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クルマのトラブル「もしも」マニュアル
2023年9月19日更新
前編では、Fさんのケースを見ながら、自転車保険の必要性について学びました。つづく後編では、自転車の事故に備える保険についてご紹介します。
基本的に自転車保険は3つある
自転車用の保険には、いくつか種類があります。その主なものを補償対象とともに以下の表に示しました。
「あれ、自転車保険がないじゃないか」と思われたのではないでしょうか?
じつは、世のなかで「自転車保険」という呼んでいる保険は、「①個人賠償責任保険と傷害保険を組み合わせたセット商品としての自転車保険」、「②個人賠償責任保険という単体商品としての自転車保険」、「③TSマーク付帯保険という単体サービスとしての自転車保険」の三つのいずれかということになるのです。
オススメは自動車保険に特約でつける自転車保険
では、どれを選べばいいのか?
一番簡単なのは、各保険会社が売り出している「①個人賠償責任保険と傷害保険を組み合わせたセット商品としての自転車保険」に入るという手です。これなら、一つの保険商品にお金を払うだけで、相手への賠償(一般的に最大2~3億円)と自分のケガに対する補償が自動的に付いてきます。
ただし、これだと金銭面のムダが発生する場合があります。たぶん多くの人は別に傷害保険に入っているはず。そうであるならば、傷害保険分を重複して支払うことになってしまいます。とくに自転車に乗る家族が複数人いる場合、そのムダは無視できまないほどに大きくなってしまいます。
次に、「③TSマーク付帯保険という単体サービスとしての自転車保険」について見ていきましょう。この保険は、1年に1回必ず自転車安全整備店で有料の点検整備をするという条件が付きます。少し気になるのは、賠償責任補償の最高限度額が赤色TSマークの場合は1億円ですが、青色TSマークの場合は1,000万円と低いことです。前編で紹介しましたが、大きな事故における賠償額はそれを大きく上回る可能性があるので、十分とは言えないでしょう。
ということで、ここでオススメするのは、「②個人賠償責任保険という単体商品としての自転車保険」ということになります。
これは、じつは個人賠償責任補償特約として、既に加入済みの自動車保険に特約として簡単に付けられます。しかも、保険料と相手への補償に関する金銭的なメリットは、ほかのどれよりも大きくなっています。損害保険各社によって多少の違いはありますが、個人賠償責任補償特約のポイントは以下のようなものです。
●年間の保険料は千数百円~2,000円程度
●保険適用対象は自分と家族全員
●相手への補償は国内では無制限(示談交渉付き)
どうでしょうか? かなりいい内容といえるのではないでしょうか。唯一のデメリットとしては、自転車を運転していた人のケガへの補償がないことですが、それは別に傷害保険に加入してカバーすることができます。
すでに自動車保険に加入している方で、自分と家族の自転車保険のことを考えている方は、個人賠償責任補償特約を付帯することを考えてみてはいかがでしょう。
※参考文献:日本損害保険協会HP、埼玉県警HP、日本交通管理技術協会HP、東京海上日動火災保険HP ほか
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