、静かな声でこういった。「もう、なにやってんすか。オレ、バイトだからよくわかんないけど、これ、けっこうやばいっすよ」。
彼のいうとおり、たしかにやばかった。社会的な責任の大きさはもちろんだが、後日請求された賠償額が腰を抜かすほど高かったのだ。あわわわ、どうする?

ペダルを踏みまちがうのは
高齢者だけじゃない

ブレーキとアクセルのペダルの踏みまちがいによる事故は、J子さんのようにお店に突っ込むケースのほか、交差点での信号待ちで前方のクルマに追突するなど、いろんなパターンがあります。そして、それらの件数は思いのほか多く、2013年時点で約6,400件(交通事故件数の約1%)も起きています。最近は踏みまちがいによる事故を防ぐことを目的とした誤発進抑制機能が付いたクルマが発売されるようになったため、少しは減少に益しているのかもしれませんが、普及がまだまだであるため、現時点では大きな数字の変動までには繋がっていないようです。

※出典:ITARDA INFORMATION 交通事故分析レポート№107

※出典:ITARDA INFORMATION 交通事故分析レポート№107



それにしても、どうしてこんな単純な操作ミスによる事故が起こってしまうのでしょうか?
「ペダルの踏みまちがによる事故の多くは高齢者が起こしている。やっぱり認知機能の衰えが影響しているんじゃないの?」
はい、たしかにそれは否めません。実際、テレビで流れるペダル踏みまちがい事故のニュースの多くは、そうした高齢者によるものがほとんどなのですから……。ですが、ペダルを踏みまちがえるのは高齢者だけじゃないという事実も厳然としてあります。下のグラフを見るとわかるように、若者による踏みまちがい事故も案外に多かったりするのです。

 ※出典:ITARDA INFORMATION 交通事故分析レポート№107

※出典:ITARDA INFORMATION 交通事故分析レポート№107



悲劇を招かないために
万全のデバイスと保険を

なぜ、認知機能がバリバリにある若者が踏みまちがい事故を起こすのか、その主な理由については容易に想像がつきます。
それは、運転操作にあまり慣れていないから。たとえば免許取り立てのJ子さんのケースでは、正しく駐車しようとなんどもバックと前進を繰り返しているうちに、頭がカーッと熱くなってなにがなんだかわからなくなり、ついついアクセルとブレーキのペダルを踏み誤ってしまったわけです。これ、ベテランドライバーにはあまり起き得ないことでしょう。

こんなことにならないためには、年月をかけてベテランになっていくほかないのですが、多くの若者はそこに至るまでに踏みまちがい事故を起こすのですから、解決策としては説得力がありません。いまのところは、とにかく注意を怠らないこと、そして、前述の誤発進抑制機能が付いたクルマを買うということが、もっとも説得力のあるものとなるでしょうか……(後者については、購入費はちょっと高くなるので、資金力の乏しい若い人たちには酷な選択になるのかもしれませんが、そこらへんはがんばってというほか言葉はありません)。

あと、仕方なく起きてしまった事故後のことを考えるならば、やはり保険を万全にしておくことも忘れちゃいけません。これをやっておかないと、悲劇は想像以上に大きなものとなってしまいます。ということで、つづく後編では、クルマの対物賠償保険について解説します。

ペダル踏みまちがえでコンビニを破壊。その莫大な賠償金、払えるのかな?〈前編〉
ペダル踏みまちがえでコンビニを破壊。その莫大な賠償金、払えるのかな?〈後編〉

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